雨に濡れた猫みたいに
震える心を
背中に隠して
一体何処に行こうというの
一粒の光だけを
信じて
まるでそれが
「世界の答えだ」って
目をして
一体何処に行こうというの



銀色の空に
夢を見たから
そこまで行ける
そこまで行ける
呟いては開く
仮定の扉
応えのない音
切磋琢磨
時間を削りだして
右ハンドル
小型の車の中
進む 進む
ゴムの擦れる音が
天秤を揺らす
その針の先には
幾重にも
修正テープが
巻き付いている
ボロボロの包帯みたいに



紙に塗り込んだ
青い油性ペン
必要だったオレンジ色の
蛍光ペンのリボンが
潰されていく
何もわからなくていい
固まっていけるか
無くなってしまわないか
目的
場所
この二項目が
無くなってしまわないか
バイクの音が
町を行き交う
小さな風が大きくなる
星が消える
気温が下がるから
涙が出た
たまに見る
路上の小動物の為に
泣いたのかもしれない



雨の匂いに
落ち着いた心
懐かしいゲームを
見つけたみたいに
残ってるモノを
鉄の輪で繋いでいく
鍵の音が踊る
どの扉にも
何も考えずに入ろう
嫌というほど
傷だらけになるけれど
意味のない涙は無い
空っぽの泣き顔と
決別して
しばらく歩いてみよう
何を感じるだろう
できれば
人肌くらいの
温かさがあって欲しい