■■■■■■  万巻誤用塾・メルマガNo.29-2
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  誤読・誤用は恥ずかしい…キーワードは「誤用だ!御用だ♪」
  面白くオリジナリティゆたかに、イマを生きる話題性も添えて…。
つくばい






















承前…「相撲/前篇」のつづき…


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〓〓〓〓〓〓〓〓 正解 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


■1■相撲用語は漢字の宝庫(一部「舞の海」さんのブログより)。

A.相撲甚句/すもう-ジンク
:巡業や花相撲の余興に歌われる力士の歌。先輩達から歌い継がれる伝統のある甚句の他に横綱など人気力士が引退した時に行司が作る甚句もあります


B.大銀杏/おおいちょう
:十両(十枚目)以上の関取が結うことができる髪型。また、幕下力士でも、十両との取組がある場合や、弓取式を行う際には結うことができる。髷(まげ)の先端が銀杏の葉に似ていることからこの名がある


C.初っ切り/ショッキリ
:相撲の禁じ手(反則のこと)を面白おかしく紹介するコント。幕下以下の力士が巡業や引退相撲などの花相撲でやります(本場所はなし)。相手の腹を蹴ったり髷を掴んで投げまわしたり、力水を口いっぱいに含んで相手に吹き付けることも。でも禁じ手なので行司は何度も取り直しを命じます。演じる力士はお客さんのカメラを奪って記念写真を撮るなどオリジナルのアイディアを盛り込んでより面白くしようと熱心です

D.砂被り/すなかぶり
:土俵のすぐ下の溜まり席。土俵の砂をかぶる事があるためこう呼ばれるようになりました。テレビ中継でこの席を凝視すると芸能人を発見することも…


E.蒙御免/ごめんこうむる
:番付表の一番上中央に書かれている言葉。江戸時代に行われた勧進相撲の名残。興行するお許しを得たという意味


■2■[  ]内の漢字はやや難読…。

A.もろざしの相手の腕を締め上げる技を[閂/かんぬき]という
:技の1つであって決まり手ではありません。


B.呼び出しさんが打つ拍子木は[柝/キ]といわれます
:主に桜の木を材料にしています。
寒柝/冬の夜寒に打ち鳴らす拍子木の音[広辞苑第5版] 。木が入る:(多く「柝が入る」と書く) 芝居や相撲で、開幕・閉幕などの合図に打たれる拍子木[広辞苑第5版]


.[蹲踞/ソンキョ/ソンコとも]は 相撲の基本姿勢。
:普通にしゃがんだ状態からかかとを上げ、上体を地面と垂直に起こす。膝は肩幅くらいに開く。「蹲踞」は[つくばい]とも読む(※編集後記3 ↓ )


D.力士は関取でも普段の髪型は[丁髷/ちょんまげ]
:髪の結い方のひとつ。江戸中期以降、額髪を広く剃り上げ、もとどりを前面にむけてまげた小さいまげ


.[前褌/まえみつ/まえふんどし/まえまわし]
:相撲で、まわしを締めたとき体の前面で横になっている部分。前まわし。


◇―――――――――――◇編集後記3◇――――――――――◇


「蹲踞」を[つくばい]と読めば、茶室の庭先にある石の手水鉢(ちょうずばち)のこと。蹲踞(ソンキョ、そんこ)とは、体を丸くしてしゃがむ、または膝を折り立てて腰を落とした立膝をついた座法を言うから、「蹲う(つくばう)」には平伏・平身低頭する意味、踞む(こごむ)は屈み込んだ状態を指し、腰をかけたり中腰の状態の踞ぐ(しりうたぐ)を指すことから転じたようである。
貴人が通行する際には、しゃがんだ状態で礼をするさまから「蹲踞」を当てたものとも考えられる。


◇―――――――――――◇編集後記4◇――――――――――◇


相撲界にも珍名は多い。相撲ファンにはあまり馴染みがなくても、話題としては面白いかも…。


以下の四股名を読めますか?(答は最後尾)

1、男女ノ川…(昭和12年西横綱 没年:昭和46年1月20日67歳)
2、月ノ輪 熊之介 錣山部屋
3、猫又 虎右衛門 伊勢ノ海部屋
4、鳩弾力 豆太郎 出羽海部屋
5、隼         高田川部屋
6、飛燕力     尾車部屋
7、大想源     式秀部屋
8、大露羅     北の湖部屋
9、阿夢露     阿武松部屋
10、臥牙丸    木瀬部屋


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【発行者】神谷 雄高(かみや ゆうこう)

日本語教育研究所(第16期)客員研究員
日本漢字能力検定準一級(H12)認定


〔表記ルール〕
・読み方は音読みはカタカナ、訓読みはひらがなで、基本的には丸谷才一『文章讀本』巻末の表記法に準じます。(ただし漢字からの送りは新仮名づかい)
・出典は出来るかぎり明記しますが、「慣用」使用などの場合は岩波『広辞苑4版』旺文社『古語辞典8版』角川『新辞源〈改〉』に準じます。


1、男女ノ川/みなのがわ
2、月ノ輪熊之介/つきのわ-くまのすけ
3、猫又虎右衛門/ねこまた-とらえもん
4、鳩弾力豆太郎/はとだんりき-まめたろう
5、隼/はやぶさ
6、飛燕力/ひえんりき
7、大想源/だいそうげん
8、大露羅/おおろら
9、阿夢露/あむうる
10、臥牙丸/ががまる