2015年1月12日までの連休は長野県の佐久市にあるカトリック教会でお仕事されているオランダ人司祭のルカ・ホルスティンク神父さまと過ごしました。ルカ神父さまは2012年まで京都にあるフランシスコの家(キリシタン資料館)で暮らし京都にある教会で司祭をされていましたが、フランシスコの家を壊すことになり2014年2月に長野へ転勤してこられました。それで佐久カトリック教会はステキなところだというお話でしたので今回お邪魔しました。



この佐久カトリック教会がある佐久平は新幹線で東京から約1時間半ということで、軽井沢の次の駅です。やっぱり軽井沢周辺にある教会ではこのように自然の木の特徴を生かした祭壇や家具が置かれているようです。



この教会にある家具の殆どが以前この教会で主任司祭をされていたコロンビア人のガブリエル・ディアス神父さまのお友達が製作されたそうです。これも素晴らしい芸術作品の1つですね



天井もログハウス風というのか分かりませんが全て木製です。



こちらは説教台です。大きな木の真ん中をくり抜いて作られています。



そして、ここで注目して頂きたいのは天井から吊るされているライトです。お魚の飾りがついています。これは「人をとる漁師にしてあげよう!」の聖句もありますが、ルカ神父さまがおっしゃるにはギリシャ語で「イエス・キリスト」「魚」の文字だったか?発音だったか忘れてしまいましたが同じだからだそうです。だから、よく日本の隠れキリシタンは仏壇に「魚」を飾っていたらしいです。魚を飾るというか、仏壇にみかんやご飯を飾るように。



こちらは洗礼盤です。黄金に輝く「魚」がデコレーションされています。このような洗礼盤や天井から吊る下げられた魚がついたライトを見て思ったのですが、ヨーロッパのロココ調の教会の内装よりも凝っている感じがしました。



どなたが寄贈されたのか分からないのですが、これも芸術作品の1つなんでしょうね。使うのが勿体無いくらいステキです。



こちらは聖水盤です。聖堂に入る時で出る時に聖水を指に少しだけつけて額の上で十字を切ります。



以前、主人司祭をされていたガブリエル神父さまは貝がお好きということで貝でデコレーションされたものも沢山ありました。ルカ神父さまがおっしゃるには「貝」は「不死」のシンボルだそうです。それから「ほたて貝」は聖ヤコブの象徴でもあります。



そして、こちらの幼きイエズスさまの下にある聖櫃にはユダヤ教のメノラーが描かれています。



とても綺麗な聖マリアと聖ヨゼフのご像もありました。

 

左はロウソク立てと献金箱入れ、右はルカ神父さまが手作りされた十字架が吊るされています。

 

両側の壁には「十字架の道行き」が飾られています。四旬節になると毎週金曜日の夜6時から「十字架の道行き」と呼ばれる儀式が行われ、その際にキリストの受難までの物語を読み上げながら「いばらの冠(血しおしたたる)」の賛美歌を歌い祈ります。もし可能であれば実際にイスラエルのイエス・キリストが十字架につけられるまでの受難の道のり「ヴィア・ドローサ」を歩きながら「いばらの冠(血しおしたたる)」を歌えたらいいですね。

 

右の写真にある鎖がついた金の入れ物は没薬と乳香を焚く時に使用します。

 

再び「十字架の道行き」のステーションの画像です。実際にフランスにある聖地ルルドの十字架の道行きの写真が飾られています。

 

こちらは佐久カトリック教会の外に置かれた「十字架の道行き」です。四旬節ですから夜6時は結構寒くなるとは思いますが、一人ずるロウソクを持ちながらお祈りするのもいいですね。

 

佐久カトリック教会を正面から撮影しました。何となくですが、東京にある聖路加病院敷地内にある牧師館に似ています。



正面の入り口はこんな感じになっています。



入り口の横には小さな図書室があります。

 

ペルシャ語で書かれた聖書もありました。中東で暮らすキリスト教徒がイスラム国に迫害された事件を思い出しました。確かに中東にもキリスト教徒はいるのですよね。



私はアラビア語もペルシャ語も分からないので聖書なのかコーランなのか区別がつかないです。



その小さな図書室にはガブリエル神父さまが収集された聖書が置かれています。これらの聖書は色々な国の言語で書かれており、アイヌ語の聖書もありました。



しかし、アイヌ語の聖書はローマ字で書かれてあったので驚きましたが・・・WIKIを見ると「書記言語がなかった」とのことですのです。なるほど・・・ローマ字で書かれてありますね。



