監督:テット・サンバット、ロブ・レムキン
製作国:カンボジア、イギリス
製作年:2010年
難民映画祭第2弾です。
今回の作品は、
サンダンス映画祭で「世界のドキュメンタリー特別審査員賞」を受賞したそう。
サンダンス映画祭といえば、
私の好き
な『闇の列車、光の旅』も監督賞を受賞してました。
1970年代後半、
ポル・ポト政権の下で200万人もの人が犠牲になりました。
両親と兄弟を亡くした新聞記者のサンバット(写真右)は、
長い時間をかけて、
当時の関係者を探し、彼らの口から直接真実を聞き出します。
主に3人の関係者が出てきますが、
そのうちの一人(写真左)は、
ポル・ポトの右腕とされた実質のNo.2、ヌオン・チア本人です。
先日観た向井くんの映画もカンボジアが舞台で、
この大虐殺については少し触れられていますが、
今回の映画は、
その残酷な現実を当事者から直接聞くという何ともリアルで、
見ている私も思わず息をのんでしまうほどでした。
映画の終盤に訪れる、
わずか一分程度のサイレントシーンは、
今回私が一番印象に残っている場面です。
当時の大虐殺の写真が何枚も映し出されるだけのものですが、
彼らの発言の後に観るそのシーンは、
何よりも強いメッセージを持って、
私たちの心に問いを投げかけていたように思います。
本当の「ENEMIES OF THE PEOPLE」は、誰なのか。
過去の過ちを繰り返さないためにも、
私たちはもっと過去(歴史の真実)と真摯に向き合い
過去から学ばなくてはいけないなと思いました。

