昨日の続きです。

 

 

 

●募集番号2204 コハルビヨリ2022(父フォーウィールドライブ)

老舗牧場からの購入馬ということで、非出資決定の馬です。この牧場のクラブへの提供馬の質の悪さは定評があります。社台傘下に組み入れられる前のシルクホースクラブでもそうだったようで、「この牧場産馬は買わない」とのコメントは、よく目にしていました。友駿でも2013年産までさかのぼっても、勝ち上がった馬はラスベガスシチーただ1頭で、この馬も勝ち上がり後に数戦して、3歳夏に故障で引退してしまいました。今回の募集馬は、決定的には今年活躍した新種牡馬、アメリカンファラオの仔という血統をもってきており、目新しさはありますが、期待が持てると言えるような強調材料は感じられません。馬体もトモの割には前が貧弱に見えるので、個人的に好みの馬体とは言えません。皮膚炎のようなものが見えるのも、体質の弱さを感じさせるのでマイナスポイントです。厩舎はブリッツェンシチーでお世話になっている古賀慎明厩舎ですから、悪くないのですが、馬自体がちょっと…と言う感じでしょうか。既に非出資を決断しているから、厳しめのコメントになっているということもあるでしょう。その辺りは、読む側で勘案してください。

 

 

 

●募集番号2205 ライムチャン2022(父エスポワールシチー)

みんな大好きエスポワールシチーの産駒です。今年2頭いるうちでは、馬体全体のバランスが良く、スッキリ見せているのは、こちらの方かと思います。ただトモの大きさなど、ダート馬としてはちょっと物足りなさを感じるところもありますので、この辺りが今後成長してこないと厳しいのかなと思います。厩舎は、友駿初の西田雄一郎厩舎ですが、騎手としての印象は短距離、特に新潟芝千直巧者ですが、調教師としてはどうでしょうか。母系がキンシャサノキセキなので、意外に短距離向きの馬になってくれるかもしれませんね。そういう面では、西田厩舎とのコンビは面白いかもしれません。ただし、ダートの短距離となると、現在でも現役馬が飽和状態で、優先権を逃すと出走が厳しくなってしまうという状況ですから、勝ち上がったとしても、かなりストレスフルな状態を覚悟しなければならないでしょう。もちろん、この馬が典型的なエスポ産駒のようにダート中距離馬だったら、何の問題もないですが。この位の価格帯だと、エスポ出資者の方々が「とりあえず出資」してくると思われますので、本来ならば来年の秋頃に馬体がどう変わって来ているかを見てから出資の可否を決めていきたいところですが、残口数とにらめっこしながら出資するかどうかを決めるハメになりそうです。

 

 

 

●募集番号2206 ユアインマイハート2022(父ヘンリーバローズ)

おなじみグランド牧場産、伊藤圭三厩舎への預託馬です。いつもならコテコテのダート短距離路線目指します!という感じの血統なのですが、今回は一味違うようです。父はディープインパクト産駒のヘンリーバローズで、母系も母父がハーツクライですから、最初っからダートだけ、短距離限定という訳ではなさそうです。カタログのコメントで「距離の融通に幅を持たせる」とあるのは、確かにその通りだと思いました。とはいえ、ヘンリーバローズは、シルバーステート産駒の活躍からインスパイアを受けての「2匹目のどじょう狙い」というところがありますので、この点は不安材料ですね。馬体は前胸が深く、ガッチリしていて丈夫そうです。故障とは無縁そうなのですが、冬毛ボーボーで体質が弱いんじゃないかという心配や「血統の割に鈍足」疑惑といった不安材料もなきにしもあらずです。すぐに満口になるような血統の馬ではありませんから、今後の馬体の成長を見極めて、もうちょっと素軽い動きができそうな馬体になってきたら、出資を決めたいと思います。

 

 

 

以上で関東募集馬の検討は終了します。

 

 

 

今年の募集馬は、ちょっと地味だなぁと感じた方も多いのではないでしょうか。これは、ここ数年、勝ち上がり数が激減しているため、クラブの経営陣の尻に火がつき、日高の牧場を必死に駆けずり回り、有名な種牡馬に限らず、走りそうな馬を本気で見つけ出そうと努力をした結果だと思っておきたい(本当のところは、知らんけど)です。いつもなら安易に種牡馬のネームバリューを利用して、怪しげな母系の仔をラインアップすることが多かったのですが、今年は実績ある種牡馬はオルフェーブルとモーリス、リアルスティールくらい(エスポは実績関係なく売れるから除外)ですね。この攻めの姿勢が、吉と出ることを願ってやみません。募集馬の中に、ヴェローナシチーを越える馬がいることを願って…(=人=)。

 

 

 

最後になりましたが、出資は自己責任ですので、悪しからず。