穏やかに暮らすために、良き青春映画と緊迫サスペンス。あとちょっとドラクエビルダーズ2(。-ω-) | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

"春めき"が一気に増して来ました。
でもこう暖かいと、夏本番が怖いです。
巷では多様な種のコロナに加え、鳥インフルエンザが人間感染なんて話が聞かれ、どうしたものか。映画のクライシスがまた現実に成っていきます。
気持ちだけは穏やかに、映画で癒しましょう。

「あの頃、君を追いかけた」
浩介は気ままに生きる高校生。特別でも無く地味でも無い。趣味は格闘技で、ライバルに勝つ事に執念を燃やす。
つるむはまた、平凡な男友達たち。
ある日。特に好きでは無いが、つい見てしまうような女子、そんな優等生の真愛に教科書を貸した事から、意外な縁が始まった。
最近、恋愛映画はあまり記憶に残るものが無いように感じます。おそらくそれは愛を描かなくなったから。ときめきも無く、育みも無く、やる背無い青春の苦悩や、擦れ違いの虚しさを描かなくなった。
何故?
おそらく。否定している訳では有りませんが、韓国ドラマのせい。男と女が出会って、貧富などの障害を乗り越えて... 
さて、何処に愛が有ったか?
男が女を気に入ったら女も好きらしい。それだけ。愛じゃない... 発情?
そんな話ばかり。始まりに喧嘩したら愛が始まる。何故?
運命だから。
本作が「愛を描いているか」と言うなら、そうでもない。しかし、心に足らなさを抱いていた二人が、ある事を機に、互いを意識し始める。また、その行動が、愛のため、相手を手に入れるため...なんてものでは無い。世界を変えるために、現実に向き合って... なんて高尚な思想も抱いていない。
ただ、時間を共有する。
それも、優等生の真愛が浩介をけしかけて、問題を解かせる、それだけ。特に浩介が負けず嫌いだった訳でもないが、彼はそんな真愛の"けしかけ"に応えた。
それは二人の現実に、ちょっとした変化をもたらす。ちょっとしたもの。しかし、積み重ねる内に、幾つものことが変化していく。
ゆっくり、ひとつづつ積み重ねられて行く"ことの共有"は、次第にお互いを特別なものにして行く。
... これぞ、愛です。
気付いたら「僕には君が必要に」と成る青春の疾走こそ、素晴らしき愛のかたち。
この映画は、まさにそうした展開を見せる。
今作は恋愛映画の軸を群像劇の中に描いています。しかし、正直、私はその群像スタイルは嫌いでした。
男性陣による触れ合いはあまりに定型で、男だからと口にされるは下ネタ中心。折角、浩介は格闘技マニアなのに、そんなものは友達間に共有も理解も描かれない。何故かスポーツマンのライバルも、がっつり格闘技対決で叩きのめしても、気付いたら友達に成っていた。更に浩介と友に成ったら、必然的にみんなとも友達?安易です。
下ネタの隙間のジョーク混じりの会話や七癖も非常に下らない。ひと目で区別できるほど見た目で分けた友達たち、それはそれで成功しているけれど、それくらいにしか描きがない。
正直、粋がり、軽薄、太っちょ、ノッポ... 
そんな定型の下ネタ群像は「おっぱいバレー」で終わりにして欲しかった。
頻繁に勃起する、動揺すると鼻血が出る、ゲイ... そんな意味ありげな要素はネタでしかない。
正直、序盤は、観るのを止めたくなるほど、つまらなかったし、演技も誉められるものは微塵も無かった。事実、私は今回、間を開けた二度目の視聴、ようやく最後まで観たほどです。
しかし。山田裕貴君、齋藤飛鳥さんが縁を得て、語りだすと、映画が動き始める。
繊細で、また、露骨でない台詞の積み重ねがふたりの距離を縮めていく姿は、非常に心地よく、また"恋のときめき"の瞬間を描いていないのに、心が見えてくる瞬間が無数にあり、彼等の中に"変わっていく何か"を垣間見てしまった時、悶えるような恋を感じさせられてしまうのです。その感覚が堪らなく私達に焦れを呼び起こし、見届けたくなるほど素敵なのです。
真愛は浩介を呼ぶ時、ペンで背中を突付く。如何にも乱暴に見えるけれど、初めはそれでも躊躇いが有った。しかし、いつの間にか躊躇いは消えていく。浩介は最後につい見てしまう女、と、真愛を表現したが、気付けば彼女をいつも視界に入れるように成っていた。
"けしかけ"に乗り、真愛の出す問題に答えている内に成績は上がり、敵う筈も無いのに、成績で勝つ勝負をしてしまう。
「勝ってやるよ」
「無理よ。だって私が教えてるんだから」
浩介は当然負けて、髪を坊主にする事に。浩介が勝てば、真愛がポニーテールにする事に成っていたのに... 
翌朝、真愛はポニーテールにしていた。
浩介の胸が跳ねる。
まさに、恋が生まれていく...
私の中にも。
ふたりは高校生活で幾多の思い出を刻み、卒業を迎える。
別々な人生。途切れない繋がり。
しかし、久々の再会に、労れないエゴが、心に溜めたふたりの思いを打ち砕いてしまう。
誰でも一度は経験する、
「あの時、こうしていれば...」
浩介は悔やむ。悔やみ続けて、人生が止まるほどに。それでも時は流れて、浩介の世界も変わっていく。胸に空いた隙間を捨てず抱きながら、あえて余所を見て、噂を耳にし、いつも足らない何かに思ってしまう。残像のように残る透き通った記憶が、堪らなく心を軋ませる。

