ちょっと駄目映画。でも闘う姿が麗しい。 | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

私、格闘技を観るのはさっぱりなのですが、闘う人の姿に哀感を感じるのは好きみたいでして、かつては「ドラゴン×マッハ」「アルティメット」など、大好きな作品も数多く。
そしてまた、傑作では有りませんが、お気に入りが増えました。

タイ、中国、アメリカ合作映画。
「トリプル・スレット」
中国人資産家の娘シャオシャンは父の遺産を投じ、東南アジアの都市マハ・ジャヤの犯罪組織壊滅を目指していた。しかし犯罪組織のボスは、有能な傭兵コリンズを中心とした部隊を送り込み、シャオシャンの殺害を計る。コリンズの強引な奇襲は容赦無く、街は瞬く間に戦場と化し、シャオシャンは命からがら警察署に逃げ込むが、コリンズらは執拗に追い詰めてくる。シャオシャンはそこで元傭兵のパユとロン・フェイに助けられる。3人は大使館を目指すが、そこにジャカが現れる。
彼はパユとロン・フェイも参加したある作戦で妻を殺害され、激しい恨みを抱いていた。
何よりこの映画のウリは出演者。ポスターにも名前がずらずら。
主役のパユに「マッハ!」のトニー・ジャー。ジャカに「レイド」のイコ・ウワイス。トニーはムエタイ、イコはインドネシアの武術プンチャック・シラットを奮います。もうこれだけで大満足なのに、ロンにタイガー・チェンを配し、彼は華麗なカンフーを披露しています。
悪役側もしっかり格闘家を配役。リーダーに「スポーン」のマイケル・ジェイ・ホワイト、宿敵コリンズ役に「アサシン・ゲーム」のスコット・アドキンス、更に「チョコレートファイター」のジージャー・ヤーニンも参加していて、まあ贅沢の極み。"おそらく"他の人もプロレスラーやキックボクサーが入ってます。
みんな非常に魅せます。
左からトニー・ジャー、タイガー・チェン、イコ・ウワイスの3人です。
対する悪役。左から二番目がスコット・アドキンス、彼はトニー・ジャーに張り合う壮絶スタントを披露します。真ん中はジージャー・ヤーニン。タイのアクションヒロインです。世界進出してました。一番右がマイケル・ジェイ・ホワイト。彼はしっかりとした格闘技を披露。
彼が関わる映画はアクションシーンのキレが良いんです。

話はアクションスター映画の王道。悪が居て心優しき主人公が弱き被害者を救う「シェーン」タイプ。ただしちょっと違うのは、その基となる悪行のひとつに主人公も関わっていたこと。
初めに、ジャカが妻を失うことになる、ある作戦が描かれます。
如何にも正義に見える傭兵たち。パユとロンもガイドとして参加しています。あるキャンプに潜入し、彼等は駐屯する兵らを殺害して行きます。
そして露なる目的。捕らえられていた凶暴な男コリンズの奪還。その為には容赦無く、他の囚人たち、そしてパユとロンも見捨てられてしまいます。
そしてジャカの妻が命を落とす。彼はパユと一戦交えます。
そして戦いは終わり、凄惨なキャンプにひとり佇むジャカは復讐を誓います。
ジャカは情報を集め、ようやくパユとロンに辿り着き、ふたりが賭け格闘をしているのが分かると、その戦いに参加します。
ジャカVSロン。
必死のジャカは腕に自信のあるロンも苦戦、しかし何とかロンは勝利します。
パユとロンはジャカの思いを知ると、彼を説得するも、叶わず、ジャカは姿を消してしまう。

それから。何故、傭兵たちはコリンズを奪還せねばならなかったのか?
おそらく、そうしなければならなかったほどの計画が、シャオシャン暗殺なんだと思います。コリンズは大胆な身ぶりに言動で周囲を煽ります。仲間の傭兵たちは怯みこそしませんが、気負ってはいたでしょう。扮するスコット・アドキンス、非常に迫力が有ります。彼等はコリンズを中心に重装備をして暗殺に挑みます。
しかし残念ながら、中国側のセキュリティもなかなか...と言うより、たったひとりの女性ボディーガードが力を発揮、傭兵たちを牽制します。そしてシャオシャン脱出。
なんとテュクテュクで警察署に逃げ込ます。可愛くて思わず笑ってしまいました。

