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家具デザイン設計歴27年
設計者トモのブログです。
経験からのインテリアのアレコレ
自分の思いを投稿していきます。
今回の投稿は
↓↓↓
木製パネル構造
です😀
木製パネルの構造には色々あります。
今回は、その中でも、私が使う事の多い2種類を紹介します。
①突板練付化粧合板(フラッシュ構造)
<部材構成>
・芯材 (1)…積層合板
・芯材 (2)…ペーパーコア材
・表面材……天然木突板練付化粧合板
・木口材……天然木無垢材
②突板練付化粧合板(積層合板構造)
<部材構成>
・芯材 (1)…積層合板
・表面材……天然木突板練付化粧合板
・木口材……天然木無垢材
ちなみに上記の2つの図は、私が20代の頃、二次元のAutoCADで有角透視図法で三次元で作図した図です。
①のハニカムコアの箇所を描いている時は気が狂うかと思いました😅
その後、CGのソフトを使うようになって、このような図を描く時は断面を描いたら、Z軸方向の数値を入力するだけで形を伸ばせるので、なんて便利なんだろうと感動しました🤩
ただ、CGを使うにしても、手書きのスケッチを描くとしても「有角透視図法」の原理を知らないのと知っているのでは全然違います。
面倒でも有角透視図法を学んでおいて良かったと思います♪
さて、木パネルの話しに戻ります😀
私は主に①と②のパネルを組み合わせた家具を設計する事が多いです。
それではなぜ、木をこれだけ組み合わせるのか🤔?
それは木にはそれぞれに特有の性質があるからです。
基本的には天然乾燥から人工乾燥を経て、暴れ(変形)などが出ないようにするのですが、1枚板で木の質量が多い場合、樹種によっては、その後にも暴れが発生します。
部材を組み合わせる事(合板仕様)で、それらの悪い性質を抑制しているのです。
私の携わる事の多い、大型施設では何十年もの間、不特定多数の人が使い続けることのできる家具を作らねばならないのです😉
しかし、木材をただ組み合わせるだけでは、木の暴れは防げません。
芯材の積層合板、突板を練り付けているラワン合板が重要なのです。
積層合板やラワン合板(ベニヤ板)は、木目方向を直行方向に組み合わせた合板です。
木目が直行方向に交わる事で、1方向へ反ろうとする張力に耐えれるようにするのです💡
ただ、突板練付化粧合板も、t4mmのラワン合板に突板+ポリウレタン塗装などを施すと化粧面の張力が強く、結局は反りが発生します。
そこで、内部にも積層材で枠組みをして、突板練練付化粧合板でサンド(太鼓張り)するのです💡
また、積層芯の間の中空部にはハニカムコアやロールコアなどのペーパーコア芯を入れます。
これが入っているかいないかで、積層芯の間の中空部の化粧面の強度に違いが出ます。
ペーパーコアは1方向にはかなり強度があります。大人が乗っても潰れません。
昔、学校の工作で、牛乳パックで椅子を作った事はありませんか?
それと同じ原理です😀
この紙の芯材を入れることで、家具の強度は格段に上がります⤴
勿論、積層芯のピッチを不用意に広げてはいけません。
ペーパーコア芯は、あくまでも中空部の補強として、基本構造は積層芯で担保できるように枠組みします。
さて①と②の使い分けについて説明します。
①は幅広のパネルです。
テーブル…天板
本棚………天板、背板、側板、方立など。
家具を構成するパネルのほとんどです。
②は幅狭のパネルと、強度を必要とするパネルです。
テーブル…貫(脚と脚を繋ぐ天板下の補強)
本棚………棚板、巾木
家庭用の本棚には規定はありませんが、公共施設などで使う本棚にはJIS基準に準拠した強度を確保せねばなりません。
条件に合わせた収容物を棚板に置いた時、棚板の反りを基準値内にしなければなりません。
それには中空のフラッシュ構造では厳しいのです。
このようにパネル1枚1枚の強度を考えた上で、更に本体の寸法も含めた組合せ方などで家具全体の強度を確保し、尚且つデザイン性も織り交ぜていくのです。
また、よく使うパネルは上記の2種類ですが、木のテクスチャーを重視したい場合は集成材や、圧密材などもありますし、多少の暴れが出ても良い箇所には1枚板などを使う場合もあります。
私は一般家庭で使う家具も、このようにしっかりした構造で長くお使い頂ける物を作りたいと考えています。
木製家具は長年使って頂き、良い意味で経年変化を楽しんで頂きたいのです😄
家具を作る場合には、用途に合わせた構造をパネル1枚から本体の全体構造に至るまで検討できる専門家に相談される事をお勧めします。
※業界用語、専門用語が多いので、ご不明な点はコメント等でお問い合わせください😅
それではまた次回 m(_ _)m
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