ヤー兄弟達が、石の上に 足をのせた瞬間
そこには 忍野八海の鏡池が出現し、波ひとつない水面の上にいた。
神のなせる業(わざ)、人の本心を映し出す鏡があった。
< 忍野八海 >
霊峰富士の胎内より湧き出でる泉は、昔から「神の泉」と崇められ八つの湧水池
から成り、富士山 雪解け水が、地下 不透水槽溶岩の間で20年をかけてろ過さ
れた澄みきった水である。景観良く 富士山を水面に映し込み、全国名水百選に
選定、国の天然記念物にも指定される。 出口池・御釜池・底抜池・銚子池・湧池
(サクヤ姫ゆかりの池)・濁池・鏡池・菖蒲池があり、各池には伝説がある。
< 鏡 池 >
不規則な長方形の小池・湧出量はわずか、水は常に濁っている。風のない時は
富士山がハッキリと映るためこの名がつけられた。伝説としてこの池の水は、こと
の善悪を見分けると云われている。(面積 144㎡・年平均水温 11.5度)
「 我 が 神 の 池 よ、 こ の 者 達 の 邪 念 を 映 す の じ ゃ !!」
サクヤ姫が出した条件とは、邪念を持たない心であった。
これでは、神に隠し事はできない。
ヤー兄弟達は、邪念など毛頭ないが緊張した。
そして、映し出されたものは
ヤッ吉はヤーじい、ヤー坊はヤーママ、ヤッチはお花であった。
それを見て、みんな 安堵した。これで大丈夫だと。
「 思った通り、なんと素晴らしい 合格じゃ。
そなた達の心は純粋無垢、八ヶ岳の澄みきった青空が見える。」
「 ヤッタ ~!! 」
ヤー坊は、小石の上で小躍りした。
「 これからは、苦難の道が待っている。
みんな力を合わせ 忍の覚悟が必要じゃ、よいな。」
「 は い!! 」
全員が答え、サクヤ姫との約束をした。
「 ここに、勾玉を進ぜよう。」
「 ありがとうございます。」
ヤー坊は、大きな声で言った。
ふと気がつくと、そこは浅間神社の境内であった。
そして、ヤー坊の首には 勾玉がかかっていた。
これで、三つの光る”ヤーの石”(勾玉)が揃った。
みんな 自信に満ち溢れた顔をしていた。
ゴン太は、サクヤ姫から一枚のお札を預かっていた。
それを、ヤッ吉に渡した。
早速 開いて見た。
梵字辞書で調べたら
MITSU ISHI YAMA
三石山 とあった。
思い出した!そこは我々光る子のご先祖様たちが祭られてる所。
「 きっと、三石大明神へ行け!と言うことだよ。」
「 うん、そうだ。」
「 そうね、きっと。」
「 そうでんなヤッ吉はん、ほな 行きましょか。」
「 何かあったら、連絡してね。」
「 私も、お役にたつわよ。」
彼等もまた 光る子と同様、ブラックエアーと交えた歴代の戦士であった。
ゴン太とジュエリに別れを告げ、三石山へ飛び立った。
もう三つ目の勾玉は、手に入れたのだが ・ ・ ・ 。
そこで何が待っているのか、とにかく行ってみるしかない。
( 森のレンジャー Mr.” F ” )
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つづく