第195話 富士山調査6-2 | 《 ヤ ー の 森 》 アドファン絵本的小説

《 ヤ ー の 森 》 アドファン絵本的小説

この物語は、八ヶ岳に住む森の妖精ヤマネのヒーロー(光る子)
が超能力に目覚め、宿敵ブラックエアーとの戦いに挑みます。
それを 森のレンジャーMr.F が、優しく成長や 活躍を見守り
その数々の伝説を語っていきます。


 そこには、黒い富士山があった。

 ・・・ ・・・ ・・・。( 言葉など出てこない、 いつもの美しい富士は存在しない。)

 水墨画ではない、空は青い。

 ( ただし、一般の人間には、普通の富士山にしか見えない。
  あなたは、この黒い富士山が見えますか?)

 <レンの記憶>
 ドラじいは5600才と長生きの龍、だが、本栖湖底で100年も
寝ている時がある。
 今から900年前の平安時代後期にも、同様の事件が起きていた。
 富士は、まだ10万才という若い活火山であり、50~100万年活動するとされる。

 沈黙を破り、ドラじいが言葉を発した。

 「 富士は病んでおる。」
 そして、ヤー坊が叫んだ。
 「 こんなの富士山じゃない!!やだ僕は認めないよ。」
 そこには、怒りに似た感情があった。
 その後、誰も発言は出来なかった。
 ・・・ ・・・ ・・・。


ラム!!今すぐ 分析じゃ!!」
いきなり指揮官の大声が響いた。
そう、ドラじい視線で<ヤーの森>でも一緒に富士山を見ていたのだ。
! 只今、行ないます。しばし時間を。」
ラムは我に帰り、急いで富士山の分析作業に取りかかった。


一方気象庁では、大騒ぎが起きていた。
日本では、気象庁が常時観測・監視しているのは活火山110のうち47ある。
もちろん、富士山も例外ではない。
今日GPSで、富士山の不可思議な形状変更が確認されていたのだ。
宝永大噴火(江戸時代中期1707年宝永4年)以来の富士大噴火か?と
一時騒然となった。

こんな観測DATAが、生まれていた。

 尚、このDATAは、時の内閣総理大臣柏崎まで報告された。
 富士山は活火山である為、GPS外部形状測定・地震波形測定・傾斜測定など
 いろいろな観測がされている。
 火山学者白鳥は、今回の不可思議な形状変更について解せなかった。

火口部中心高サだけが、異様なマイナス約7mになっている。
火口部深さ200m・直径500mであり、中心部に向かい1mで平均29mm沈下
している事になる。その他に、変化はまったくない。
普通、地中にマグマ溜りが発生し、外部形状は膨張プラスになる。
そして、地震波形にも変化が生まれる。
「 こんな事は、在り得ない!!
 しかし 現実に起こっている、必ず何か理由がある筈だ。」
日本の観測史上初めての事であり、しかもそれが富士山に起こっている。
白鳥は、火山学者として苦悩した、思い当たる事は何もない。


一方ここ 長野県白馬村超星間観測所では、星野重大な発見をしていた。
「 地球上に超重力場が発生している、これは異常事態だ。
 このままでは、地球の自転に変化が生まれる・・・。



地球の自転を変化させるほどの超重力場とは、何だ?
私の脳裏に、<6度目の生物大量絶滅>の言葉が浮かんだ。
(森のレンジャー Mr.F)
 つづく