《大河内山荘》

「丹下左膳」で一世を風靡した時代劇俳優大河内傳次郎(おおこうちでんじろう)
彼が生涯のすべてをかけて造営したといわれる別荘が「大河内山荘」です。

嵯峨野の名所竹林の径の抜けると山荘の門が見えてきます。


小倉百人一首の舞台となった京都嵯峨の小倉山の山頂6千坪広大な土地に創られた庭園は、
正面に嵐山を望み、眼下に保津川、遠くに比叡の山麓という京都一望借景にした

回遊式の庭園紅葉など四季折々の美しさを際立たす名庭園です。

人気の俳優だった傅次郎だったが、古い映像は朽ち果てていつかは擦り切れてします。

そんな作業を繰り返すことに無情を感じた傅次郎は、永遠に消えることのない‘美’を求めて
30年の歳月とその間の映画出演料全てをつぎ込んで、こつこつと創りあげたこの山荘は、
ただの別荘ではなく傳次郎生涯凝縮した自己表現世界を感じられます。

寝殿造書院造数寄屋造を取り入れ大乗閣や離れの「持仏堂」では仏教書をひもとき
「南無阿弥陀仏」を唱え瞑想にふけったといわれています。

山頂部一帯を使い、人工の庭園を造営したという壮大な庭は間違いなく京都の名庭園のひとつです。

傅次郎の美のロマンが創り上げた理想郷大河内山荘

 

日常を離れ、自らの心と対話する、そんな思いで訪れてみたい山荘です。