生い立ちとお金は密接な関係を持つ事は自分の人生の中で感じている。無趣味で自分の事にお金が使えない性格な私は父に似てる部分の一つなんだろう。


人生初の借金を背負った生活になる私だが、それは3年内に全額返済することが出来た。実家に買っていた家電製品を買わなくなった事。自分自身で使っていたお酒の支出を飲まなくしたせいで抑えられた事。買っていたご飯を自炊に切り替えた事で支出の抑制を図ったことが理由に挙げられる。


借金返済を終えておんぼろ独身寮を出たいと思ったのもこの時期。しかし、保証人が立てられないので断念。雨もろくにしのげない寮は雨の降り方で部屋が水浸しなんて事もあった。情けないなと思うけど、それは現実。独り身の寂しさを強く感じたのもこの頃だった。


コツコツとまた貯金を始める。基本給は定期昇給で上がってきたので、手取り自身も増えていた。転勤してまた仕事を一から覚えないといけないのが大きなストレスだった。


使い物にならない私。自分自身で給料泥棒だなと思うくらい仕事が出来ない人だった。会社の先輩からは「君の代わりならいくらでもいるからいつ辞めてもいいんだよ。」とか、「君なんて戦力と思ってないから」なんて言葉を出勤の度に言われる始末。それでも帰るところなんてない。我慢して働く日々。それが悔しくてたまらなくて頑張りたくてマニュアル読むけど、読解力がないせいで全く理解出来ない。歯がたたたない。そんな毎日。今の働く基礎になる部分でもある。覚えが悪い自分だからこそ出来る事がある。


そんな時だからこそ出会いを求めて車であちこちに出かけた。とある時に出会った女性。第一印象は最悪だった。無表情に無反応。言葉は少ない。でも、不思議なもので縁があったようだ。それが今の妻である。


タイプ的に似てたのかもしれない。彼女は私よりもずっと抑制された人生を歩いてきたみたいだ。付き合うようになり、九州に行った事がないとの事だったので、里帰りを兼ねて実家に連れて行く。実家でお泊まりしたのだが、見たことがない料理が並んでた。そして結婚まで導いたのは我が家の母だった。


母に言われて退路が絶たれたのは私。彼女も結婚するつもりで挨拶に来た訳ではなかったのだが、そういう流れが出来てしまった。帰ってすぐに彼女の親に挨拶をして結婚へ。コツコツと貯めた貯金はここに消えた。指輪買ったり母に言われるがまま結婚式場契約したりと結婚って大変なのね。と知った。


今なら結婚しない生活を選ぶと思うけど、人生の事の勉強にはものすごくなった。


結婚を機に実家の車が古かったので、私の車を実家にあげた。そして、家内の車を買い替えてローンを組む。また借金生活の始まりだったが、共働きだったので、これは半年で返し終えた。


父に似た私は居場所が欲しいと強く思うようになり、結婚後アパートを借りてたのだが、分譲マンションを買うことにした。手数料はまだ手元にある資金でどうにかなったけど、頭金までは体力がなかった。若く無知な私はほぼフルローンでマンションを買う決断をした。