長野県ですが横浜教区に属しているそうです。横浜教区の司教さまの紋章が飾られています。



そうそう、この日の佐久平の気温は5度でした。



こちらは聖堂に飾られているステンドグラスです。主の御使いのお告げと主のご降誕



創世記のエデンの園の物語



最後の晩餐と山上の説教



ご受難と昇天と聖霊降臨



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そして聖堂を案内して頂いた後は昼食ということで、前日に私が東京で手作りし佐久平へ持参したライ麦パンを食べました。小麦粉とライ麦の分量は量らずに適当にホームベーカリーに入れて捏ねた訳ですが、全く問題なく美味しく出来上がったので良かったです。



やっぱり佐久平ではライ麦パンを販売しているパン屋さんはないようなので、これからは私が手作りしたライ麦パンを一ヶ月に2回ほど佐久平のルカ神父さまに宅配便で送ることにしました。夏はクール宅配便じゃないとダメだろうな~!



どれも直径20センチ以上あり、これらの私が手作りした3つのライ麦パンを大きなバッグに入れて佐久平へ運びました。他にはお正月に金沢で買ったお土産も持参しました。



ライ麦パンを切るルカ神父さまです。今から20年以上も前のことになりますが、ルカ神父さまがまだ京都のフランシスコの家で館長をされていた頃にまだ10代だった私は夏休みと春休みになると2週間ほどフランシスコの家で過ごし、フランシスコの家で暮らすルカ神父さまやゲラルド神父さまにドイツ語を教えて頂きながら私なりにオランダ風の生活を楽しんでいたのを思い出します。フランシスコの家の冷蔵庫の下の段には大きな丸型の黄色いワックスでコーティングされたゴーダチーズが入っていて、毎日少しずつ切り出して食べました。当時、大丸デパートのドンク(地下街のパン屋さん)にライ麦30%のライ麦パンが売られていて、いつも私はオランダ製のべダルでブレーキをかける方式になっている自転車に乗り赤信号で止まる際に何度も転びそうになりながらフランシスコの家がある四条堀川から大丸デパートまで行きライ麦パンを買っていたのを思い出します。オランダ製のチーズスライサーもあり、チーズをその道具を使ってスライスするのが楽しみでした。



オランダ製のペダルでブレーキをかける方式になっている自転車はこれです。ゆっくりとブレーキがかからず、ペダルを逆に回すと一瞬で止まってしまうので赤信号で止まると転びそうになります。それはオランダ人司祭、ルカ神父さまもゲラルド神父さまも身長が190センチ以上おありなのでサドルの位置もかなり高く、私が乗ると足が地面につかなかったからということもありました。オマケに京都市内の歩道は狭く自転車が走るスペースがなかったので、私は仕方なく車道をその自転車で河原町まで走りました。四条堀川から四条河原町まで真っ直ぐに走ればいいだけなのに・・・何故か信号が多く感じました。気のせいだったんでしょうか?



そして、こちらのスノコのような道具はルカ神父さまが京都から持参してきたと言われるオランダ製のパンをスライスする為のものです。



そうそう・・・、京都のフランシスコの家にいた頃も大したご馳走はなく毎日ライ麦パン、ゴーダチーズ、ハム、サラダ・・・たまにノートルダム修道院のシスター方が手作りして下さったおかずもありました・・・を頂いていましたが、私にとってそれら全てがご馳走でした。ライ麦パンとホンモノのゴーダチーズが私を幸せな気分にしてくれたのでした。



今回は新幹線で佐久平駅へ着いた際にお土産店で買った紅玉バターをつけてから



ハムとマスタードをのせて頂きました。また、あの楽しかった頃の京都での食卓が戻って来たようでした。ルカ神父さまも「久しぶりに美味しいパンを食べた!」とおっしゃっていたので嬉しかったです。

あの大きな丸型のワックスでコーティングされたゴーダチーズはないのかとお聞きした処、京都では輸入業者から直接購入していたので安価で手に入ったそうですが、長野県では全く手に入らないとのことです。

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こちらは佐久カトリック幼稚園の中にある剥製の博物館の様子です。会議室や応接室が物置のようになっていると言うか、ガブリエル神父さまが佐久カトリック幼稚園の動物園で飼育していた動物が亡くなると剥製にして飾っていたようです。長野県なので、もしかすると剥製職人のお友達がいらっしゃったのかも知れませんね。



