私には辛いとき、思い出す出来事があります。
SLEの勢いが強くて入院していたころの話。
ステロイド内服では病気が制圧できずステロイドパルスで点滴でたくさんの量のステロイドを身体に入れないといけなかったころのことです。

高熱が連夜続き、腎臓が悲鳴をあげて、体調が悪く意識が朦朧としていました。意識が飛びそうな感覚になったとき、ふいに自分の中にもう1人の自分がいるような感覚になったのです。そのもう1人の自分はしきりに意識を失わないように、自分にしがみつくようにさせようとしていました。
自分を失ってしまえば楽になると思う自分と、自分が自分でいるために今が頑張り時なんだと励ます自分。それを強く感じていました。
そのまま朝になって、治療を続け元気になり今に至ります。

医療の勉強をしてからそれがステロイド精神病というものなのかと思うこともありますが、感覚的に、もう1人の自分がいつも心の中にいて私が私らしく生きていくことを応援してくれているように思うのです。何か自分を脅かす危機的状況にあったとき、自分の中には私が思うよりも強い何か偉大なものがあって自分を支えてくれる、そんな確信めいたものがあるのです。
私には霊感もないし、第六感みたいなものも何もありません。だけど、そう信じています。
普段、人は気付いていないことかもしれません。

昔から【something great】とか【ご先祖さま】【神様、仏様】と言われている、何か偉大なものが一人一人の心の中にあって、いつも応援してくれているように思うのです。
仕事柄、認知症で自分のことも他人のことも認識できなくなって大変な方や、びっくりするくらい暴力的になってしまっている方にお会いすることもあります。でも一人一人の心の中に、何か偉大なものがいることを信じるとどんな方にでも目の中の深い部分にそれが垣間見れることがあるのです。だから嫌いになれない、そっぽを向くことができないです。

私は病気でそんな経験をしてから自分のこと、自分の中の偉大な何かを大切にしよう、悲しませたりがっかりさせてることはしないでおこうと思いますし、同じ分だけ他人の中のそれにも敬意を払うようになりました。
綺麗事ばかりではなく余裕のないときも多いですが、他人にも、自分にも優しく生きていけたらいいなと思っています。