猫:前回の終わりで「興味深い名前なども挙がっていた」なんて言ったら、
どえらいことになったな。
鼠:はい。
「29日、フェラーリは負傷したフェリペ・マッサの代役として、
ミハエル・シューマッハを次戦ヨーロッパGP(8月23日決勝)に起用する意向であると発表しました。
シューマッハは今回のヨーロッパGP出場に向けた決断について、次のように語っています。
「とにかくまず一番に、フェリペが無事であることを神に感謝したい。彼の快復を心から祈っている」
「今日の午後にステファノ・ドメニカリ(チーム代表)とルカ・ディ・モンテツェモロ会長に会い、
フェリペの代役を務めるために準備をしようとみんなで決めた。
僕はもうずいぶん長い間F1から遠ざかっていたけど、フェラーリへの気持ちは変わっていないし、
チームの不幸な状況を見過ごすわけにはいかなかった。
一人の競技者として、この挑戦を非常に楽しみにしている」
猫:いやはやびっくりだ。
ただ、ちょっと気をつけなければいけないのは、あくまで現時点では、
「起用する意向」であるということ。
まぁ、すぐに決まるとは思うが、100%ではないということだ。
犬:ええと、7回のチャンピオンと言うことなんですが、
どんな人なんでしょう。
猫:おっと、忘れかけていた「犬=初心者」設定だな。
プロフィール的には参戦249回、
PP68回/FL77回/優勝91回/通算獲得ポイント1,369。
参戦数以外はいずれも歴代最多。
もちろん7回の王座もぶっちぎりで最多。
全盛期は皇帝の名をほしいままにしたドライバーで、06年に引退している。
犬:ブランクが2年半もあるというのはどうなんでしょうか?
猫:確かに厳しい見方もある。
ブランクに加え、今年の規定のクルマには乗っていないし、
KERSも初体験。
2輪のレースに参戦したときに転倒して首を痛めたとも言われている。
加えて現行の規定ではテストも出来ないと来ている。
デモ走行やいわゆる「草レース」レベルには出ていても、
F1はトップオブトップのカテゴリー。
普通に考えてそんなに甘いモンじゃないという声もあるが・・・。
犬:あるが?
猫:ミハエル=普通のレベルではない。からな。
こればっかりはやってみなくては分からないが、
「ひょっとしたらひょっとしちゃう」かもしれない人物であることは間違いない。
犬:結局シューマッハに決まった訳ですが、
それ以外の可能性ってどうだったんでしょう?
猫:テスト・リザーブドライバーのバドエルとジェネが第一候補だったが、
その昔にもフェラーリはリザーブ以外の現役に近いドライバーを
起用した経緯もあったから、今回もひょっとしたらと言う空気もあった。
トロロッソを首になったばかりのブルデーとか、
バレンシア欠場見込みのルノー勢からアロンソとか。
ただ、こうした外部の人間に比べるとシューマッハの方が、
あらゆる「リスク」が少ないように思える。
マッサに対してのプレッシャーも少ないし、
実績にしてみれば文句なし、
まぁ、今季はフェラーリがタイトルは取れる位置にないから、
若干気楽に戦えていると言うのもあるけどな。
鼠:ヨーロッパは欠場する事になりそうなマッサですが、
その後についてもまだ不透明です。
猫:経過はかなり順調のようだが。
鼠:集中治療室は出ていますし、
会話したり、歩いたりと回復を伝えるニュースが続いています。
CTの結果によると脳には損傷もなく、心配された左目も異常はないようです。
来週にはブラジルに帰国出来る見込みのようです。
猫:とはいえ場所が場所だけにあまり復帰を急ぐべきはでないと思う。
そうするとシューマッハの代役出走がどこまで続くのかというのも
興味はひかれるところだ。
鼠:バレンシアのあとは連戦でベルギー、
そして2週空けてフェラーリの母国イタリア、
また2週空けてナイトレースのシンガポール、
連戦で鈴鹿です。
猫:ベルギーや鈴鹿という本人の大得意なコース、
初見参のナイトレース、
そしてイタリア、モンツァとシューマッハが走るのなら見てみたい。
・・・マッサには悪いが、
まぁ、無事、ではないが経過が順調だから言えることではあるが。
いずれにしてもこのところ暗いニュースが続いた中、
久々の「面白い」ニュースには違いない。
実際、私もわくわくしているよ。
鼠:キャリアがすれ違っているハミルトンも「興奮」しているとコメントしています。
猫:ハミルトンだけでなく、ベッテルや中嶋も一緒にレースするのは初めてだ。
まぁ、現役勢に取ってみれば、勝って当然負ければ赤っ恥、
楽しみなだけではないと思うがな。
とにかくレースまで楽しみには違いないよ。
今後もニュースが上がるだろうから、話題性も十分。
F1に限らずプロスポーツはエンタテイメントでもあるんだから、
暗い話題ばかりではかなわんからな。
犬:今後も要注目、ですね。