こちらは日本カモシカの子供。いつもはこの剥製の博物館は非公開になっており、佐久カトリック教会の信者さんや幼稚園児たちも立ち入り禁止になっています。もしかして「佐久」「剥製」のキーワードで検索すればヒットするかな?と思いましたが、このショーケースに入っている日本カモシカとバンビの剥製以外は出てきませんでした。確かにこの日本カモシカとバンビの剥製は幼稚園の廊下に展示されているのでどなたもご存知のようですが、まさか奥のお部屋にこんな場所があるなんて知ったら皆さん怖がるでしょうね。



バンビこと、シカの子供



犬ではなく、日本オオカミの子供です。映画「オオカミ子供の雨と雪」を思い出します。



クグの剥製と「永遠の生命」のシンボルである貝が天井に飾られています。



クジャクの剥製です。佐久カトリック幼稚園の動物園にも生きたクジャクがいました。



バッファローのハンティング・トロフィー・・・大きいのでちょっと怖かったです。



キジやタカ、野鳥などの剥製が置かれています。佐久カトリック幼稚園で飼育していた七面鳥の剥製も置かれていました。写真で見ると七面鳥のサイズは分かりませんが、実際にはかなり大きな鳥です。

床の上には頭部がついたシロクマの毛皮も置いてありました。



こちらはミニ山羊ことピグミーゴートに似ている子羊の剥製とヒョウの剥製が置かれています。



子羊はやっぱり可愛いですね。ガラスショーケースの中には昆虫の標本などがありました。



サンタクロースのアシスタント役をするトナカイの剥製が一頭ありました。その角にはメキシコのソンブレロがかけられていたので・・・



私は女性用のソンブレロを、ルカ神父さまは男性用のソンブレロを被って記念撮影しました。ルカ神父さまが「ほら、これいいでしょ♪」とソンブレロを被ってポーズを決めて下さったので撮影しました。ある意味では動物の死体が沢山置かれた部屋の中でソンブレロを被ってふざけている場合かよ~!と思いましたが、以前に佐久カトリック幼稚園の動物園で飼っていた動物たちのお墓と思ったら怖くなくなりました。



会議室に飾られていたシカのハンティング・トロフィー

 

こちらは佐久カトリック幼稚園の動物園にあるアヒルの池です。他の動物たちはまだ冬眠しているようでした。



いつも保育師さんたちがアヒルにエサをあげているらしく、女性の声を聞くと近寄ってきます。



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こちらが佐久カトリック幼稚園です。ガブリエル神父さまもユニークなお方なので幼稚園にもユニークなモノが沢山ありました。



子供の頃にバナナはこうして実るんだと知ることができるなんていいですね。



ガブリエル神父さまが子供たちの為に手作りされた水車と風車があります。水車は氷でコーティングされていてキレイでした。やっぱり流れている小川の水は凍らなくても空気に触れた途端に凍ってしまうということは気温が0度だったのかも知れませんね。



ガブリエル神父さまがレトロなテレビを利用して手作りしたポストです。



フタを開けると郵便物が入っていました。郵便配達の方もこれを初めて見た時には「これが郵便受けなの?」と驚いたでしょうね。



そして、昭和時代に使用していたイスが何故か飾られています。別にイスがお部屋の入り口の上に飾られているから「何かの役に立つのかしら?」と考えてしまいますが、これはリサイクル利用の為だけだそうです。イスが足りなくなったら使えますしね。



こちらがガブリエル神父さまのお若い頃のお写真です。晩年の写真は次のサイトでご覧下さい!⇒ http://www10.ocn.ne.jp/~kindy/director.htm#greeting アッシジの聖フランチェスコのように動物がお好きだったんですね。



そして、こちらもガブリエル神父さまが収集された「こけし」のコレクションです。こけしがお好きだったかは分かりませんが、大抵の場合はこけしは集めようと思っていなくても増えていくものなんでしょうね。お部屋に3つくらい飾ってあれば、周囲の人たちが勘違いして「この人、こけし集めてるんだわ~!」と誰もほしいと言っていないのに「飾って下さい!」と言って持って来たりするんですよね。



幼稚園の廊下には干し柿もありました。干し柿の作り方も子供の頃に習うんですね。



一輪車も数台置かれていました。まだまだ他にも沢山ユニークなモノがありましたが全てご紹介できないのが残念です。この佐久カトリック教会と幼稚園もまたフランシスコの家に負けないくらい珍しいモノがあり良い思い出になりました。