まりのブログ

まりのブログ

性同一性障害者の私が、思いのままに生きるために頑張って生きてます。
性別適合手術をしてから2年になりました。
私はトランスジェンダーとして誇りを持って生きてます

Amebaでブログを始めよう!
一時帰宅を経て、今、また入院しています。
既に3度目の抗がん剤治療が始まりました。
今回は何故か、眠く成ります。一日中、目がきちんと開きません。
抗がん剤の作用で便秘になり易いので、薬を服用していたのですが、その副作用かもしれません。
それから昼間に目が霞むんです。こちらは抗がん剤の副作用の可能性が有ります。一時的な光視症かもしれません。
お陰で昼間に眠くは成るわ、目がぼやけるわでブログが書けない...

が...頑張りました...(T^T)。
相変わらずの字幕無し視聴。超訳有ります。更にライヴから更に遅れてます...

「F4 Thailand」第八話
レンの心の傷を癒そうとゴヤーは、心から彼に向き合った。しかしそれがタームの心をざわつかせてしまう。更に彼は弁解めくゴヤーに怒りさえも抱えてしまう。
レンはゴヤーに向き合い、これからどうすべきかを模索。しかしゴヤーの心には自分ではなく、タームが居ると痛感させられる。
ゴヤーもそれに気付き、タームのことを見つめ直す。そして、刻んできた思い出がどれだけ自分に大切なものに成っているかを確認する。
タームは、ゴヤーの気持ちが自分に向いている事を知ると、改めてゴヤーと約束する。
「もう暴力は必要ない。赤紙も絶対に有り得ない」
しかし、帰宅すると、そこには来客が居た。

ゴヤーは、どう見ても友好的な話をしに来たようには見えないタームの母ロサリンを前に、どうしたら良いか分からずに居ました。
「ミズ、ロサリン、あれがゴヤーです。私の...」
「分かっています」
「...あ、ゴヤー、こちらはミズ、ロサリン...」
「知っているわ、お父さん。で、何か用ですか?」
「どうすればこんな生活に甘んじていられるの?この家はとても狭いし、古くて、カビ臭い。さぞや落ち着くんでしょうけれど...」
「用件を言ってください」
「あなたはより良い生活を望んでいる。違うかしら?だから私の息子を取り込もうとしている。私はこの種の輩との付き合いを止めさせたいの。だから、簡潔に質問するわ。幾ら欲しいの?私の息子を幾らで手放してくれるかしら?」
動揺するゴヤー家。
「あなたはそれがあなたの家族のために成ることだとお思いなんですか?これまでも、きっと、全ての問題をお金で解決してきたんですね」
「1万」
さすがに色めき立つゴヤー家。
「もしあなたが了承するなら、明日にはこのお金はあなたのものになる」
「まともに話をさせてください。私は決してタームを取り込もうなんてしていません。私達は恋人でもないし、何もないわ。それにお金があったって私達の関係はどうにも出来ないわ」
「5万でどうしら?」
「これは"幾ら"の話じゃない」
「そうかしら?その手のお金はこの家より価値があるわ。エゴだけでは腹は満たされないもの」
「私はお金の話はしたくない」
ゴヤーの母が耐えられず、机を叩く。飛び上がるグラーカーオ。
「もういい!何が問題なの?!突然、うちに来て、金でうちの娘を買うみたいな事...私達は下衆で、あなたは上界の天使だとでも?あなたには人を平等に見ることが出来ないのね」
「タームとあなたの娘との間に、何か等しい部分が有るとでも?」
ゴヤーの母は、怒りを抑えきれず、茶をぶちまける。動じず、睨み返すロサリン。
「見なさい、あなたは自分を尊大だと思っている。でもね、それも終わり。あなたも私もどちらも臭いクソを出すわ」
「ナンプラーのせいじゃなくて?この腐った家にはお似合いね」
「あなたの腐ったハートよりはマシよ。ナンプラーの酷い臭いさえ、あなたの卑劣で不快な心には、敵わないわ」
グラーカーオはそんな母に嬉々とする。
「ワオ!すげえ!」
「お帰りを。私達の家は、あなたのような人を歓迎していません。あなたにはその頭を使って理解しなければならない事がたくさん有るわね。私はまずしいけれど、素晴らしい良き娘を持てて誇らしいわ。私の娘はあなたの腐ったお金を決して受け取らない。分かったかしら?」
「...それは残念。確かに。今日は、あなたたちの言うように、金で話を付けに来たの」
ゴヤーはふと、用意されたような鞄が部屋の隅に置かれていることに気付く。
「いいわ。私達はあなたの下らない尊厳で、あなたが何処まで出来るのか、見ているとしましょう。...平等とはただの美しい言葉。あなたのような人のために有り、どんなに頑張っても手にすることはない。あなたは、タームと釣り合うことなど、決して無いわ」
ロサリンは捨て台詞を残す。
「ママ、君には驚かされるよ!」父は興奮。
母は...「気絶しそう...」
「切れ味、抜群じゃん!」グラーカーオも母の勇姿に興奮を抑えられない。
「きゅ、吸入器...」
「座って!」
ゴヤーはパニック状態の家族、そして母を前に「ありがとう、お母さん。見事な最低野郎だったわ」
皆、達成感と共に安堵に胸を撫で下ろす。
「ねえ、この家にトラブルでも有ったの?」
「なんで?」
「だって、出掛けるみたいに鞄が...」
家族は顔を見合わせ、父が語り出す。
「実はお前が帰って来たら言うつもりだった。ゴヤー、先ずは聞いてくれ。実は私の会社が潰れてしまった。為す術も無くてな。私達は全ての収入を失ってしまった」
凍り付くゴヤー。