警察署での戦いは「そこまでやるの?」と観る方が焦るほど、大胆かつ派手。「ターミネーター」も真っ青の大惨事と成ってしまいます。
そんな中でシャオシャンはパユとロンと出会い、助けられます。パユとロンは絶対的正義では有りません。自らを守ろうと逃げる算段をしていますが、そこにシャオシャンが居ただけのこと。でも根は善人ですから、最後まで付き合っちゃいます。
タイ...おそらくロケ地タイの路地を、縦横無尽に走り抜け、3人は大使館へ向かいます。しかし、敵の洞察力は上を行く。何故、こんなにも完璧なのか...それはジャカの存在でした。彼は思惑を胸に傭兵たちと手を組み、サポートしていたのです。
しかしジャカはパユたちにも接触、「標的はコリンズたちだ」と告げます。
パユらはひとまず「腹が減っては戦は出来ぬ」と、閉店後の食堂で腹を満たします。当然?パユがトムヤムクンを作ります。この時のウイットたっぷりのトニー・ジャーが非常に可愛いいです。
そして、覚悟を決めた一行は、最後の戦いを前に銃を手に入れ、一大決戦に挑みます。
ふと...
あれ?あんまり格闘してない。...この映画、唯一の無念は格闘家が勢揃いなのに、その格闘シーンが非常に少ないのです。
オープニングは基本、銃撃戦。唯一のトニーVSイコは圧倒的ながら短い。そして賭け格闘シーンはトニーもタイガーも魅せますが、無敵ではない演出をしてしまうので、結構ふたりともやられます。イコは欠片程度の活躍でまだアイドリング中。
そうして警察署襲撃ではジージャーが小気味良いアクションを魅せますが、瞬く間に翻され、更に壮絶な顛末に...
その後は街を、走るは走る。...観たいのは超絶アクションなのに...

とは言え、味わい深い台詞、愛らしい触れ合い、駆け引き、そしてテンポの良さ。派手な銃撃戦、カットの長さの配分が丁度良い格闘アクション...それらは充分、楽しめる作品に仕上げられています。
また、最後の決戦は非常に面白い。罠を仕掛け、仕掛けられ、更に手の内が全て曝されてからの徹底総攻撃は迫力満点。弾丸飛び交い、また男たちの血潮と熱き心がぶつかり合います。

...でもやっぱりアクションが足りない。ひとりなら良かったのにたくさんに成ったのだから、3倍、10倍にして魅せて欲しかった。
呆気ないお亡くなりが多く、やっぱりちょっと勿体無い。
しかし、トニー・ジャー世界進出の足掛かりとしては充分。拳を受けるスコット・アドキンスがまた素晴らしく、ほんの数年前のジャン・クロード・ヴァンダムに持ち上げて貰っていた頃が懐かしいです。だって今や彼がトニーを持ち上げているんですもの。
そしてイコ・ウワイス。「22マイル」では非常に美しい舞いのような格闘術を披露していましたが、今作では顔見せ程度。アイドリングのまま終わってしまいました。しかしその可能性を垣間見せ、次の作品への期待を香ぐわせる布石と成った事でしょう。
もし次回作が作れるのならば、ぜひ、観てみたいです。アジアを舞台にアジアの役者が主人公として活躍する、そしてマイケル・ジェイ・ホワイトやスコット・アドキンスが支える、なんて贅沢か。素晴らしい映画でした。

最後に。ちょっと気になったのは、中国の描き方。なんでしょう... 世界を席巻し「私達が彼等の経済、治安を良くします」と、あれこれ上から目線なのは、観ていて... 複雑な思いに成ってしまいます。「沈黙の大陸」などでも、アフリカを支配する勢い。スーツを着込んで民度の違いをひけらかしているようでした。何か...同じアジア人として恥ずかしささえ感じてしまいます。
他国に行く映画は、相手の文化の中に居る異邦人であるからこそ物語として面白いように思うのですが...「ダイハード」でアメリカ人は日本人をどう観ていたのでしょう?
「ラスト・サムライ」や「ウルヴァリン・サムライ」は異邦人は最後まで異邦人だったからこそ、映画の醍醐味が有ったのでは無いかと思うのです。
映画の中の中国上位が、差別や偏見の視点で無い事を期待します。


