髪の毛の先に
眼差しの先に
時間が落ちて
ミイラみたいな心
いつの間にか
奪われた水分
優しさも
悲しみも
枯れ果てて
寂しさも
楽しさも
干からびて
取り戻すって意思が
少しずつ少しずつ
砂に埃になっていく


水を下さい
普通の水ではない水を
種からいきなり
発芽するくらい
特別な水を
水を下さい
コップ一杯では足りない
海より沢山の量を
あの月の体積より沢山の量を
水を下さい
水を下さい


歩き疲れて座り込んだ
小さな石に
綺麗な水を探す事を
決めたんだ
小さな意思で

悩み疲れて
考えるのをやめた
小さな日々に
これではいけないと
休む事をやめた
小さな旗で

三日坊主の少し先が
楽しいのかもしれない
何かが
美味しくなるかもしれない
そんな妄想して
迷走して
飢えていると実感する
こんな物質社会で


お腹が空いたから
目についたモノを食べた
なんでも良かった
お腹に一定の栄養素を入れる
そんな行動だった
人が食べ物だと
認識できるモノなら
本当になんでも良かった
食べるモノを選ぼうとする
それは幸せの一つだろう
それを選べない
それを選ぶ気にならない
そんな不穏な風が
底で吹いているのなら
何を見ても笑えない


何かを成そうとして
楽しみを
極限に擦り減らした
面白さを
極限に擦り減らした
頭の中が渇いていく
身体の中が変わっていく
そんな心持ちで
そんな力無き身体で
何を成そうとするのだろう
何を成そうとするのだろう


宝物の数が多いほど
宝物にできる数が増える
得るモノの数の数え方は
減ることは無い
悪い事であろうと
プラスになり
それ以下にはならない
心の何処かではそう思う
心の何処かでは違う事を思う
余裕が無い日々
汚れきった足裏
生きているって
自尊心と炊飯器
コミュニティ不全症候群
コミュニケーションも付け加えて
苛立った風鈴が
尖って鳴いた


観葉植物の隣で
体育座りしていたら
誰か水をくれるかもしれない
「自己都合の希望」は
「生理的に無理」と
同意かもしれない
変わらないんだ
変えるとしても
ゆっくりとしか変わらない
GPSで何回見ても
同じ場所みたいに
そんなモノだから
いや
そんなモノだけど
何年後かに
その場所に居ないって事が
できるんだ
こんな点滴なんて
要らないって言えるんだ