京都は長年にわたり、歴史的・文化的な価値が人気で、国内外から多くの観光客を惹きつけてきました。

しかし、大量に押し寄せる海外観光客で人気観光地は混雑し、地域の住環境や生活リズムに影響を与え、

文化財に負担を与えているという問題が浮上しています。

 

これに対処する方法の一つとして、「量より質」の観光モデルへの転換の必要性が叫ばれています。

 

このモデルでは、単に多くの観光客を迎え入れるのではなく、質の高いサービスを提供し、

より高い価格設定による収益を目指すというもので、薄利多売だけでなく、

厚利少売モデルの構築が急がれるというもの。

 

我々の挑戦もまさに、その点にシフトするために過程であり、そのためにはどのように

自らの価値を世界基準へ高めていけるかというのが主目的としています。

 

しかし、その「量より質」の必要性を発信しているメディアは相変わらず、

「どこどこの人出は多かった。どこそこは来客数が減少した」など、利益率ではなく、

既存の量をベースにした観光消費のみにフォーカスする考え方に固執し、

「増減」を語っており、新しいビジネスモデルの真価を見誤る発信になってしまっている

と感じたのは私だけではないはずでしょう。

高品質なサービスを提供するための設備投資や人材育成には時間がかかります。

短期間に結果を出すことが難しいのは想定内のこと。

また、既存の顧客層からに移行するのも同じです。

 

しかし、明らかに変化の手応えと兆しを感じています。

 

でも、その視点はメディアでは発信されないようです。

 

「これからの京都観光は量より質」で、持続可能な観光を目指さなければ、オーバーツーリズムを

解決できないと説いているメディアが、このモデルチェンジに一番理解はないのは如何なものか?

 

メディアには、観光業の未来を考える視点に立ち、ステレオタイプを超えた、

より深い洞察からの分析が求められると思います。

 

その為には、綿密な報道を心掛け、観光業者と観光客の双方に新たな観光の価値観を

共有し、後援していく姿勢が大切だと思うのです。

 

素晴らしい日本・京都の観光資源を価値以下で安売りしない、

本当の価値を整え、適正な収益構造を構築していかねばいけないと思うのです。