その頃、F4はクルーザーで浮かれていました。
揚々と楽しむカウィンとMJに比べ、タームはイマイチ乗らない。レンもスケッチブックを手に、自分の世界に居るようだ。
ふたりはまだ喧嘩をしているかのよう...
案じるカウィンとMJでしたが、タームはレンに飲み物を渡すと、ふたりは笑顔で乾杯する。
カウィンとMJは復讐とばかりに、タームに、ゴヤーとのことを冷やかします。
「いいのか?放っておいて」
タームは焦らし作戦をしているのさ、と強気に言い放ちます。 

しかし。タームは学校でゴヤーに会えません。家にも行きますが、彼女は居ない。
その頃、ゴヤーは働いていました。
すれ違うふたり。
「あいつに何があった~!」タームの叫びは空しく響きます。
カウィンはタームに駆り出され「なんで俺が...」と嘆きながらも、花屋へ。
カウィンは店に居たカニンをからかいます。
「君のためなら何でも手助けするよ。僕の恋人だから」
「なに言ってるのよ」
...ふたりの関係はあの日以来、良い感じです。ジョークも通じますし、何より、笑顔が絶えません。そして、カニンはカウィンを信頼しているから、親友に起こった事態を話します。
「幸いなことに、彼女のお母さんは果樹園を持っていて、両親はそこに戻ることを決意したみたい。グラーカーオも学校の休みには両親の元へ...」
そしてカニンは、ロサリンがゴヤーの家族にした事も話します。
カウィンはショックを隠せません。そしてカニンからゴヤーの父の会社名を聞きます。

タームはカウィンから、全ての真相を聞かされます。調べあげられたロサリンのした最悪の仕業を、タームはロサリンに突き付けます。
「うちの関連会社が潰したんだ」
しかしロサリンは全く動じない。それどころか、タームの恋を下らないと叱責し、会社のために成らないと諭します。
しかしタームは自分が会社に関わることはないと断言し「俺が彼女を助ける。俺には出来ないかもしれない...でも、やってみせる」
タームの姉のティアは、そんなタームの自由な人生を願い、ロサリンに乞いますが、ロサリンは「あなたたちの幸せがあるのは何のお陰かしら?いかなる時でも、私のプランは完璧でなければならない」
「でも、今回のことは行き過ぎだと思います」ティアの思いはロサリンの耳に届いても、心にまでは届きません。

ゴヤーは両親が順調に田舎生活を満喫している事にホッとしながらも、幾つもの解決出来ぬ心配事に心悩まされる日々を送っていました。
そんな時、何者かの気配が。
ゴヤーは身を隠し、密かに自宅へ逃げ込む...背後に殺気!
ゴヤーは蹴りをお見舞い!いや、避けられた!続けて拳!
ドゴッ!
「おい!何てことを」それはタームでした。
「ごめんなさい、だ、大丈夫?」
「俺は家に帰ってきただけなのに、よう」
「何を言っているの?あんたの家はここじゃないでしょう?」
「俺は新しい住みかを見つけたのさ」
「新しい住みかって、ここにはコンドミニアムもホテルも無いわよ」
「確かにこの辺りにはコンドミニアムは無いから、家を買った」
タームは、鍵を見せびらかし、向かいの家の"売家"の札を外す。

