先月、九州の球磨川流域の地域を襲った記録的な豪雨水害。
人吉市を始め流域の集落は壊滅的な被害を受けた。
この1か月、洪水被害を受けた各集落を取材し続けた記者が見たものは、
川とともに生きてきたその土地の人々の球磨川へ対する愛情だった。
「球磨川は悪くない。自分たちが油断しただけ・・・」
それは、川を畏怖する存在としてはではなく、多くの恩恵を与え続けてくれたことへの
感謝の気持ちと、自然とともに暮らした長い歴史の中で培われた川への謙虚さだった。
各地で起こる自然惨害。多くの支援の手が各地から寄せられる。
しかし、復興に力を尽くす、地域に寄り添うということは、
その土地の人々の意識を理解し、彼らが望む復興の姿に寄り添うということだと思うのだ。