離別・継承 | 「トミ」は点がないやつです

「トミ」は点がないやつです

ある時は声優・冨沢竜也。
ある時は吟者・冨沢竜山。
またある時は…?

ちょっといつもと違うブログです。
ここに書くのも迷ったのですが、心の整理のためにも書かせてください。




















今日、詩吟の先生から連絡があり、私の会の会長先生が亡くなったとのことでした。

あまりに突然のことで、ちょっとびっくりしています。




私は3歳の頃から詩吟を始めており、今まで20数年に渡ってお世話になっていた大恩ある方です。
その先生が亡くなったというのは、未だ信じられません。
詩吟界では80歳以上の人でも現役で舞台に立たれることが多いので、その先生のことを思うと、まだ若いのになぁと感じてしまいます。



最後にお会いしたのが、2か月ほど前。

詩吟の予選大会の舞台裏、緊張して出番を終えて戻ってくると、そこに先生はいらっしゃいました。
いつもの少し猫背の丸い体、悪戯そうな笑顔を浮かべて、こちらを見ていました。
「緊張してた?まだまだ若いなぁ」
そんなことを仰っていた先生。
「あの詩の言葉遣いはね…」「ここの詩情をさ…」と、いつもこちらに興味ないような素振りを見せながらも、裏では必ず見ていて下さる厳しくも優しい先生。
きっと詩吟が好きなんだろうなと、その顔を見るたび感じていました。

その後、また別の詩吟の発表会では、私も参加して、先生もいるはずでした。
ですが、私の都合がつかなくなり、結局本番当日どうしても参加できなくなりました。
その時は「また来月あるから、その時に聴いてもらおう」と、良く言えば前向きに考えていました。

でも、突然それは叶わなくなるんですね。
何が起こるか分からなくて、びっくりです。




今月、また詩吟の大会があります。
でも、今回は吟じる姿勢が全く変わりました。
賞を取ろうが、お客が感動しようが、そんなものははっきり言ってどうでもいいです。
今回ばかりは先生に教わったことを、しっかりとその場でぶつけてきたいと思います。



先生。
20数年でここまでやってきました。
まだまだ足元にも及びませんが、これからも逃げ水を追って追って、追い続けます。
ありがとうございました。