下手くそな歌声なんだ
どうも
上手くいかない
高い声が綺麗に出ない
猫がさかっている
そんな声になるんだ
腹筋を頑張るしかない
もっと
もっとって
回数増やして



どうでも良い
そんな事なんて
言ってはいけない
転がる理由にならない
僕等の力は
声に現れるんだから



活断層
大地の毛細血管
プレートの境目は
大動脈
間借りして
住んでるんだ
地球にとっては
僕等はノミみたいなもの
地を吸って
石油を取ってるんだから
それで
自分の首を
絞めたりしてるんだから



どうでも良い
そんな事なんて
言ってはいけない
立ち尽くす理由にならない
僕等の存在は
立ち歩いてこそなんだから




朝焼けが
海に光る
始まりの歌
地の匂いが
雨の匂いと
絡まって
目の前で笑う



鳥の歌が
耳の奥で
迷子になる前に

花の匂いが
辿り着けずに
散ってしまう前に

空の蒼が
目に映ることが
当たり前である内に

呼び戻して
呼び戻して
今の君を
大切な君を



無様な姿が
鏡に映った
始まりはそれで良い
どんな人でも
始まりは
いつも無様だから