やはり、この方は凄い。
あの苦しかった時、この方の姿に教わることが多くあった。
人間は時に失敗、間違いを起こす生き物だ。
結果、己を襲う困難や苦難、挫折という逆境の暗闇の中で、
天を仰ぎ、絶望に打ちひしがれ、胃の痛みと
闘いながら眠れぬ夜を幾夜も過ごした。
目に映るすべての世界の風景が、全く違ったものに映る。
でも、気づいたことがある。
その苦難の瞬間、瞬間こそが、自らが成長できる機会であることに。
「やってはいけないこと、失敗をしたら、絶対に隠したり、ごまかしたり、嘘をついたりしないこと。」
「一度立ち止まり、真因を突き止め、対策をとり、改善すること」で、
もう一度「一からやり直すこと」
「肩書でなく役割で仕事をすること」
簡単な言葉に込められた、経験知から導き出された深い意味が読み取れる。
この方は、社長就任早々、リコール疑惑騒動に巻き込まれ、公聴会を開催することになったが、
その時の心境を語られている言葉を覚えている。
「まずは一日一回、笑うこと」そして「再発防止を考える時、事故はその一つの原因では起こらない。」
「それまでの微小な様々な原因の積み重ねで起こる」と云われる。
また「かっこ悪い姿を晒しても、しんがり役の様に何かを守る姿を示すことが大事だと思っている」
この言葉は後年、私自身に起こる事態にたして支えてなり、救われた。
この人の生きざまには共感以上の感情を持っている。
そして、幸運というのは、実は不運の姿をしてやってくる。
不運や逆境を肯定的に受け止め、それを超えていく力を持ちたい。
その先に、生きていることへの深い感動と、
起こることすべてへの感謝の心が
養えるはずだと信じている。