そして。突然の地震。
浩介はそんな災害に背中を押され、真愛に電話をする。
ささやかな会話。距離が開いているようには感じない。しかし、言葉が口から出てこない。思いは飲み込み、当たり障りの無い会話だけが二人の間に流れ、また、別れる。

また時が流れ、浩介はめかし込んでいる。
結婚式に行くらしい。
壁にはシャツが下げられている。背中に青い染みが有る。
「さあ、そろそろ行こう」
浩介は出掛けていく。

ちょっと厳しいオチが付く。恋など容易いものじゃない。青春は概ね、苦いものだ。人生の間、思い出しては、溢れるセンチメンタルに耽るもの。
しかし。人生はいつでも変えられる。
ここで、ミスリードを含む、ある、本来の意味での"どんでん返し"が行われる。いや、思い返せば、この映画の始まりこそ、次々に返される"まんまの映画"だった。
そのオチは、あまりに爽快で映画史に残る素晴らしさ。言葉では無く、行動で示した、最高のプロポーズ。
... 何しろ浩介役の山田裕貴君の魅力が溢れてます。友達の造形がイマイチなだけに、この映画こそ彼に尽きるとも言えるかも。
私にはドラマ「イタズラなKiss」での金ちゃん役が最も愛すべきキャラでしたが、今作の浩介も、負けず劣らずの魅力溢れるキャラクターでした。
彼の自宅での姿が堪りません。全裸なんです。「何やってるの!」と思ったら、お父さんもそうで、「環境なのね」と思わず納得。
学校でも何処でも、彼の一挙一動、吐き出す言葉が非常に愛らしい。
しかしそれを二倍にする真愛役の齋藤飛鳥さんの魅力が素晴らしい。あつらえたような芸能的美性をひけらかさず、あくまで"最後に見てしまう"、そんな、秘めた美性。
初見から目を奪われない。しかし、気付けば、彼女の虜に成る。私達も浩介と同じ経験をするのだ。
これこそ完璧な感情移入。主役ふたりの魅力に溢れた、"心"を目撃する映画です。

ただ、群像も重要な要素なのだから、もっと、友情もきちんと描いて欲しかった。彼等の育んだ青春とその卒業、大人の階段登る、を見たかった。そんなものはナレーションのみなので、それなら主人公ふたりだけで、他はもっと出張らなくても良かった。
他は良好。演出も良く、映像も不足無く目を引き付けました。少々、ビートが低いのもこの映画のタッチに合っていたと思います。
原作は2011年の台湾映画。
日本が生み出した良作だと嬉しくなっただけに、ちょっと残念。
でも、大好きな映画と成りました。