「はじめまして、お隣さん」
頭を抱えるゴヤー。
「行きすぎよ、家を買うって、その為に簡単に数百万を費やすなんて...あんた、おかしいんじゃないの?」
「まあ、この家は...なかなか良いだろ?これは、別荘だな」
「別荘?」
「ああ」
「見なさいよ。あんたの家に有るようなものは何ひとつ無いのよ。あんたがこんなところで住むなんて出来やしないわよ。ましてや別荘ですって?」
「お前がどうしたのか分からなくなったからじゃないか。俺が知っているのはお前とお前の弟がここに住んでいることだけだ。俺がどれだけ気に掛けていたか分からなかったのか?お前は問題を自分だけで解決して、誰も巻き込まないようにして、そんな奴だと分かっているけれど、俺は、お前に何かが有った時に傍に居なくて助けられなかった。...俺は、安心したいんだ。お願いだ、ゴヤー。俺は君のためになりたい。約束するよ、これ以上、踏み込まないから」
「...あ...あなたがここに住みたいなら、住めばいいわ。でも、分かってる?あなたは誰かを気に掛ける前に、自分のことを何とかしなさい」
「俺はタームだぜ、何が来ようとも、俺に出来ないことは無いさ!」

その夜...
「ゴヤー!」寝ているゴヤーはタームの声に飛び起きる。「ゴヤー、助けてくれ~!」
駆け付けると、タームが洗濯機のホースを手に、床も自分もびしょびしょに成っていました。
「洗濯したいだけなのに、何でこうなるんだ?」

「ゴヤー!虫が居るんだ!」
「ゴヤー!アイロン掛けたら穴が空いた~!」
「ゴヤー!」「ゴヤー!」「ゴヤー!」
...ゴヤーには、もう今までのような穏やかな夜は訪れそうに有りません。 

「どうしたらいい?カニン。もう巨大な赤ちゃんが居るみたい...これは異常よ」
ここは学校。テレビ電話の向こうのカニンは、応援するばかり。
「でも疲れたの~、もう駄目~」
「私に言わないで。あなたはタームが嫌いに成ったの?」
「...ううん」
「彼は悪い人ではないわ。彼は彼なりに
うまくやってる方じゃない?...あ、私、行かなきゃ...ゴヤー、頑張れ!」
「...ありがと」
はふ~...溜め息。
突然、ざわめきが起こります。誰が用意したのか、タームの等身大パネルが置かれています。
「もうすぐタームの誕生日よ~!きっと今年は大規模のパーティーを開くと思うわ!」
見ればTVモニターもターム、何故か垂れ幕が...ターム。みんなターム、ターム!ターム...
「いや~!」ゴヤーは頭を抱え、悲鳴を上げる。

タームはティアとの連絡を取っています。ティアは「ふたりを全力で応援するわ」と、立場上では支えに成ってくれます。
...あのロサリンを前にしてどれだけ出来るかは分かりませんが...
「心配しないで」
そんなふたりの対話を楽観に感じたのか、カウィンらは案じます。
しかしそんなことなど気にもせず、タームは自分の誕生パーティーに思い巡らせています。
「特別なパーティーにするんだ。その為に、ハイクラスな人達を集めよう」
「おいおい、そう言うのは卒業したんじゃなかったのか?お前の母さんの思うツボじゃないか」
タームは全て分かった上で、何かを計画しているようです。
「で、先ずは新居祝いパーティーをしよう。だから、模様替えを手伝ってくれよ」
「マジ?」
「しばらくここでゴヤーを守らなくちゃいけないからな」
「 逆にゴヤーを悩ませているんじゃないのか?」
「もしここでトラブルが起きたら、お前らは俺を助けてくれるか?」
「分かってる。当たり前だろ。で、何処だ?パーティーは?」
「食い物ねえの?」
「俺たち、飢えてるんだけど」
「分かったよ、俺が作る」
「え~!タームが作るんだってよ」
...GMM宣伝タイム!今回は、タイドラマ好きならご存知、OKラーメンです。いつもより美しさには欠きますが、タームにしてはなかなか頑張りました。タイではヤムママーと呼ばれているようです。躊躇わず野菜を入れて作る海鮮汁無しサラダ麺。ナンプラーや唐辛子などもバッチリで、更にトムヤムクンラーメンを使えばなかなかの辛さ。この辺りは好みで調整。
ヤムは和えると言う意味で、ママーはインスタント麺の事です。
ただし、今回のタームによるラーメンは汁有りのようです。

