実家に家電を送りつつ自分の生活を切り詰めて貯金をする日々。故郷離れて東京にいる理由。それは働いてお金を稼ぐ事。地元へお金を送ること。結婚前の私の価値観です。


寂しさをお酒で紛らわせつつも会社での付き合い酒をやめたので、自宅でお酒を飲んでる分にはそこそこ貯金は出来てました。借金をしないことをモットーに。ただ、この頃になると、クレジットカードってものを知ります。丸井でお買い物するのにカードを作る。同期の仲間がやっていて、私もそれに乗って作ろうとしました。20超えてるし、大丈夫だろうと思っていたが、審査不合格。え?ってなりました。


なんでだろ?わけわからん。そうなると不安になってTSUTAYAでカード作ってみました。審査会社から電話が来ましたが、住所確認でした。会社敷地内だったのでそこに人が住んでないと思われたみたいです。そりゃそうよね。工場の一角だし、住所は番地違いだし。


毎回実家からの電話はこの頃は嬉しくなくなってました。21歳ぐらいかな。だって毎回お金の事なんだもん。買ってくれとか払ってくれとか。そんな時だけ私なんだ。その時にしか価値のない家族なんだろうなと思うと悲しくもあり、ここで私が死んでも誰も気がつかないんだろうと思うようになったのもこの頃です。


そしてまた電話が鳴ります。バブルが弾けて数年過ぎたけど、景気は良くなる様子もない頃です。母からの電話は衝撃的でした。


「お父さんリストラにあうかもしれない」との事。心底心配しました。「熊!お前貯金いくらある?自宅の住宅ローン返すから全額出して。」と。どストレートですよね。その言葉。


私はこの言葉を受けて貯金全額下ろします。それでも足りない。会社経由で提携してたところに借金の申込みをします。


すると、会社の庶務課から電話が来ます。「プライベートな事だから、あまり聞けないんだけど、何があった?言いたくないならいいけど。」言える訳がない。


信頼がある訳ではない私がお金を借りれるところは会社経由しかなかった。その会社が後ろ盾になってくれない限りはお金は借りられない。ただ、担当の方は何も言わずに通してくれた。貯金と借金して肩代わりした金額は400万。私にはとても大きな金額でした。