兵庫県朝来(あさご)市和田山にある山城、竹田城。日本百名城の一つでもあり、天守はなく、石垣のみの城跡です。
別名、虎がふせたようなシルエットから、虎臥(とらふす)城と呼ばれています。
秋から冬にかけてよく晴れた早朝にのみ見ることができる、雲海に浮かぶような姿から、天空の城、東洋のマチュピチュと呼ばれたりも。
春夏秋冬、季節を問わず美しいそうで、雲海の見える秋だけではなく、桜や雪景色の風景もまたオツだそうですよ。

9~12月の雲海のシーズン前ということで、検索し見に来ていただく方もいらしたので、改めてざっとですが行程レポート。


前年のあいたい兵庫グルメブロガーに選んでいただきまして、「五感を震わせる、但馬の秋を食らう旅」をテーマにツアーをしてきました。
グルメツアーだったのに、城に行きたい!石垣に会いたい!と、竹田城へ寄るスケジュールを捻出。
「行くんだモン、行きたいんだモーン(・_・ 三・_・)!」と床に寝転がり足をバタバタし(嘘)、連れて行っていただきました竹田城跡!


なんと・・・
またというかやっぱりとも言うべきか、ホテルの部屋で目覚めたら外は雨でした―――!
雲海は晴れた朝しか出ない、そう言われてもせっかくこの季節に訪問させていただいたのもチャンス。やはり行きたい。
真っ暗な5時半に豊岡市内のホテルを出発、暗い夜道を南下してひた走ります。



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竹田城を撮る(見る)には主に2通りの方法があります。

①正面の立雲峡から眺める
②竹田城に登る


天空の竹田城を撮るならどちらも捨てがたく、ベストは2日間以上必要ですが、私の場合一泊二日でしか動けなかったので、雨でも嵐でもこの日のみ。
まずは向かい側の立雲峡からダイナミックに眺めてみて、あとで竹田城に登ることにしました。

なぜ竹田城に雲海が現れるか?は、昼と朝の温度の差が激しいときで、川の上に霧が集中して発生するからとか?
気温が急激に冷え込む秋、9月から12月初旬の晴れた早朝にのみ大量に発生し、そこに朝陽が挿す時刻がまさに幻想的な天空の城となるゴールデンタイムなんです。

ただしこの季節に朝向かうからといって「あまり期待をかけすぎてはならない」ことも付け足しておきます・・・
相手は自然ですから、見れたらなんてラッキーくらいの心持ちがいいのかな?と思います。


さて、立雲峡の駐車場に着きました。6:20頃はまだこんな暗さです。
カメラと三脚を抱え、山道を少し登ります。


さすがというか、他にもたくさんの城ファンが同じように歩いています。こんな時間にちょっと異常な雰囲気(笑)。


よさそうな場所に陣取り三脚を置きます。地面は斜めなので、水平を保ちつつ固定。
こんな感じで、私が振り返っただけでこれくらいの人手ですね。あとは左右、下の方にもカメラを構えた人がいます。


こんな山道なのでスニーカーがいいと思います。

びっくりするのが、撮影に夢中になったあまり、踏み外して転ぶ人がいたということ。
雨でぬかるんでいたからなのか、結構上の方からゴロンゴロンと転がり落ちた男性がいて、下でカメラを構えている人にもぶつかっていました。

危険だΣ(・ω・ノ)ノ!!

その人はその後もまた滑って転げ落ち、今度は頭を打ったか怪我をしたみたいで立ち上がれなくなり、仲間に背負ってもらって下山していました。
・・・そうならないように気を付けましょう


7:00 朝陽が挿してきましたが、雲海は表れていません。
ただ石垣の後ろにうっすらと靄らしきものが…



雨もすっかりやみ、少しずつ・・・後ろの空がやや明るくなってきます。


すると雲海がゆ~っくりと現れ始めました・・・!
うおー!! 感動するー
感動!!