「ラーメンはTVを観ながら食べるのが粋なんだよ」

その頃、ゴヤーはティアから贈られた、タームの誕生日パーティーの為のドレスを眺めながら、喜ぶに喜べず、持て余していました。
グラーカーオは「すげ~、まさにプレミアムだね。きっと綺麗だよ...なんでそんな顔をするんだい?」
ゴヤーは自分にこのドレスやパーティーは不相応ではないか?と心配しています。
「タームのパーティーに行きたくないの?」
「どうしたら良いのか分からないの」
ゴヤーはロサリンとのあのやり取りを思い浮かべます。
「それに、私には乗り越えなくてはいけないものが...」
「ねえ、姉ちゃんさ、問題は一歩一歩、向き合えばいいんじゃないかな。それに、ひとりじゃないんだよ。姉ちゃんを悩ませる複雑な問題は、きっとゆっくり解決するさ」
「あんた、カニンみたい。...ありがと」
姉弟の絆を再認識するふたり。
が。
「ゴヤー!何とかしてくれ~!TVが壊れた~!」タームが飛び込んでくる。
ゴヤーはタームを追い返しますが、ティアからのドレスがラーメンの汁で汚れてしまいます。

ゴヤーはクリーニング店に駆け込みます。
「600?何で?料金表には300バーツって」
「これは難しいんだよ、なんなら自分でやるかい?」
悄気るゴヤー。店員は怯まず強気。
そこにバイクでやって来たメガネの青年が覗き込む。
「それはおかしいんじゃない?僕が似たような染みのドレスを持って来た時、ここのオーナーは300バーツしか請求しなかったよ。何故、値上がってるの?」
「何故って...染みが小さかったんじゃ?」
「いいや、同じくらいだったよ」
店員は目に見えて落ち着かない。

「なら、オーナーに電話しよう」
「分かった、いいよ。300でやるから」
店員はしぶしぶドレスを受け取る。
「ありがとう」
「...ねえ、もし納得が行かなくても、そのまま受け入れた方がいいと思うよ」

ゴヤーは仕事場でも、厄介なほど悩みます。
自分とタームの不相応。
ロサリンの言葉が忘れられない。
カニンと叔父さんの言葉も、良き想い出の話さえも、ゴヤーの心を楽にはしません。
「難しいわよね。今までのあんたなら一生かけても経験しないような災厄に見舞われて砕き潰されたんだから」

朝。ゴヤーは学校に行きます。下階に降りて来ると、タームとグラーカーオが楽しそうに話している。
タームはゴヤーに気付くと、用意した食事を見せびらかす。
...GMM、CMタイム!以前、タームことブライト君は練乳のCMをしていまして、その時は揚げドーナツに掛けていました。
今回はパンに。
ゴヤーは、和む良い雰囲気に、少し、気持ちを楽にします。

ゴヤーは学校で、ゴミ捨てをする間、スマホでクッキー作りの動画を見ています。
すると聞き慣れた声が。タームです。
F4は空き部屋で寛いでいるようです。タームはマッサージチェアに座り、上天気。
「俺さ、固いベッドで寝てるから背中を痛めちゃってさ。いや~、この椅子は最高だな」

「勿論。数十万するからな。うちの家族からの寄付に感謝するよ。空いた時間に好きなだけ利用出来る」とカウィン。
「理に叶ってるね。ま、俺達が寄付出来るのは...ひとつ。とにかくゴヤーを騙す良いアイデアかな?」
「俺みたいなのがどうすればあの家に住めるか?俺は固いベッドに耐えられるが...服はどうしてる?」
「服は洗わなくちゃいけないんだ。俺は何日も苦しんだよ。だがな、今、俺には計画がある」
「何さ、説明しろよ」
「難しい事じゃない。ただゴヤーが眠るのを待つだけさ。そうしたら俺は全ての服を家に持ち帰り、朝にまたあの家に持ち帰ればいい。簡単なことさ、問題ないね。重要なのは、ゴヤーに分からない内に完璧にやって、ポイントをゲットする必要があるって事さ。へへっ、彼女は馬鹿だからな、俺の計画を察知することも出来ないさ」
ははははは!高らかに笑うターム。ひきつるF4。
「あんたはその馬鹿者の手で死んだことがあるか!この策士殿!」
ゴヤーは手にしていたゴミ袋でタームを叩きのめします。
「やめてくれ~~!」
「私が馬鹿ぁ?!」
「やめ~!」逃げ出すターム。
「何処に行く!戻って来い!」
ゴヤーの怒りの声は学内に響き渡ります。

