午前3時に
落ちる涙の冷たさ
冷凍庫の中の
氷の気泡みたいに
粒になって
張り付いて
取れなくなる


俯いた暗がりで
横たわる
肉の塊は
信念も情熱も
吸い取られた
夏のある日の
浮き輪みたいだ


立ち止まる事
良しとしても
歩き出す事が
前提である事を
忘れてはいけない
たとえ
今にも崩れそうな
無様な歩き方
だったとしても


時間は取り戻せない
流れ流れて
してしまった事
できなかった事
何もかも取り戻せない
取り返せない
自分に貼られた
壊れ物シール
措いていかれて
粗大ゴミのゴミ捨て場
その山の頂上で
叫んだ
「これからだ」
昨日の夜


燃やせるモノ
無くなって
一日が一日で
無くなって
全てのタイミングが
消え失せて
途方に
暮れていたとしても
誰も助けてあげれない


上手くできるとか
これは好きとか
話せる時間は過ぎて
結局は関係無いんだ
身の回りの
いつもの行為とは
全く関係無いんだ
それを活かせる
その術(すべ)を
今だに思いつかないでいる


立ってはいる
見渡す為に
考える為に
一生そうして生きてくのか
絶望の日が
明日だとしても


時間は取り戻せない
溢(こぼ)れ溢(こぼ)れて
水受けの無い鉢植え
指と指の間
何もかも取り戻せない
取り返せない
自分に突き刺さる
時間の骨
誰にも抜けない
治せない病(やまい)
その空間の中
叫んだ
「これからだ」
力の夜


燃やし始めは
不完全燃焼
燻って諦めて
立ち向かって
落ちて
繰り返して
繰り返して
笑うしかなくなって
その上で踏み出す
小さな光をなびかせて


時間は取り戻せない
流れ流れて
してしまった事
できなかった事
何もかも取り戻せない
取り返せない
自分に貼られた
壊れ物シール
措いていかれて
粗大ゴミのゴミ捨て場
その山の頂上で
叫んだ
「これからだ」