京都の観光地といわれて最初に思い浮ぶのは「金閣寺」だ
という人も多いのではないでしょうか。

金閣寺がある京都市北区衣笠が私の生まれ故郷なので、
金閣寺を拝観した回数も20回では利かないほどです。

 

桜が満開の京都。金閣寺門前には観光客の人波で溢れ、拝観客の列が途絶えません。

さすが、京都観光で清水寺と両壁を成す人気を誇るお寺ですね。

 

でも私にとっての金閣寺は人気観光寺以上に思い出深い故郷を思わす場所です。

 

この金閣寺の門前に建つと、
小学生の頃は自転車で金閣寺の裏山へ登り、美しい寺院内の風景を眺めたり、
中学の頃には、金閣寺門前に「口裂け女」が出没するとの噂もあり、肝試しに行ったり、
学校帰りに門前で、好きだった子と時間が過ぎるのも忘れて話したり、
高校生の頃には、ハリウッド女優が拝観に来るという噂を聞き、待ち伏せしたり、

本当に色々な思い出が懐かしく甦ります。

 

門をくぐるとすぐ前方に、きらびやかな光で黄金の輝きを放つ「金閣寺」が姿を出現します。

その瞬間の風景は、何度見ても心に感動が沸き起こる雅さです。
太陽の光を浴び、一段と眩く光る黄金色の建物。

この豪華絢爛な建物を囲む、静寂さを漂わす池が無理なく溶け込むその空間は、

人間が造形しうる人工建造物の最高傑作ともいえるでしょう。

人工美の極み。お釈迦さんの骨を祀った金閣本体の舎利殿。

3層造りで、各層それぞれ別々の様式のつくり。衣笠山を背景とした

池泉回遊式庭園の美しさは京都の雅の象徴ともいえる建物です。

「美は・・・もう僕にとって怨敵なんだ!僕は金閣を焼かねければならない!」
学生時代に読んだ三島由紀夫の小説「金閣寺」の一文が頭に浮かんでくるから不思議です。

 

黄金の輝きを絶やすことのない金閣寺は、私の心の中でも永遠に輝き続けることでしょう。