ゴヤーはまた悩みの坩堝に。
ゴミをゴミ捨て場に運んで来ます。するとそこに誰が捨てたか、タームの等身大パネルが在りました。
ゴヤーはその顔に悪戯書きをします。
「何をしているの?」
ビビるゴヤーが振り返ると、そこには見覚えの有る顔が。あのクリーニング店で助けてくれたバイク乗りのメガネ君。
「ああ、あの日のライダー君ね。どうしてここに?」
「僕は学生だからここに居るのは同然さ」
「世界は狭いね。あの日はありがとう。でも、同じ学校の生徒なのに見掛けなかったわね」
「大したことじゃないさ。奨学金でここに編入して来たんだ。それに僕はリッチな奴等が嫌いだから、自分を守ろうと努めていた。僕は誰かのようには目立たないからね。ゴヤーさん」
「私の名前、知ってるのね。...で」
「僕の名前はタレイ」
タレイは手にしたゴミを捨てようとする。
「これは?」タレイはタームのパネルの悪戯書きを指摘する。「君はF4が好きじゃないんだね?」
「そうね。私は彼等を憎んでいるわ。彼等は"馬鹿!"だからね。なのに彼等は自らを賢いと思ってる」
「だね。でも僕たちは彼等に何も出来ないのが現実さ」
「確かにね。もう怒りが溜まってやんなっちゃう」
「ね、もう少しやってみない?」タレイはタームのパネルを抱えて、如何にも「やっちゃえ!」と構えます。

「さあ」 
「何?」
「このくらいじゃ充分なダメージじゃないよ。だろ?」
ゴヤーはタレイのノリに合わせ、タームのパネルの顔にパンチを繰り出す。続けて得意の蹴り!
最高!
「こら!何をしてるの?!」
ふたりは顔を見合わせると逃走。先生に追い掛けられてふたりは何とか逃げ延びて、タレイのバイクでゴヤーは帰宅します。

...タイでは50ccのバイクで2人乗り平気です。子供なら3人乗りだってやっちゃいます。またバイクの運転もなかなか凄い。普通の車間距離程度なら、その隙間にがんがん車線変更して来ます。またタイ人のおおらかさの素敵なところは、誰ひとり、クラクションを鳴らしません。
「事故ったら、自己責任」
だそうです。また、タイ時間と言うものがあり、タクシーなんかに乗って「急いで」とか「渋滞なんとか成らないの?」と問えば「お客さん、何処の人?」「日本だけど」「ああ、やっぱり。日本の人はみんな急いでるよね」と解決しない会話をさせられます。
と思えば「お客さん、ちょっと寄り道するよ」と言って客を乗せたまま屋台で買い物して、家族に弁当を届けたりもしちゃうそうです。最近はそんな"言い値タクシー"を嫌う人がタイにも増えていて、メーターのタクシーも増えているようですが、話によるとやはり「ちょっとメーター止めるね」なんて強引行為であまり事情は変わっていないようです。
それでもちゃんと目的地には届けてくれるので、気長に気楽に付き合いましょう。本当に急ぎの時はバイクタクシーを利用しましょう。巧みな操車技術で、こんなとこ行ける?と思うほどの車と車の隙間を縫うように走り、まっしぐらで目的地へと届けてくれるでしょう。
タイ時間は重要インフラの鉄道にも有り、発車時間は守られる方が少ないそうです。

「送ってくれてありがとう」
「大したことじゃないさ。あ、君、仕事を探してるんだよね。僕、助けられるよ」
「ありがとう、タレイ。あなたはもう、すごく助けてくれてるわ」
「僕らが助け合わなきゃ、誰が助けてくれる?」
「確かに。学校じゃ誰ひとり私なんか...」
「あのリッチな奴等じゃ有り得ないな」
そう残すと、タレイはバイクを駆り、行ってしまいます。

