2021、新年。明るい映画から明るい明日へ。 | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

後れ馳せながら。
新年おめでとうございます。
クリスマスから祖母のこと、母のこと、更にあれこれ有りまして、忙しい年末年始となりました。私もプチ無理が祟り、また足が痛みだして、今、ようやく落ち着いたところです。
今年は年賀状を一切出しませんでした。これでちょっと旧友との縁が切れちゃったかもしれませんが、人生などミニマムでも大丈夫。
それに縁が続くなら、きっと年賀状無しでも明日はあるさ。
...実際、送らなかったら来なかったよ...そのくらいの縁だったようです。(*T^T)。

昨年もたくさんの映画を観て来ましたが、コロナウィルス流行のために新作映画の盛り上がりが有りませんでした。
あ。「鬼滅の刃」が有りましたね。でも、全体的には寂しげかと。「ムーラン」でさえも劇場公開しなかったみたいですしね。
映画だけでなく、ミスインターナショナルクイーンもいつもより盛り上がらなかった?
2020年はさっぱり情報無く(3月7日に有ったんですね...)メキシコ代表が優勝したそうです。
むむむ。放送してくれないんだもん。

私の映画2020は野心作の「ジュラシック・エクスペディション」に始まり、低予算でも魅せる映画に幾つも出会う機会がありました。中でも製作会社アサイラムがなかなか頑張りを見せてくれて、映画は有名俳優の起用や予算じゃない!と証明してくれました。
でも何より記憶されたのはアジアの頑張り。タイの「バッド・ジーニアス、危険な天才たち」はハリウッド映画に勝るとも劣らぬ素晴らしさで、また、中国の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」も原作は日本ながら、日本の映画化より格段、面白かったです。インドネシア(アジアかな?)のイコ・ウワイスのお陰かインドネシアの映画も幾つか観る事が出来ました。

LGBTラインも「サタデーナイト・チャーチ」「Girl」と心を揺らす作品を観る機会を与えられ、特に「Girl」は数多く作られて来た、良きトランスジェンダー映画のそのまた上を行くザ・トランスジェンダー映画で、そこにある真実を最も強く掬い上げ、多くのトランスジェンダーの心を曝した、最終版と成りました。
もうこの次元の映画は要らない。2021年は活きるトランスジェンダーの姿を観られる事を期待します。ただし、成功者では無く、平凡なひとり、でお願いします。

大作では「バンブルビー」と「ターミネーター・ニューフェイト」がお気に入り。他にも「アリータ」「名探偵ピカチュウ」等、昨年公開の残り物が楽しませてくれました。
意外にもお気に入りだったのは「ウィンチェスター・ハウス」。ラジー賞でワーストに選ばれても、充分な見応えを感じました。そのせいで、私の今年のひとりはジェイソン・クラークです。哀れな男を演じさせたら彼の右に出る方は少ないです。「かごの中の瞳」でも哀れで可哀想で、彼の"男の哀感"が凄いんです。

「狼チャイルド」や「ガールハウス」などBホラーも煌めきたっぷり。
「500ページの夢の束」や「バーバラと心の巨人」のように心を描いた素晴らしい映画もありました。
テレビ作品では、「キャッスルロック」シーズン2、「キリング・イヴ」は私の心を捕らえてしまいました。日本のドラマ「姉ちゃんの恋人」も楽しませて頂きました。傷を持ちながらも気丈に、労りいっぱいに育った姉が、同じく傷を持つ男性と出会い...と設定はシビアながら意外にも健康優良ラブストーリーでして、非常に面白かったです。ただ。最終話があまりに温く...まるごと要りません。彼氏が過去を乗り越え、それを行動で示した感動的な前話ラストで終わって良かったです。
日本映画は「ダンス・ウィズ・ミー」「犬鳴村」が心に残りました。

で。昨年のベストマイベストは...
タイドラマ「2gether」*。・+(人*´∀`)+・。*

リアルなタイのアッパーミドルの家庭に育った若者たちによる性別に囚われない青春群像劇で、まあ、いわゆる、ボーイズラブなドラマなのですが、何より、悩み、労り、時に突き進む、彼等の繊細な愛の綴りが、非常に素敵なのでした。
昨年の注目俳優は「ターミネーター・ニューフェイト」のマッケンジー・ディヴィス。
「キリング・イヴ」のジョディ・コマー。
「キャッスルロック」のリジー・キャプラン。
そして「2gether」のワチラウィット・チワアリー君です。

