親父とお袋が離婚して35年が経つ。
相変わらずふたりして独身で、ふたりして一人暮らし。
鹿児島へ帰ると、
お袋の家に泊まって翌日は親父の様子を見に行って…と手間がかかる。
親父の家へ行くと、「でかけるぞ」と言われタクシーに乗せられ、
親父の実家へ連れて行かれる。
ピンポン押しても誰も出てこない。
親父が玄関を開けると鍵が開いている。
中へ入ると親父の兄弟や親戚がテレビを観ている。
「ああよく来たね」と声を掛けてくれる。
「ところであなたは誰ですか?」と訊ねられ、
親父の一人息子であることを告げる。
「もう何十年ぶりかね会うのは…」と言われるが、
一年前にも同じ事を言われている。
のんびりした日常だ。
昨夜、お袋へ電話した。
同級生の肉屋の島田君が、
花見の時期の配達業務で人手が足りないらしいよ…と話すと、
「じゃあ、トモを連れて鹿児島へ帰ってきてここで暮らせばいいじゃない」と云う。
そんな話をトモに聞かせてやると、
「とーちゃんだけ鹿児島へ行けば」と云う。
まったく、そんな問題じゃないのだけれど。。。
ついでに親父の家にも電話してみた。
親父は寝ていた。
このあと、なでしこの試合があるからそれまでの間寝てたと云う。
あいかわらず、地上波衛星波スカパー!ありとあらゆる電波を拾い、
朝から晩まで一日中スポーツ中継を観ているらしい。
最近のお気に入りは、鹿児島県志布志市出身の兄弟力士で、
どうやら九重部屋の力士らしく、
親父が言うには、毎日14:20から14:30あたりに出番が廻ってくるとのこと。
新聞社を退職してから、「もう働きたくない」と云い、急に老けた。
脳梗塞で倒れてから、始めのうちはリハビリもしていたけれど、
最近では病院へリハビリのために通うことも面倒になり、
外出もあまりしなくなったらしい。
ジャイアンツの調子が悪いと、「もう死ぬかもしれない」と言い始め、
プロ野球のシーズンが終わるとまた、「そろそろ死ぬ」と言い、
途中オリンピックで息を吹き返し、
スカパー!G+でジャイアンツのキャンプ中継を眺め、
プロ野球開幕が近づくと活気づく。
そんな親父との電話を切り、お袋に親父の様子を伝えようと
ふたたびお袋の家へ電話した。
お袋は「そろそろ死ぬんじゃない?」と言い始める。
あんなやる気のない人は生きる目標も何もないし…と云う。
いつもながらそんなお袋の話を聞くと寂しくもなる。
お袋の家に電話したり、
親父の家へ電話したり、
またお袋の家に電話したり。
正直言って面倒だ。
二人が別れてもう35年も経つのだし、
息子のためと思って、
復縁しろとは言わないが、いっそのこと同居してくれたら
息子としてはどんだけ心が楽になるだろう。。。
そうそう、僕の結婚の時は大変だった。
親父が出るならお袋は出ない。
お袋が出るなら俺は出ない。
結局出席してくれたのは母だった。
とはいえ、一歩通行であるけれど血の繋がった家族。
親父とお袋はなかなか仲直りしてくれない。
仲違いを墓場まで持って行くつもりらしい。。。
でわでわっ。。。