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3年前の今日、12時29分

私は初めてお母さんになりました。

 

 

 

「あと半分、もう半分で出てきますよ~」

お腹を引っ張られたりいじられる感じは何だか伝わってくる。

 

 

「おめでとうございます!生まれましたよ!」

 

そう言われても、私の体には産んだという感覚はなかった。

 

先生の方を見ると、

お腹から取り出された小さな丸裸の赤ちゃん。

 

しばらくして産声が聞こえ、

助産師さんが真剣な表情で息子の体をチェックする。

 

手の指、足の指・・・

 

助産師さんの硬い表情が緩まない。

 

 

大丈夫なのかな・・・。

不安で押しつぶされそうになる。

 

数分のことが長い時間に感じました。

 

次の瞬間、助産師さんが笑顔になり

 

「おめでとうございます!」

 

やっと近くで息子の顔を見せてくれた。

 

安堵で自然と涙がこぼれたことは

この先ずっと忘れることはないだろうな。

 

なんて小さいんだろう・・・

 

「可愛い・・・」

 

胸がつまり、

この言葉しかでてこなかった。

 

 

そして私は眠った。

 

帝王切開の出産なんてアッサリしたものだ。

出産の感動に浸る間もなく眠りにつく。

 

目覚めた時は処置台の上。

しばらく状況がつかめない。

 

サイボーグのように体は管で繋がれ、

下半身は麻酔で感覚もなく、足が有るのか無いのかすらも分からない。

自力では動けない寝たきりだ。

 

夢みたカンガルーケアどころか、

わが子を自分で抱くことすらできない。

 

出産2時間後、介助されながら形だけの初めての授乳。

 

術後のため食事はもちろん、水分すら摂れない。

 

看護師さんが定期的に産後の処置をしてくれる。

想像すらしていなかった現実に情けなくなる。

 

その後、追い打ちをかけるように39度の発熱。

 

麻酔と発熱で朦朧とする中、3時間おきの授乳が始まる。

 

動かない下半身

点滴で動かせない上半身

 

看護師さんによって体を動かされての授乳

そんな私を1人残し、看護師さんは部屋を立ち去る

 

朦朧としながらも意識が遠のく瞬間

「潰しちゃう!」

慌ててブザーを鳴らしたことだけは記憶にある。

 

こんなことが一晩のうちに3~4回。

 

明け方から尋常じゃない痛みが始まる。

予定よりも早く麻酔が切れたらしい。

 

ちょっと体を動かすだけ、咳ばらいをするだけ、くしゃみをするだけで

気が遠くなりそうな痛みが襲ってくる。

 

翌日からは母子同室。

息子との時間、それはそれは幸せな時間。

 

昼間は穏やかでも消灯時間になると

息子は泣き出す

 

痛みで思うように動かない体を起こし

明るい授乳室に向かう

 

落ち着き暗い部屋に戻るとまた泣く。

痛みで崩れそうな体を引きずり、

一晩で何度授乳室を往復しただろう

 

そんな私を見兼ねた助産師さんから

「寝てくれるからミルクにしませんか?」

何度、助言されたか・・・。

 

それでも私は、母乳を貫いた。

 

だって、私は帝王切開出産だから。

 

「帝王切開は母親が出産の痛みを感じないから、子供を愛せない。」

 

妊娠中、どこかで目にした、こんなしょうもないことが

ずっと引っかかっていたんだと思う。

 

私は出産の痛みを経験していない。

だから、術後の痛みを堪え母乳で頑張ること。

 

これが母親としての愛情だ。

 

常にいいお母さんでいようと頑張った。

 

胎教から始めた早期教育の家庭保育園も

退院したその日から本格的に再開し、実の母に引かれた。

 

息子のために。

息子のために。

息子のために。

 

早期教育以外にもベビーマッサージやベビーサイン、

All Englishの体操教室、1歳まで離乳食をしない母乳育児、・・・。

 

育児書を読みあさり、

いいと言われることはすぐに飛びついた。

 

自分のことなんてどうでもいい。

何がなんでも可愛い息子が一番。

 

そして、息子が成長するにつれ自我が芽生え、

子育てが自分の思うようにいかなくなると

思い通りにしてくれない息子を怒鳴ることが増え、

 

大粒の涙を流してなく息子を見て我に返り

小さな息子を抱きしめて一緒に泣きながら

「ごめんね。」と謝る日々。

 

夜、天使の寝顔を見ては

今日怒ったことを思い返しては涙が止まらない。

 

こんなに可愛いのに・・・

こんなに愛しているのに・・・

 

私はダメなお母さんだ。

私はいいお母さんじゃない。

 

こんなはずじゃなかった・・・。

 

頭の中をよぎる

「帝王切開だったから?」

 

息子を怒鳴り、自分を責める毎日。

 

苦しかった。

 

当時の事を思い返すと息子に申し訳なく

今でも胸が苦しく締め付けられる。

 

 

でも、今は違う。

 

暗くて長い長いトンネルの中にいるようだった私に

出口への希望、一筋の光が差し込んできた。

 

そう、私は

正しい子育てを捨てた。

 

私はいいお母さんじゃなくていい。

 

私は息子と笑っていたい。

 

息子への過去は消せない

だから、今は息子に惜しみなく笑顔を浴びせ続けよう

 

息子が大きくなった時、

笑顔のお母さんしか記憶に残らないように

 

もちろん今も怒鳴ることもある。

息子が泣くこともある。

 

それでも毎日がHappyだ♪

 

だって、

息子は最高の笑顔で毎日言ってくれる。

 

にこにこお母さん、大好き!

お母さん、大大大大好き!

 

 

息子の匂い、重さ、大きさ、カールした髪を感じながら

今日も抱きしめる。

 

生まれてきてくれてありがとう!

 

 

キミのお母さんになれて

 

私は最高に幸せだ!!

 

 

 

 

最後までお読み頂き、

 

ありがとうございました。