博多の屋台が、市内経済の波及効果として年間104億円に達したそうです!
これは前回調査した12年前(2011)の約2倍の増加で、屋台数自体は3割減でありながら、
1日平均の利用者数や平均単価が上昇し、屋台を訪れることが自体を目的とした観光客が増加したことが
多きな要因だと分析されています。
博多の屋台は私も大好きで、学生の頃、屋台のラーメンが無性に食べたくなり、
新幹線に乗り日帰り屋台ツアーをした思い出があります。
独特のノスタルジックさに活気ある雰囲気でいただくラーメンや焼き鳥、おでんの美味しさは格別。
コロナ禍では大変だったことだと思いますが、福岡市への来訪目的の11%を占めるなど、
このように活気が戻り、地域経済を盛り上げる観光資源になっていることを嬉しく思います。
近年はオーソドックスな屋台に加え、バラエティー豊かなメニューを提供する屋台が増えてきたようなので、
次回、訪れる時が楽しみが増えました。
第二次世界大戦後、屋台は生存のために一気に生まれました。
しかし、衛生面や景観面などの問題から、行政からの厳しい規制で国内的に衰退の一途を辿っています。
私の若い頃には、京都の街にも「屋台」がありました。
「ラーメン屋」や「焼き鳥屋」さんなど、暖簾をくぐり、座りの悪い簡易椅子に座り、
食べる雰囲気を愛していました。
しかし、その殆どが姿を消し、今では「伝説の店」として語られるのみです。
その一方で、博多の屋台は街の魅力を伝える食文化として、観光客や市民に愛され続けています。
また、街をブランディングする原動力となり、地域経済を支えています。
戦争や災害、経済の混乱などによって、人々はまともな仕事や食料を得られない
危機的状況において、屋台は生存のために必要なものを提供する唯一の手段であり、
生活を立て直す糧でもありました。
屋台は、単なる商売の場ではなく、人々のコミュニティを形成する場でもあり、
人が集まり、会話をするその交流の中で、人々は互いに助け合い、支え合いながら、
生きていくために必要な力やノウハウを自然に学んでいるのではないでしょうか。
屋台の風景は、人々の「逞しさ」と「絆」を象徴している、と感じるのは
「屋台」を愛する私だけではないはずです。
屋台文化を後世に残すためにも博多の屋台をこれからも応援していきたいと思っているのです。