鼠:さて、その後のニュースです。

  まず、明けて2日、ウイリアムズがバリチェロとヒュルケンベルグの起用を発表。

  そして、ブリヂストンが来シーズン限りでタイヤ供給を終了すると発表しました。


犬:ブリヂストンの撤退は会社の経営状況からの判断と発表されましたね。


猫:うーん、「撤退」といえば撤退なんだが、

  正確に言えば「契約満了」だ。

  もともと11年いっぱいまでの契約があったものを延長しないということだな。

  やはり経営状況による判断というのは間違いないが。


鼠:クルマが売れないのだからタイヤも売れないという単純な構図の他、

  エコ対策タイヤで「もち」も良く、交換機会も減っていますから、

  これからの経営を考えれば仕方ないのかもしれませんね。


犬:12年からはどうなるんでしょうか?


猫:他のメーカーが手を挙げれば問題ないんだが・・・。


鼠:かつて参戦したミシュラン、グッドイヤー、ピレリは参戦しないことを発表しています。


猫:あとは世界的知名度を挙げたい新興メーカーが頑張るかどうか。

  韓国のクムホなんかの名前が噂されているが、

  世界中を転戦できるだけの輸送能力や、

  タイヤの生産能力を持っているかどうかだな。


鼠:話を元に戻すと、

  4日、遂にトヨタが撤退を発表します。


猫:トヨタの撤退は長い間噂されていたのだが、

  シーズン中にも発表がなかったし、

  コンコルド協定にサインしたり、有力新人も出てきたりと

  ひょっとしたら続けるのでは?という機運も出てきた。

  撤退するとしても15日に取締役会があるから、

  その後になるんじゃないかと言われていたから、

  4日の朝に一般紙が報じ、その日のうちに発表するとは思わなかったから、

  思ったよりもインパクトは大きくなった。


犬:山科代表の涙も印象的でした。


猫:育ててきた中嶋と小林について聞かれて、

  これまでの道のりを思い出して思わず・・・ということなんだろう。

  山科代表は撤退自体がどうこうというよりも、

  一緒にやってきた仲間、育ててきたドライバー達のことを思うと

  悔しくて残念で・・・と言う感じだな。


鼠:トヨタはホンダのように売却するのではなく、

  ヨーロッパの拠点はそのまま残して他のカテゴリーに使用する方針です。


猫:雇用などを考えるとそのまま譲るのは規模的に大きすぎて厳しいんじゃないだろうか。

  それならばリストラは進めるが、売却してしまうよりも会社は保ったままの方が、

  やりくりはしやすいんだろう。


鼠:さて、翌日にはFIAがトヨタの撤退について、

  信用低下に関わる問題として法的措置を検討すると報じられます。


猫:昨年のホンダともども、

  この「辞め方」は批判は免れないだろうな。

  トヨタの場合は来年参戦することを前提に協定にサインもしている。

  このタイミングで辞めることを認めてしまうことは出来ないだろうし、

  今後・・・例えばルノーが撤退を検討した場合の抑止はしておきたいんだろう。

  こんな辞め方をしてはもう二度と参戦できなくなってしまうよ。


  ファンにとってもこの辞め方ははっきり言って残念だ。

  せめてBMWのように「さよなら」を言える時間は欲しかったし、

  可夢偉に期待感が高まっていたからどうにかして欲しいというのもあった。


  経営判断としてはこの撤退は正しいんだろう。

  ただ、このタイミングでの辞め方はどうにもやりきれないものがあるな。


鼠:それを踏まえてのストーブリーグの状況ですが・・・。

  これで保留になっているBMWの参戦について検討されることになります。

  反対に先ほどの話に出たルノーは参戦継続の方向ですが、

  結論は年末まで持ち越すようですし、

  まだまだ長期化しそうですね。


犬:今年は例年に比べても遅いですよね。


猫:要因はいくつかある。

  まず、トップドライバーの動きが遅いこと。

  アロンソ-クビサまでは発表があったが、

  クビサはBMWに気を使って発表を遅くまで引っ張っていたし、

  アロンソにはじき出されたライコネンが態度を明らかにしていない。

  

  そして、シート自体の問題。

  BMW、トヨタ、ひょっとしたらルノー、

  これだけ実力のあるチームのシートがなくなるか流動的だと動くに動けない。

  おまけに昨年-今年の戦力大シャッフルで

  どこのチームがトップで戦えるのか、読みづらい状況だ。

  これに新興チームが絡んでくるとなると状況は複雑化する。


  最後にテスト制限。

  年明けまでいずれにしてもテストは出来ないから焦る必要はない。

  反対に走行機会は相変わらず限られたままだから、

  新人を起用するには勇気がいる状況でもある。

  新興チームにとってはさらに新人起用は難しい状況を呼びかねない。

  シートが固まるにはまだまだ時間がかかるよ。


犬:それからもう一つ気になる噂があるんですが・・・

  フジテレビの放送契約交渉が難航しているとか・・・?


鼠:まだ締結していないということなんで、詳細は分かりませんが、

  CSでは人気のあるF1も地上波では苦戦しています。

  FIAとの契約は地上波無料放送ありきで、

  契約金交渉でのネックになっているようです。


猫:フジのCSでは来季もやる方向で告知もしているから

  なんとかしてくれると信じるしかない。

  とはいえ、経営環境として考えるとCMの減少でテレビ局の収益も悪化している中、

  番組のスポンサーとなってくれていた

  ホンダ、トヨタ、さらに再来年にはブリヂストンも撤退してしまうとなると、

  スポンサーも降りてしまう可能性が高い。

  おまけに日本メーカー撤退で注目度も下がってしまうだろう。

  そんな状況で高額な契約が結べるかどうか。

  CSでは看板番組だから、その契約による収入と天秤にかけて行くことになるんだろうが、

  起爆剤としてどうしても日本人がドライバーとして参戦して欲しいよ。


鼠:このコーナーではシーズンオフもニュースをお送りする予定です。

  ページ本編のストーブリーグ情報と合わせてご覧ください。