八日目の蝉/角田 光代
¥1,680
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オススメ度:★★★☆☆



以前、NHKでのドラマ放送を知ったとき、


「NHKいしては、すごいテーマをやるんだなぁ」


と漠然と思っていた作品ですが、


気がつけば映画映画化までされ、


すっかり有名になってました汗


設定自体が決して救われない悲しいものなので、


読み進めていくほどに気分が下がりますダウン


でも、


女性なら、


主人公の気持ちも痛いほど分かる気がするし、


『誘拐された子』として育った女の子の複雑な思いも、


ごく自然に受け止められたような気がしましたにへ





蝉は何年も土の中にいるのに、


地上ではたった七日間しか生きられないことを知った女の子は、


後に再会した怪しい宗教団体の施設の中で共に育った友人に、


「七日で死ぬよりも、八日目に生き残った蝉のほうが悲しい」


と話します。


でも、


お腹の中に父親のいない新しい命を宿した彼女に、


その友人は言います。


「私もそう思ってたけど・・・それは違うかもね。


八日目の蝉は、他の蝉には見られなかったものを見られるんだから。


見たくないって思うかもしれないけれど、


でも、


ぎゅっと目を閉じてなくちゃいけないほどにひどいものばかりでもないと、


私は思うよ。」


と。


この一言は、


お話の中の女の子同様、


私の心も救ってくれましたうっ・・


「あの人が見ることのできなかったきれいなものを、


一つでも多く私は見届けていこうと思う」


以前、


同じようなことを私もある人に伝えたことがあります。


その人はきっと私のその言葉の真意を知らずに、


もう忘れちゃってるかも知れないけれどあせる


私が散々悩みぬいて見つけた答えがまさにそれでした。


いろんなことがあるけれど、


それでも、


「生きることにはちゃんと意味がある」


と、あらためて思わせてくれる作品ですキラキラ