時にはあえてクライシスを楽しむのも、逆に心を救います。サスペンス映画にドキドキ。
「リムジン、余命60分」
元兵士のマットは未来を築こうと頑張っていたが、弟の自殺、そんな心に傷を負うような事態に希望を失いかけていた。しかし再起の為にとリムジンを委ねられ、令嬢ジェシーのボディーガード兼運転手として任に就く。
ジェシーは友人たちとクラブに出掛けたり、時間を楽しんでいたが、矢先、暴漢の襲撃を受け、リムジンと共に運河に落ち、水没する。
そうして水没したリムジンの中で、絶望を感じながら、生き残るべく奮闘するシチュエーションものです。
正直、シチュエーションものは非常に低予算で、不幸のどん底に主人公たちを落として、作り手が上から見下ろし痛ぶるサディスティックなものが多いのですが、先ず、本作は映像の撮りが良い。これだけで映画の質が違ってきます。それに絶望に嘆くばかりの展開には成らず、リムジン内でのパニックと嘆きのシーンと過去のシーンを交互に描き、私達を退屈させません。
またこの過去話がなかなか良い話で、マットの境遇が切ないし、各々の人間性も含め、感情移入が出来ます。安易な低予算では有りません。
まあ映画的には、同乗する友達たちはパニックを引き起こす担当。酒を飲み、クラブで騒ぎ、如何にもな若者像。しかし、軽薄キャラのように見えて、危機の中では、なかなか理論だてて冷静に振る舞おうともしてくれる。まあ、当然、馬鹿は居るもので、こんな時に問題を起こしてくる。何故か喧嘩っぱやいアメリカ人、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」然り、愚かの一字に、無駄に死を急ぐ。
若者のヨタ話は良くも悪くも積み重ねられ、彼等の事情や性格を浮かび上がらせもしています。それなりに事情の説明、展開も担い、更に緊迫度を上げて雰囲気を出すのに貢献しています。更に結構なセンスある画作りと手堅い演出により、なかなか飽きさせません。
また、事故に纏わる"何者か"の存在がミステリーの役割を成していて、安易なシチュエーションに風格を醸していました。回想として紡ぐ挿入映像も無理無く丁寧で、伏線回収、種明かしとしても、緊張感を上げる要素として見応え有ります。
キャラの設定も無駄にしません。異常な馬鹿も異常な善人も無く、主人公マットさえも、そこそこビビりで、自らの為に無情な選択も躊躇いません。しかし目的はジェシーの警護。そこだけは必死の思いで全うしようとする意思力の持ち主でもあります。
ちょっとリムジンが無敵過ぎて水没もそこそこで止まってしまい、タイムリミット的緊張感に欠きますが、寒さや不安感はよく出ていて、内乱含めて、シチュエーションの良さは機能しています。馬鹿もただの馬鹿では有りません。落ち着けば謝ります。
原題は"水没"。日本題名の"余命60分"は"余命"?なんてセンスに欠きますが、意外とこのタイムリミットの提示は効果を成しました。
終盤は、一気に雪崩れ込む更なる展開に緊迫度は最高潮。その追い詰めに水を使うのも本分を見失わず良かったです。
ちょっと犠牲が数減らしだったのは数少ない残念。オチも読めますが、期待に応えてくれる爽快さに、満足です。主人公が映画の展開を支配し、最後までキメちゃうような無敵映画で無いところも良かったです。
しかし、その無敵で無いところを物語に活かせていないのは惜しいところ。
無名映画、無名俳優ばかりかと思いますが、皆、そつの無い演技を為していて、更に名優マリオ・ヴァン・ピープルズが外脇から、映画を支えています。
佳作。そこを超える映画では有りませんが、なかなか妙有り、手堅さ有りで、引き込まれました。


☆足の痛みがようやく「治りそう」と思えるように成りまして... 全治四ヶ月?そこそこな事態となりました。
お陰で人生、こんなにもゲームに時間を費やした事は有りませんでした。
「ドラゴンクエストビルダーズ2」、ストーリーをクリアしました。
なんと、噂の進行不能やセーブデータ消失のバグが発生しませんでした。唯一、ムーンブルク王国の毒沼に沈められた荷を探すイベントで、頻繁にエラーが起こったくらい。
もし、噂の、この章の最後で帰還出来ずにセーブデータが壊れたら... 数十時間が水の泡... さすがに再挑戦する気が起きたか自信有りません...
最近のゲームは後でアップデートすれば良いくらいの未完成作品が多くていけません。
ブロックで出来た世界でも、美しい風景にほっとさせられます。
更になかなかの深いストーリーでも有り、テーマも"自分らしく生きること"。呪われた運命に縛られた人達の心を解いて、そう生きたかった思いに「しても良いんだよ」と囁き掛けるのが主人公、作る者足るビルダーの目的と成ります。
信じること、それが、言い様の無い不安や、嫌われることへの恐れによって歪んで行き、複雑なドラマを紡いで行きます。

最終章は、闇世界でモンスターと手を取り合って方舟を作り、悪魔の行う世界消失から逃げると言う話。みんなを逃がして、私は悪魔の根城へ。根源を絶ちます。
全体的に手間はかかりましたが、第一作より簡単でした。でも容易くは無く、程好く、楽しかったです。
上の旗は私が作ったドット絵が刻まれています。まり王国。自キャラを描きました。

今はフリービルドをしています。
ストーリーの合間で作らされたピラミッドとお城を基盤にして、周囲を開拓しています。トイレ作ってお風呂作って、畑を作り食料確保して、更に地形を思いのままの風景に変えていきます。地味にブロック移動を繰り返しながら、ちょっとした"上手くいかない"を修正し続ける毎日です。一日掛けても大して状況は変わりません。そんなで何が面白いのか?
さっぱり分かりません。
でも風景が変わる度、ちょっとした新味を見付ける度に感じる満足感は堪らないんです。
お供や共に暮らす家族も出来ました。
ストーリーの登場人物は勿論、犬や牛、モンスターも時に信頼を勝ち取れます。
名前付けなきゃ。
好きなオープンワールドゲーム、でも、いつも途中で気持ち削がれ。私が本当に望んでいたゲーム内の自由はこれだった。
なんか... もっちりな私(*T^T) 。