”HSPは人の気持ちがわかる”と表現されることもありますが、
”わかる”の意味が誤解されているように感じます。
HSPは
相手の考えていることはわかりません
もし、
相手が何を考えているのかわかるのなら
それはHSPではない
別の能力があると考えられます。
HSPは能力者ではありません。
特別な力があるワケではないし、
人より優れているワケでもありません。
じゃぁ、
HSPの”人の気持ちがわかる”ってどういうこと？
HSPの”わかる”は
あくまでも目の前にある、
表情や、声のトーン、話の間や、しぐさなどから得た
情報により判断できる「感情」だけなんですね。
HSPは脳の「島（とう）」と呼ばれる、
自分の内側や外側で起こったことの
情報を統合して現状を認識する部分が、
そうでない人より活発に活動していることがわかっています。
そのため、
物事を深く処理し、
微妙な違いも知覚し、
より多くのことに気づくのです。
そして、
感じたこと、情報すべてを、
人生で気づいたことと組み合わせます。
つまり…
「あの人機嫌が悪いんだけど…」とか
「あれ？あんまり納得してないみたいだな…」とか
「今、話し出そうとしてるな…」とか
相手の出しているサイン（表情、声、間、しぐさ）から
過去に得た情報などとも組み合わせて、
今の感情に、真っ先に気づいたり、
誰も気づかない些細なことにも気づいたりするのです。
ただ、
わかるのは目の前にある感情だけで、
「なんで機嫌が悪いのか」
「どうして納得していないのか」
「何を話そうとしているのか」
その感情になった”理由”はわからないんです。
なので、
相手が機嫌が悪いと気づいたときに
「わたしのせいかな」とか
「さっき〇〇と言ったことが気に障ったのかな」と
そう不安に感じるのは
”わかっている”のではなく
”思い込み”である可能性も高いです。
先にもあげましたが、
物事を深く処理する過程で、
今までの人生での気づきも組み合わせていくのですが、
その中には
自分の物事の捉え方、
思考のクセなどももちろん含まれていますし、
過去、嫌な思いをした経験なども
もちろん記憶としてあります。
怒っている表情や、声を、見て聞いて、
過去のつらい思いをした自分の感情が出てきて、
今、同じ表情や声をしている相手に、
恐怖や不安を感じるのはむしろ当然のこととも言えます。
でも、
相手が変われば”理由”も変わります。
機嫌が悪いのも
納得していないのも
「きっと〇〇だからだ」と決めつけるのではなく
それぞれに”理由”があるし、
”思い込み”である可能性もあると知る。
気持ちって、
自分でもよくわからないこともあるから、
人のことだったらもっとわからないと思います。
その感情に至るまでの背景とか、
その人の物語は、もっともっと複雑なはずです。
他人に”わかる”ほど単純ではないはずです。
なので、わたしは
”HSPは人の気持ちがわかる”のではなく、
ただ、気づくことが人より多いと思っています。
海外ドラマの「Lie to me（ライトゥミー）」
人の微表情から嘘を読み解く博士のお話ですが、
HSPの”人の気持ちがわかる”は
これに近いんじゃないか？と思ったりします。
知識として微表情を読み取っているというより、
無意識でそれを読み取っているのかな、と。
「Lie to me 」おもしろいのでオススメです！
でも、どうであったとしても
目の前の感情に気づくからと言って
わかった気にならないこと
それは相手を思いやることで、
すごく大事なことなんじゃないかな、ってわたしは思いました。
それから余談ですが
”わかる”関連でたまに話題に上がる
「過剰同調性」
相手の変化に敏感に気づくHSPと
相手に合わせすぎる、空気を読みすぎる
「過剰同調性」はまったく違うものです。
「空気読みすぎ」が疲れる原因？過剰同調性の5つの特徴と対策とは
HSPでもHSPでなくても、
過剰同調性を持つ方はいらっしゃいます。
良い悪いを言っているのではなく、
混同せずにそれぞれを知りそれぞれを受け取ることは、
適切な対処法を知る近道じゃないかな、と思います。