昨夜、なかなか寝付けず、難しい本を読めば眠れると思い、本箱を探すことに。

 

そこで目に飛び込んできたのが「石原莞爾選集(全10巻)」

少しホコリをかぶっている選集。

「いつから読み返していないだろ~?」ふと自問。

 

20代の頃だろうから、かなりの年月が経っているはずです。

 

あらためて読み返してみると、ロシアとウクライナの戦争、イスラエルとパレスチナ勢力との紛争など

争いが絶えない姿を見るにつけ、石原が予言した「世界最終戦争」後に、

人類が相互依存し互恵的な経済構造を生み出し、

戦争を必要としない文明構築という道のりは、まだまだ遠いと感じます。

 

石原がいうように「本来なら、戦争の悲惨さを目の当たりにして、

人間の理性が勝利し、世界の人々が批判による抑止にならなければいけないが、

世界の国々が利害中心主義を考えている間は、結局、戦争を起こす可能性は非常に高く、

無くなることはない」と述べています。その時代は今も確かに続いていますね。

 

原爆や衛星兵器などがなかった昭和初期に「技術革新により世界は最終大量兵器を手に入れ、

人類存続の危機となる最後の戦争をすることで、戦争の無益さに人々は目覚めるであろ」と予言しています。

 

近代兵法学に大きな影響を与えた権威者であり、実戦においても日本の歴史上最高の戦略家として

名を記す名将であった石原莞爾。彼が見ていた「世界統一」という未来はまだ、その途上にあるといえるだろうか。

 

軍人を退役した後、京都の立命館大学で教鞭をとって、

古今東西の戦史を探究しまとめた論文「戦争史」や

「世界最終戦論」という名著が記されている石原莞爾選集。

 

その戦略と思想について、また機会を設けて、詳しく記していきたいと思います。

 

ということで、結局、その夜は、石原莞爾の戦争論に没頭し、寝付けないまま明け方を迎えたのでした。