リッチな奴等...ゴヤーの頭からはいつまでもロサリンの言葉が消えません。
ゴヤーはタームの家に赴き、ティアから贈られたドレスを返しに行きます。
ゴヤーを迎えたのは家政婦長。
「これをティアに」
「ティアはここに居ません。海外に行かれています」
「なら、彼女に伝えてください。私にはこのドレスを着る事が出来ません、と」
「残念ね」
「え?何です?」
「何でもないわ。パーティーに参加しないことをティア様に知らせて欲しいですか?」
ゴヤーは頷きます。
「失礼します」
帰ろうとすると、そこにレンが。
「レン、ここで何をしているの?」
「タームが僕のヨットに忘れ物をしたので、返しに来たんだ」
「ヨット?さすがF4」
「時間有る?歩かないかい?」

ふたりは川辺に行き、レンはゴヤーを含めた風景の絵を描いています。
「ドレスは恥ずかしい?着たところを見たかったな」
「私には無理よ、レン」
「君は試したことがないね」
「そうね。あなたにはあんなに言って、でも私にはそれじゃ駄目なの」
「誰かが自分には合わないんだなんてことは、考えちゃいけないよ。だろ?ミラーはそんなことは言わなかったろ?」
「私、それについては疑っているの」
「気にしないで。僕は信じてるよ。君はそれを正しく成し遂げる」
レンはゴヤーの頭を撫でる。

「僕はいつも君を信じてる。タームも信じる」
レンは、描いていた絵に流れ星を描き添える。 

ゴヤーが帰宅すると、タームとグラーカーオが何やらしている。
話によると、タームが料理を作ったらしい。
タームは"誰が億万長者に成りたがる?"と書かれたTシャツを着ている。そして皿には"ゴメンね"とケチャップで書かれたオムレツが。他にもたくさん。
「字、間違ってる...食べよ、美味しそう」
タームは笑顔に。
「どれが美味しい?」
「みんな旨いさ。野菜のフライもあるよ。オムレツにスープ...」
「野菜のフライから」
食卓は賑やかに始まります。

帰り際。
「まだここに住むの?」
「嫌そうだな」
「誕生日パーティーは、家に帰る口実なのかなって」
「いいや、俺はここにずっと住んでいたい。...あの種のパーティーはさっぱり面白くなんか無いんだ。気にすんな」
「お~、成長したね~。今のタームは大きく見えるよ。あんたの誕生日なんて事ないね」
「あんなナンセンスなパーティーなんか気にしてやいないさ。だけど、俺には今回の誕生日パーティーは重要なんだ」  
見詰め合うふたり。いい感じ。
「家に入りなさい」
「おい、なんでそんな追い立てるんだよ」
「違うわよ。ただもう遅いから」
「まだ話すことは有るぞ。...週に一回、家で洗濯して来ても良いかな?洗濯って大変なんだよ」
「はいはいはい、良いんじゃない。あなたの好きなようにすればいいの。出来ない時は無理をしないで。だから、家に入りましょ。いい?」
「なあ、ゴヤー」
「まだ何よ。もう引き止めるのは二度目よ」
「俺...」タームは時計を見る。
「時計がどうしたの?」
ゴヤーが時計を見ると、もう日が変わろうとしている。
「可笑しいか?...言ったように、この誕生日は俺にとって重要なんだ。...なあ、俺のためにカウントダウンするか?」
ゴヤーは嬉しそうに腕の時計を掲げ上げる。
「歳を取る準備はいい?」
「ああ」
タームは目を瞑る。
「9、8、7、6、5、4、3、2、1...」
タームは歳を経て、初めて見るものがゴヤーの笑顔だったことに、心から満足します。


「誕生日、おめでとう」とタームは溢す。
「自分で言う?」
「そうさ...じゃ、行くよ。俺の誕生日パーティー、君が来たくなかったら、それでいいから」
「...行くわ。贈りたいものが有るの。でもきっと、それ、あなたは嫌いだと思うわ。文句を言わないでね」
タームは家に。ゴヤーも家に入ります。少しだけ名残惜しげに。

ゴヤーはクッキーを作ります。タームの顔型クッキー?
カニンとグラーカーオも手伝って。
そして、ゴヤーはミラーから貰った靴を履き、精一杯着飾って、タームの誕生日パーティーに降り立ちます。
一番にゴヤーを迎えたのはロサリンでした。
ロサリンは頭ごなしに、あの日の言い分を繰り返します。
しかし、ゴヤーは毅然とした態度で立ち向かいます。