次の映画では美しい女性が頑張ります。
オーストラリア映画。
「リトル・モンスターズ」
デヴィッドはロック歌手を目指しているが、さっぱり目が出ない。更に恋人には浮気されてしまい、デヴィッドは姉の家に転がり込む。彼は姉に申し付けられ、甥を保育園に送ると、そこの先生のキャロラインに一目惚れ!
彼は甥に託つけて、遠足に同行する。
しかしその頃、軍の研究施設では試験体が逃亡、次から次へと人間を襲ってしまう。更に襲われた人はまた人を襲う事態に。
そして"それら"は遠足を楽しむ子供たちの居る、動物園に迫っていた。
闘う映画。:p
実際は、シンプルな研究所型ゾンビ映画でした。更にコメディ仕立てです。
まあ、ホラーと言うものは、多く、カタルシスに満ち満ちているものですから、映画としても盛り上がろうもの... の筈なのですが、この映画、何しろ主人公が駄目。魅力があまりに有りません。駄目もここまで駄目だと、それだけで観るのを止めたくなります。
でも、ちょっと待って!
キャロライン登場まで待ちましょう。
演じるルピタ・ニョンゴが駄目デヴィッドに引き立てられて?非常に麗らかな華を振り撒きます。
明るく朗らかで、良い意味で肌の色も手伝って周囲から浮いていて、まあ、愛らしいです。
しかし、そんな彼女も無垢?な子供たちごとゾンビの魔の手に晒されます。
デヴィッドとキャロラインは子供たちを守ろうとボケたっぷりに奮闘します。ただし、彼等は子供と一緒の遠足中、セオリーの"銃"など有るわけもなく、此処彼処に在るものを必死で掴み、振り回して闘います。
ゾンビはかつてのスローゾンビ。だから銃無しでもそれなりにサバイバル可能。故にスコップから何から様々な道具で結構なバイオレンスアクションを披露します。子供の視聴を意識しているのか、軽いノリながら、闘いのエフェクトは非常にグロテスク。凄惨です。
何しろ、ルピタが頑張っています。彼女の為の映画だと言って良いでしょう。
デヴィッドは、前半は...いえ、概ね駄目キャラです。そこにもうひとり、子供番組のホストが加わります。こいつがまた...ゲス。
またもや駄目男で、非道な行為は躊躇わず、なのに泣き言まで撒き散らす面倒くささ。最後までゲスのまま、憐れを晒します。
やはりルピタ頼み。
しかし、子供たちが足を引っ張って、ゾンビに囲まれた動物園施設から出られない。更にキャロラインは子供たちを怖がらせないようにと必死で、映画方向転換の"対子供の低温ジョーク"に時間を割きます。お陰で中盤が絶望的に面白くない。更にデヴィッドから誰彼と、ぐたぐた嘆くわ、あれこれ無駄話を溢すわで、ホラー以外に時間を掛け過ぎです。
品の無いジョークは尽く呆れるし、子役の演技は巧みさなど無く、台詞も棒読みなので初めこそ可愛らしく見えても、その悪夢の中盤には、台詞が長い度にダレてダレて、悶えるほど。
「ゾンビ見せて!」そう何度、嘆いたか。
それでも合間には色々有って、ルピタもこんな有り様に...

この映画の"駄目さ加減"はわざわざやっている感じ。そう割り切るとそれなりに悪くない。
ただホラーを楽しませる気は基本無いので、そこに期待している人は覚悟をしなくちゃいけません。
それでも、ゾンビメイクはなかなか。ゴア映像もそれなり。クライマックスはなかなかの見せ場も有ります。
ちょっとしたジョークが愛らしいシーンも有ります。このシーンは地味に笑えます。
子供は無敵。健康優良展開に緊張感は萎えますが、故に観る人を選びません。
派手なクライマックスはありません。解決は呆気ないです。でも、不思議と見届けた達成感の有る映画でした。
そして繰り返しますが、ルピタ・ニョンゴに尽きます。

気のせいか、一般人にしろ軍人にしろ中国人率高く有りません?
...オーストラリアもか。


☆Aujourd'hui, c'est mon anniversaire!Σ( ̄□ ̄;)
...週末はあちこち歩き回っておりました。
彼岸花です。綺麗でしたよ~。
前回と変わらないフォトに成ってしまいました。違いと言えば、寒くなったので、埋もれていても大丈夫なくらい?