《高雄 高山寺》

京都でも、紅葉の名所で知られる地・高雄
そのいちばん山奥に「世界文化遺産のお寺・高山寺」はあります。


奈良時代(774年)光仁天皇の勅願により創建された古刹で、
鎌倉時代に文覚の弟子の明恵上人により再興された山寺です。


失脚により怨霊となり都に災いをもたらしたといわれる菅原道真公の霊
鎮めた法性房尊意僧正が11才より4年間修業した地であり、その法力を得たとされています。
いわれてみれば、確かに境内は、古い石垣で囲まれ、ヒノキやスギの巨木がそびえ立つ
自然と霊気のエネルギーが満ち満ちている感じがします。

「世界文化遺産」には平成6年に登録を受けました。

僧の学問所であった「石水院」国宝にも指定され、縁側から見下ろす山や渓谷の風景は自然美の極み。
眼下を流れる清滝川のせせらぎの音が心を和ませてくれます。


院内の縁側に腰かけて、目の前に広がる山、川、谷などありのままの自然を眺めると、
赤い絨毯と板の間だけの何もない簡素な石水院の空間に、秋の心地よい日光が差し込み、
心に暖かいものが伝わってきます。

ほんものの贅沢さとはこういう感覚をいうのですね。

高山寺には日本最古の漫画といわれる「鳥獣人物戯画」が収められており、複製を拝観できます。
また、高山寺は、日本で初めて茶園を栽培した、茶の発祥地としても有名です。
栄西禅師から持ち帰った茶種を貰った明恵上人がこれを植え、茶園を栽培し、

これを宇治に移し、京都の茶として有名な宇治茶の原型となったのです。


高山寺には今も宇治の篤志家により、茶園が維持管理されています。

本堂へ向かう山道には小さな祠があり、覗いてみると「仏さまの足跡」がありました。

仏足石と呼ぶらしい。

広い山の傾斜をうまく利用した境内には、山の中そのままの巨木に覆われています。
山の自然と絶妙に調和した古刹・高山寺。
「これぞ日本の山寺」であり、世界に誇れる文化遺産、名刹であることは間違いないでしょう。