「私はタームにとって重要なこの日を祝う為に、ここに居ます」
「本当に?それだけのためなの?」
「他に理由がありますか?それと、私はあなたにも会いたかった。そして言いたいことが有ります。どれだけの侮辱を私にぶつけても、私はそれ以上の価値が私にある事を知っています。あなたの言葉は、私を知らない人が私に無価値だ言っているだけです。それは決して私を小さく感じさせる事は有りません。もしそれがあなたを失望させるなら、ごめんなさい。でもこれが私の繋がりかた。そして選んだもの」
ロサリンは睨み返し、立ち去ります。
「カッコいい!」
何処に居たのか、F4が駆け寄ります。
「いい悪ぶりだったねえ、あ、録画してなかったよ」MJは調子に乗ります。
「タームに会えた?ほら、あそこに居るよ」
タームは如何にもな、お偉方と話している。
躊躇うゴヤー。
「いいの。私は贈り物を渡しに来ただけだし、直ぐに帰るわ」
「急ぐ必要はないよ。今夜の君は輝く星だ」
「どうして私が星なのよ?」
「ほら」カウィンはゴヤーを抱え上げます。
叫ぶゴヤー。ハッとして口を閉じるけれど、タームはゴヤーに気付き、やって来ます。
「大丈夫?」
「ドレスアップしてるわね」

「それ、もし君が俺をハンサムだと言いたいのなら、そう言って欲しいな。君は可愛いよ」
「誕生日おめでとう。礼儀だから...」
「ありがとう。例の贈り物は?」
ゴヤーは首を振ります。
「無いの?まさか。俺への贈り物は何処だ?」
ゴヤーは後ろ手にクッキーの箱を隠してますが、タームは覗き見ています。
「贈り物なんて無いわ。誰が贈り物が有るなんて言ったの?」
「あ...」
マイク音。ロサリンです。
「こんばんは。ようこそ、みなさん。今夜はタームの誕生日です。彼を祝い、尊びましょう」
場は完全にロサリンに仕切られています。
「それから特別なゲストを紹介します。私達のイベントに始めて来る、特別な家族が居ます。彼等は、エンピカス」 
ロサリンは、事業でエンピカスグループとの繋がりが始まること、そして家族としての関係が始まることを発表します。
家族?それは...
謎の女が会場を走っている。警備員の制止を交わし、彼女はゴヤーを押し倒す。

異図は分からないが、彼女はゴヤーと目が合うと、にやりと笑う。
「彼女はリタ・ラリタ・エンピカ、彼女はタームの婚約者です」
大量のカメラのフラッシュが降り注ぐ...


やられた!誰もがそう思う、最悪な流れ。
タームは何をしようとしていたのか?ゴヤーとの交際を公しようとしていたのでは?と思っていました。
しかしやはりロサリン。もうとっくに手を打ち、タームを身動き取れないように、その蜘蛛の糸でがんじ絡めにしていました。
タームはまだ若かった。そして、ここまで母ロサリンが冷酷だとは思っていなかった。
それはティアもでしょう。
巻き込まれたのはゴヤーだけじゃない。F4もだ。彼等の淡い期待は、星屑のように砕かれた。
タームの幸せの成就は、自分達の明日の希望だった筈だから。
今回は全てが遅すぎた。
しかし、リタ・ラリタ・エンピカ。なんか気持ちが良くない。ちょっと性格破綻ぎみ?ゴヤーに戦線布告のつもりなのでしょうか?
そしてもうひとり。タレイ。アニメ版ではヘロヘロのしゃべり方で、あまり印象が良くなかった。情けない敗者、弱者として現れ、後に"つくし(ゴヤー)"を利用してしまうような事をしたような...その"うつけもの"の部分をまるまるカットし、ちょっと怪しげで狡猾な部分だけが見え隠れしているような気がします。やたらとリッチ(エリート)嫌いを口にして居ますしね。いつかタームらを潰しに動きそうで怖いです。ただ、原版では、結局は理解して終わった筈なので、もしかしたら彼こそがタームを救うホワイトナイト?に成るなんてことも期待してしまいます。
今話、緊張感溢れる始まりだっただけに、意外にも緩い展開を見せる語りに、ずっと不安を拭い去れず、変なドキマギが尽きない話でした。
緊張感が鈍化した頃に、ラストの急展開。 ゴヤーと手を繋いで逃げちゃえとは行かないでしょうしね。
タームがしても、ゴヤーが出来ないと思います。...クッキー、届かないのかなあ...
悲しいです。怖いです。不安です。



