2023年の訪日外国人旅行者数は約2,506万人で、コロナ禍前の2019年の8割まで回復し、
日本では新たな「観光立国推進基本計画」をまとめ、訪日外国人旅行消費額5兆円、
国内旅行消費額20兆円の達成を目指すなど、日本観光産業は復活の兆しを見せています。
日本の観光産業は各地の歴史や文化、自然など様々な資源を活かし、訪れる人々に
新たな体験や発見を提供して貰うことで、各地域や国の経済にも大きな影響を与える
重要な産業です。
そんな観光産業に今、話題の最先端テクノロジーであるAGI(人工一般知能)時代の到来が迫っています。
このAGI開発が達成された時、観光業界はどのような影響を受け、どんな変革を迎えることが予測されるでしょうか?
今回は「AGI時代の到来で変わる観光産業、そして保津川下り」という視点で、
そんな未来を自由に空想的考察をしてみることにします。
AGI時代における観光産業の変化は、多角的で複雑なもになることが考えられます。
一つの大きな変化は、AIやロボティクス技術の発展による、サービスの自動化や
パーソナライゼーション化でしょうか?
例えば、保津川下りのチケット予約や案内サービスがAIによって提供されることで、
観光客とのコミュニケーションがよりスムーズになると考えられます。
また、保津川下りの船の運航に関しても、自動の危機予測装置などが導入されることで、
当日の航路の状況判断や急流箇所の操船における注意事項やシュミレーションが事前に行われ、
安全性の効率が大きく向上する可能性があります。
さらに、AGI時代における観光業界では、デジタルテクノロジーの活用がさらに進むことでしょうから、
例えば、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を活用した観光体験コンテンツが開発され、
観光客は現地に行かなくてもリアルな体験を楽しむことが可能になるかもしれません。
保津川下りでも、VRやARを活用したガイドツアーや歴史体験が提供されることで、
観光客により深い理解と感動を与えることが可能となるでしょう。
しかし、このようなテクノロジーの進化による変化と並んで、
観光業界は人間らしさや独自性を大切にする必要もあると思います。
保津川下りの魅力は、1300年の水運の歴史や操船技術を継承する姿や伝統の川船・高瀬舟に乗船できる体験、
四季が移ろう峡谷自然の美しさにあるため、テクノロジーが進化してもその魅力を損なわずに、
船頭という人とのつながりやありのまま自然と一体感溢れる感動は格別になるはず。
保津川下りの地元亀岡の自然や歴史、コミュニティとの協力やコミュニケーションがより重視され、
テクノロジーと人間性を組み合わせて、より豊かな観光体験を提供していくことが可能となるでしょう。
AGI時代の到来は、より保津川下りの魅力が多様化され、世界へその知名度を上げていく機会になると思います。
テクノロジーの進化と伝統的な観光体験との調和を図りながら、より高度で新たな魅力と
価値を創造することができ、継続的な革新のアップデートが繰り返されます。
この激しい変化の中で、保津川下りが持つ豊かな歴史や自然の魅力を未来に伝えて残していくためには、
保津川下りというコンテンツ本体を磨き上げる地道な努力と柔軟なアプローチが不可欠であることは
とても大切な認識であることをしっかり念頭に置きながら、400年以上続く保津川下りという
観光産業の新たな世紀を切り拓いていくことができると勝手に想像しているのです。