今年は映画「モンスターハンター」でタイの至宝トニー・ジャーが上げますよ~


さあて。世の暗さに負けない映画をお薦めです。

「ドーラといっしょに大冒険」
ドーラはお父さんとお母さんと共にジャングルで育った。お父さんの夢は、かのインカ文明の遺跡を発見する事。
しかしふたりはドーラを残して行方不明に成ってしまう。
ドーラはアメリカ、カリフォルニアの親戚の元へ。慣れない暮らしと学校生活に奮闘するが、思うは両親のことばかり。でもドーラはめげない。持ち前の明るさで人を惹き付けたり...嫌われたり...
そんな時、ドーラは謎の集団に拉致されてしまう。巻き込まれて同じく拉致されてしまった知人たちはドーラと共に脱出を図る。
気付けばここは...ジャングル?!
父の知人らしいアレハンドロと共に悪漢から逃げながら、消えた両親を捜す旅に出る。
分かりやすいほどに、家族向けの健康優良冒険映画の見本でした。
オリジナルはアニメ。知らなくても、誰でも一度は目にしたことが有るのでは?私もでした。
花の毒にやられて幻覚を見ているシーンで、みんながアニメに戻ります。

原作がこんな画ですが、観れば、アニメを良い具合に実写にした"良き再現度"に驚かされます。アニメの実写化に有りがちな"現実離れ"を極力避け、あくまで地に足の着いた冒険映画にしたところも凄く良いと思います。
また、映画版は多くの王道映画のシチュエーションを清々しいほどパクり...いえ、アレンジして再構成。これがとても心地良い。
「ジャングルジョージ」「ミーンガールズ」「グーニーズ」「ナショナルトレジャー」「インディジョーンズ」「ハムナプトラ」...それらを思い出させるシーンがいっぱい。良き抜粋、そして模倣なのですが、まあ当然、既視感が常に纏わり付きます。しかしそんなシチュエーションの繋ぎは非常に巧みでテンポ良く、めくるめく冒険譚として飽きさせません。
私としては、始まりの「ミーンガールズ」的なジャングル育ちの無垢な少女が文明社会で起こす騒動とサクセスを非常に楽しみたかったのですが、その描きがあまりにあっさりで、軽く"インストルメンタル飛ばし"されてしまったのが残念でした。
パーティでのドーラのダンスは最高です。ちんまり可愛く、器用でもどんくさく、非常に親近感が湧きました。:p
ドーラと仲間たちとアレハンドロ。「インディ」ばりの仕掛けやイベントは盛りだくさん。
映画のメインはジャングル冒険譚の方で、仲間との出会いを描いたらとっととジャングルに帰ります。
とは言え、どちらの描きも適切適度、強引な流れは無く、分かりやすく不足も無く、身を任せて楽しめます。非常に映像も美しく、ジャングルセットは密感に若干欠きますが、要所のクオリティの高さは見映えバッチリ。
様々な冒険トラップも、遺跡のセットも手抜きは有りません。
更に流砂対策などささやかな遭難レクチャー?も私達を楽しませます。しかし、そう言うエッセンスは少なめ。もっとたくさん観たかったです。いざと言うときの水や食料の確保、虫対策とか...そう言う要素を孕ませたなら、それは映画にリアリズムを醸し、"アニメからの実写化"とは言わせない力を抱かせたと思います。

悪漢たちは執拗にドーラたちを追い続けて来ます。
ドーラたちは仲間割れをしたり、絆を深めたりしながら、着実にインカの遺跡までの道にある謎を解き明かして行きます。
命の危機もたくさん。でも、諦めません。
猿のブーツ。ドーラの良き友です。ちょっとCGくさいですが、生き生きと動くせいか、生命力があり愛らしいです。

全体的にはコメディカルに作られています。銃やもっと過激な武器も出てきますが、それによって人が傷付く気配はそう有りません。

果たしてドーラはインカの謎を解き、両親と再会出来るか?そして...ドーラが手にするものは!

やはりアニメからの再現を意識した部分以外に秀でた個性に欠いていて、「ドーラ」は記憶に残っても、この映画のシーンが記憶に残るまでは無さそうです。
それにあくまで地に足の着いた映画にしたのに、敵側のキツネの現実離れしたキャラには違和感があり、折角の危機感や緊張感をそいでしまったように思います。
そうは言え、怪我すらほぼしない健康優良冒険映画なので、家族みんなで笑いながら観られる素晴らしい映画であることは間違い有りません。充分に満喫しました。
エンディングのミュージカル的ダンスシーンも爽快で気分上々です。

主演ドーラ役にイザベラ・モナー。
「トランスフォーマー、最後の騎士王」や「ソルジャーズ・デイ」、「インスタント・ファミリー」等で大活躍中です。
気の強い役が多かっただけに、今作のお惚けドーラ役は意外で新鮮、3倍可愛く見える事間違い無しです。


