ウニヒピリのおしゃべり。
p13
彼女がいちばん好きで昔から持っているアンリ・キュイールの大きなバッグが開けっ放しになっていて、バッグの口を留めているきれいなアフリカンビーズがぽろぽろっとキャンディのように見えていた。
中にはキラキラしたものがいっぱい入っている。
淡い縁取りの鏡だとか、花柄のポーチだとか、金髪の小さな女の子の人形だとか、木でできた太いブレスレットだとか、イギリスの女の人が自分のキッチンで創ったという甘いリップスクラブだとか。
吉本ばななさんの描写、やっぱ好きだな。
キッチン、ムーンライト・シャドウを
読んだ時にも思った。
キッチンでは
みかげの作る料理や
定食屋でカツ丼を食べるところ。
ムーンライト・シャドウでは
うららがくれるハーブ茶各種・紅茶各種・中国茶。
ケンタッキーのチキンフィレサンド。
(これ読むと無性に食べたくなるなる)
この描写がすごく好きなんだけど
普段何気なく過ごしている日常が
とても豊かに思えるから。
当たり前の日常を引きで見ると
豊かさであふれている。
毎日、安心して自由に暮らせること。
家族が無事に過ごしていること。
仕事があること。
読みたい本がすぐ読めること。
美味しいお茶を選べること。
ノートを書く時間があること。
ないものばかり見つけるのが得意だったけど
あるものを見ると
ものすごく豊かさにあふれてたことに気付く。
一度、あるものを見ると
芋づる式に豊かさが増えていく。
なんて幸せなことなんだろう。