性別適合手術後、19日目。泣いてしまいました | まりのブログ

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性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

希望は人を生かす。
いかなる不幸にさらされても、希望が有れば今を見失わない。
ただ、もし希望が無いと知った時、人は失意に泣き咽ぶ。怯え、苦しみ、打ちひしがれ、心に氷の城を築く。
大きく厚い扉を閉ざし、怒りにも似た思いを胸に、こう口にする。
これでいい。これでいい。
どんなに冷たい風が吹き、この身を凍えさせようとも、これまでよりはまし。
希望にすがる内に、たくさんの事が出来なくなっていた。
勿体無いよね。
私にはもう何も要らない。
私はひとり、気にすることなんて無いさ。飛ぼうとすれば、何処までだって飛んでいけるのだから。
私は自由になった。ただそれだけのこと。
躊躇い、悩み、傷付くのはもうこりごり。
これは私の本当の姿。恐れを知らぬ私。
世界がどんなに私を笑おうとも、世界がどんなに私を蔑もうとも、世界がどんなに私を哀れもうとも。気にしない。知ることもない。
これでいい。
私はきっと、これでいい...

そう、言い聞かせながら、また希望を抱く。



Je prie le ciel  que je veux passer une bonne journee...
私は天に祈る。良い1日を過ごしたい、と。


朝食はシリアルとミルククリームパンとバナナ。

起きて直ぐ、私は患部の状態を確認しました。
全体的に腫れは引いたと思います。
問題は3つ。
小陰径の一部がまだ少し赤らんでいること。
クリトリスの先端がまだ治癒し切れていないこと。
左側の小陰径が上下2つに別れ、下側が左に比べ小さく、治癒していないこと。

1つ目と2つ目は時間の問題ですが、3つ目は問題事項。理想視するなら、正直、不恰好です。
...こんな事、話すべきじゃなかったかな...
でも私は全てを書くと決めたのです。
私はある意味、本当にヘドウィグに成ってしまうかもしれません。
分からない。だから私の明日が心配です。


現地時間11時。
今日のダイレーションは辛い。
全く入りません。外部の回復は甘いくせに内部はそんなにもして閉じたがっているのか、自分の体ながら信じられません。
10cmですって、奥さん、信じられます?
まあ、信じられないわ~
ω<。)
12cm限界、押し込んで、維持できない13cm。はあ~。
ぐったり。

途中、新しい日本人の方が抜糸と消毒をしました。
腫れも無く、綺麗に出来上がっているそうです。
う~ちょっと嫉妬。
私もさ、決して若くはないしさ、美麗の女性器なんて要らないのよ。でもね、例えば、患部を消毒しながら生活しなくちゃいけないとか、出血の危険を抱えてたりとか、そう言う不具合と共に生きるのは辛い。
18とかでSRSが出来る子らが羨ましい。私には知識もお金もなかったもの。
悲しくなっちゃう。
何しているんだろう...私。
もうすぐ看護婦さんが来るのに、涙が溢れてきちゃった。
堪えようと試してみても、心の芯を失ったみたい。
涙だけは、これ以上やめて。
でも胸が震えて、体に力が入らない。ただ、零れる涙雫。
止まらなくなっちゃった。もう二度と泣きたくなかったのに。
私の中に僅かずつ溜まっていても、希望と幸福で蓋をして来た感情。それが、溢れだしました。
体の回復なんてどうする事も出来やしない。私にはどうする事も出来やしない。あと数日しか無いの、お願い、治って。
零れた涙が乾く頃、看護婦さんが来ました。笑顔を携え、私の患部を癒してくれます。
どう?私のそれは普通なの?
何事も無ければ、きっと自信ばかりが膨らんだろう。でも、私は違う。橋の欄干を渡っているかのよう。
私は余裕さ、挫けない。
でも一歩間違えない保証はない。
あぁあ...また溢れ出す、癒えない感情。
私はただ言い様の無い感覚に喘ぎ悶えるしか出来ない。

いけない。私がこんなでは後から来る者に示しがつかない。
深呼吸。
いくらしても足りないけれど、少しは私の心を誤魔化せる。

久しぶりに泣いちった。そうでもないか、私、泣き虫だもんね。でも、泣くしか出来なかったのは久し振り。


お昼はモールのタイ料理屋さんへ。
そこでトムヤムクンを懲りずに食べました。
ここのトムヤムクンは魚の擂り身が入っているので海鮮ダシのよう。
別途付いたもやしとライムを足して食べました。さっぱりちょい辛で、美味しかったです。少しさっぱりし過ぎかな?
アテンドさんの海鮮チャーハンには謎の筍みたいなものが。
「その大きいの筍ですか?」
「いいえ、バナナの花みたいなものですよ」
「え?食べられるんですか?」
「僕は苦味があるから苦手ですが、好んで食べる人も多いです。食べます?」
「そう?では」
バナナの花を初挑戦。
ひと口。
...特に変でもない、筍のような...花弁のような...少し灰汁があるような...
「まあ、食べられますね。少しバナナっぽい感じも残っていますよ。どう言えば良いかな...灰汁のあるバナナみたいな。でも実じゃなくて皮ですね」
しかし食べ進むと灰汁っぽさがはっきりした苦味になりました。
残した根元は時間が経つと黒ずんで、紛れもなくバナナでした。
100バーツ。


最近は疲れ易いようで、お昼の中休みは眠り込んでしまいます。
今日は特に疲れました。Zzz...


現地時間16時。
相変わらずのダイレーションです。
入れは決してスムーズでは無く、朝よりはマシくらい。またもや看護婦さんは11cm止め。
私が捩じ込んで押さえ込んで、何とか13cm。やはり押さないで維持はできません。
これではさすがに1年掛かります。
1日1時間を2回とは言いますが、もっとやらないと。
ジェルとか何たらと、お金も掛かります。私の場合、消毒に軟膏も必要でしょう。
気が重くなることばかりです。


夕食はお腹がどうも減らなくて、アテンドさんに言ったら「え~、実は僕もなんですよ」と膨れたお腹をさすります。
よって、無しにしました。
部屋に戻ると、私は映画を次から次へと見ました。
「ジョニー・イングリッシュ」とか「空飛ぶペンギン」とか、いかにも退屈そうな作品を。
でも、残念ながら、どちらもなかなか面白い。
参っちゃう。
世界は捨てたものじゃない。
きっと明日には、奇跡が起こる。
そう信じて、今は眠ろう。

良い夢を。



追記。
つらいことも有るけれど、私は元気です。