もひとつ。中国映画です。
「レジェンド・オブ・ゴッド、封神伝説」
長閑な山村。人々は生活に勤しみ、ある親子は川に漁に出る。
そんな親子を、巨大魚が目を付ける。
両親は喰われ、娘のセイランも絶対の危機に!
が、しかし、そこに現るは神の使い姜子牙(ジアン・ジャ)。彼はその力で巨大魚を撃退する。すると、河神が現れ、二人は壮絶な闘いを始める。姜子牙は打神鞭を使い、死闘の末、河神を山の洞窟に幽閉する。
しかし、彼等の闘いは、人々を撒き沿えにし、村に多大な損害を与えていた。
見かねた上級神の天尊は、姜子牙に15年の電雷の刑を言い渡す。
15年後。セイランは成長、逞しく可憐に育っていた。姜子牙への感謝を忘れたことは無い。
その頃、姜子牙は刑を終え、傷ついたまま地上の山中に解き放たれていた。そこに現れたセイラン。彼女は姜子牙を連れ帰り、看病する。
姜子牙は体力を回復していくが、神の力は失っていた。丁度、その頃、また巨大魚が河神の復活の為に血肉を集めようと村を襲う。
この作品は"太公望"として日本でも名の知れた、実在の人物"姜子牙"の物語...らしいです。
彼は後に神と成るのでしょう。
そう成ってからのファンタジー映画です。
映画は唐突に始まり、瞬く間にめくるめく闘いの物語が繰り広げられます。
触れ込みは神レベルの戦いを描くファンタジー映画。しかし、実際の映画規模は"レジェンド・オブ・ゴッド"と言うほどのものでは無く、まあ、"小競り合い・オブ・ゴッド"くらいです。
姜子牙が打神鞭を使い繰り広げられる河神との壮絶な戦いは、非常に美しい中国の山間を背景に行われます。
映像は非常に美しい。ただ...そこに飛び交う姜子牙たちとの合成がイマイチ安っぽい。ぐるんぐるんと画面は縦横無尽に振り回され、神の闘いの雄大な規模を見せ付けますが、よくある安易な3D映画のような撮りがいけないのか、全てがどうもちぐはぐで、バランスが悪いのです。闘いそのものも神レベルの大味、力業なので、時代遅れ感が溢れます。
ちょっと雑な動きは残念に感じさせられました。でもだからと言って映画の盛り上げが挫ける訳では有りません。
テーマは"神たる資格"。安易に"闘いに勝てば英雄"とは描かず、"闘いの犠牲"を身に刻み、悩み、選び、故に闘いに参じる姜子牙の姿を私達は目撃することに成ります。
「キャプテンアメリカ、シビルウォー」と同じテーマをシンプルにエンタに昇華しています。
自然破壊や乱獲を戒めるような台詞も有り、それはまるで自国中国のあり方への投石のようで、それこそ映画の映画たる意義。国のファンドに頼らず作ったが故に生まれた、世界への貢献です。
こう言った映画が現実を変えられたらと切に願います。

話運びに丁寧な紡ぎが無いので、置いていかれ感が有りますが、代わりにゆっくりキャラ立てをしているので愛着は湧きます。主人公の姜子牙は勿論、セイランも華を添え、物語を導いてくれます。村人たちは定型でしか有りませんが、それなりに個性立ちはしていて、姜子牙やセイランに絡んだり助けたり。ジョークも担い、村に生命力をもたらしています。
更に村人たちに警告し、姜子牙をけしかける狂言回しとしての役割の、土地神様が非常に愛らしく、その飄々とした立ち振舞いが、ファンタジーと現実を違和感無く橋渡ししています。
瓢箪を拡声器にして村人たちを支えます。役立たずながら憎めません。

村は復活した河神の襲撃に再び晒されます。
姜子牙は打神鞭を手にすれば神の力を取り戻せると信じ、別世界へ旅立ちます。
しかし願い叶わず。
姜子牙は、村人たちの為にその身を盾にします。河神を、ただ恐れるばかりの村人たち。
セイランは力を奮えない姜子牙の前に立ち「15年前、あなたは私を助けてくれた。今度は私があなたを守る」と身を投げ出します。
絆を描くそんな件りは、涙を誘います。
姜子牙は力を取り戻し河神との闘いに挑む。悟りを得た姜子牙は、この闘いをどう終わらせるのか...
河神。巷では"ピッコロ大魔王"と呼ばれているとかいないとか...

中国らしい世界観は衣装からセットからなかなか良いです。キャラも在り来たりながらウイットたっぷりで楽しませようと言う意識に溢れています。
最近の中国映画は多く、最近のチャウ・シンチー作品さえジョークが笑えませんが、本作は描きからベタで懐かしく、非常に愛らしいです。メローやセンチメンタルも中国ベタがなかなか効いていて、適度に味わえます。
役者は現代的手直し顔も少なく有りませんが、演技は丁寧、世界観を壊してはいません。
80~90年代の香港ファンタジーものが好きなら充分楽しめます。
余計な描きをバッサリ切って74分で描き切った大胆さも好感持ちました。
痛快ながら、意義あるエンターテインメントを楽しめました。


☆昨年は母のリハビリで終わった一年でしたが、今年は何かしたいとつくづく思っています。あれこれリセットしてしまったので何をすれば良いのやら...
先ずはダイエットかな...
毎年、言っていますネ(Tд Tゞ-☆
今年も、よろしくお願いいたします:)