☆私の癌の治療は割合、順調です。
一週間の一時休暇を経ましたが、胸水の量はさほど変わらず、そして腫瘍はその大きさを大きく減退させていました。
医師が「思っていたより小さくなっていたね」と口にしたほど。
今、3度目の抗がん剤セットを私の体に流し込んでいます。
吐き気や食欲減退は無く、体調も良いです。昨日からは眠気も有りません。
ただ、前述、光視症らしき症状が有るために、光が乱反射しているような、ボヤけた視野で書いています。電気が消えるとピシャッとピントが合うんですよね。
TVCMで見るルテイン不足?よく分かりません。
それからまた便秘は来ました。抗がん剤は私にこれを招きます。お腹が張らない内に、回復する事を心から願います。
ひとまず今回は尿道カテーテルが無いので、何度も用足しに行っているので、動けているせいか、まだ体は楽です。 ただ点滴で大量の水分が体に入っているせいで、二時間ごとにトイレに行くのが大変。夜中も例外では有りません。
今回は抗がん剤治療の途中で血液検査をしましたが、極端な白血球数の低下もまだ見られていないようで、一応、二週間の入院が予定されていますが、もしかしたら早めの一時退院も期待出来る?かな?

...しかし。今、最大の敵は隣人たちです。
私の向かいの方は、凄い仕切り屋で我が儘。前回の部屋に居た時に、便秘が続き、看護士に文句ばかり言っている声の主がここに居ます。
今回は酷い。実はこの方、減量のために入院したそうで、しかし体を調べた結果、超低血圧、心臓に水が溜まる病気に苛まれており、更に尿が殆ど出ず、脚には酷い浮腫みが出ていました。その為に胆石が発生し、医師はもう治療を始めないと体が持たないと判断、私の主治医でもある医師が対策を試み、多くの疾患を正常値に戻しました。体は順調に健康に向かったのです。
しかし、体が健康に成ると、自ら尿を出せるように成ってくるので、利尿剤で心臓や体に溜まる水を出そうとしていたことに追い討ちを掛けてしまい、ふた晩ほど夜間を中心にあまりの頻尿が発生、そうしたら彼は怒り心頭で「俺を◯す気か!一度、全ての治療を止めて、俺の言う通りのプランで治療を再開しろ!訴えてやる!」と罵詈雑言。
聞かされているこちらは、散々気分。何しろ私を救ってくれている主治医のひとりが責め立てられている。何ひとつ間違いは冒していないのに。
悔しいやら、悲しいやら、辛いのなんの。
更にこの方、頻繁に外部に電話して愚痴り三昧。別病院の医師にも掛けていましたが、今朝、消えぬ浮腫みに注視した医師に「水はどれくらい飲んでいますか?」と聞かれ「少なめ」と答えていましたが、実はヘルパーさんに「俺はもう制限は無い」と言って、がばがば飲んでいたのを知っています。浮腫みの原因、利尿剤減らしたから出る尿量と飲む水量に差が出てしまっているからです。そんな事実は電話でも話さない。
そのせいか彼、夜中ずっと、苦しそうな「あ
~う~」と奇声を大声で上げていて、正直、こちら眠れません。心配で。
そんな彼に背中を押されたように同室のふたりの患者が治療のボイコット。ひとりはカリウムが増えすぎたので、減らす薬を出したいけれど、頭ごなしに拒絶しました。しかし私のまた主治医のひとりが、女性なのですが、まあ凄い。彼と顔を合わせると、矢継ぎ早に薬の効果性を語り出し、物言わせる前に終了。「いいわね」と言い放って颯爽と去っていきました。
直ぐに待ち構えて居たように看護士登場。手際よく点滴開始。十数分後。
本人「体が楽に成りました」...だって。
もうひとりは構って貰いたい症候群?未だにぼそぼそ喋りで愚痴っていますが、前向きな事は一言も言わず、ただし治療は結局、強くは拒否しきれず、全部、受けてます。この方もイビキが凄い。
最後に私の隣人。いちいち行動が荒く、机をカーテン越しに私のベッドにガンガンぶつけてきます。更に普段の鼻息とイビキが強烈で特に夜中は先の奇声の方と三人で大演奏会です。
一晩中ですから、堪りません。
意外と病院って、休まりません...