めまぐるしく雲は流れたり消えたり・・・ 

まるで大空を龍が泳ぐ姿のようでもあり、もう神秘的で言葉も出ません…



いい感じで空も赤く色づいてきましたが、


一気に雲海が出現し、逆に城が見えなくなったりも。

ああ、一瞬一瞬が美しい・・・・!(すみません、私に腕がないので画像ヘッポコで☆)


すっかり日が昇ると、たくさんの人が本丸跡に上がっていたことに気づいてびっくり(笑)。
ちょっと興ざめ(;^_^A


時間を飛び越えて、同じ風景を見つめる戦国人と私たち。
あ~~不思議、あ~~ロマン!!
本当に連れて来てもらってよかった! すごく感動し、興奮しました。

7:30 退散し、竹田城へと移動します。



駐車場には紅葉の落ち葉が秋らしさを演出してくれてました。



川を越え、駅を超えて竹田城山門前の駐車スペースへ車を停めます。
ここにはトイレもあり、歴女たちがワクテカトークをしている話が聞こえてきました。

うん、竹田城オフ女子旅アリだよ、アリOK



城についてはこちらを↑



遊歩道は2コース。
ゆるやかに安全な遠回りコースと、最短で危険な(笑)山道コース。
もちろん! 私の性格上、最短コースでしょうこれは! ネタ的にも(笑)!



ちなみに付近でクマ情報もあり、クマよけも置いてあるくらいですので、山道コースを行く場合、注意は心に留め置いておきましょうね。


足を置く階段チックなものはあるよ~。でも結構な傾斜です。

 

確かに…クマが出そう☆



安土城の石垣を作った近江穴太衆(おうみあのうしゅう)たちの手による、自然なままの石をどっしりと積み上げた野面 (のづら)積みの石垣。隙間が程よく空いて水はけがいいそう。
でもこんなふうに、ほとんど当時のままの石に触れながら歩くことのできる城はやっぱり素晴らしい。

息ははぁはぁと上がるけど、石垣に手を置くと、手のひらの奥から得も言われぬパワーが流れてくる気がする。



野ざらしの草木がまた、その世界を妄想させてくれるから、
私は戦国の誰かになったつもりで息をひそめその道をひたすら進む。



天守へと、一歩一歩・・・



苔の生命力。石の存在感。


やがて視界が開けて、



花屋敷跡。



もっと登ろう。高みへ、高みへ。
駆り立てられるように無言で登る。



この景色・・・
同じ景色を見ただろう彼方の時代の誰か。



豊かな自然が残る但馬の風景に、



とても似合う竹田城の美形の城郭。
死角をなくすためとはいえ、なんと美しいラインなんだろう。




地元の人は、学校の遠足でここへ来るんだって。いいね。



標高約350メートルの頂きに立つ、天守の上にも立ってみました。
そうだね、お弁当を広げたくなるのわかる、この爽快感(笑)!
背伸びをして深呼吸をいーっぱいしました! 久しぶりっていうくらい綺麗な空気をいっぱい。



絶景って風景だけでは成り立たない、調和も大事で。



こんな風に老夫婦が写真を撮りあいっこしてる。そんな姿がとってもマッチしてるのも竹田城。
但馬は自然と人間の共生がテーマのまちだけど、
特別じゃない、自然にここにあるこのお城もまた、時代を超えて現代に共生しているんですよね。

「絶景をありがとうございます!」
住まう皆さんに思わずお辞儀したくなる、そんな感じです。



下りは少し心の余裕ができたので周囲を眺めながらゆっくり降りました。
連れてきてくださって、本当に感謝、感謝。



帰りに竹田駅にも寄り道しました。

駅舎、素敵すぎ。
待合室がまた風情あっていいの。必見です。


ネット上で話題に上る機会も増えた竹田城跡。
もっとみんなに知ってもらいたいなと思う半面、現地へ行ってその飾らない姿を見つめた後は、あの野ざらしの野性的な風貌のまま変わらないでいてほしい・・・まもられててほしいという気持ちも生まれてきます。


ごみを捨てない、決まった道以外に入らない、事故を起こさない、冷静に撮影する―――。
そういった一見、当たり前ともいえるマナーが守られなくなったら竹田城は制約ができ、または余計な手が加わり価値が変わっていくのかもしれません。


そういえば今年の春から朝来(あさご)市役所には竹田城課が発足したらしいです。
ボランティアガイドさんのツアーもあるみたいです。



あいたい兵庫キャンペーン2012

今年も選んでいただきました。今度は丹波へ行くじょ^^



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