義父が施設に入って5日経った。やらなくてはいけないことが沢山あり、母の通院も重なりストレスを感じていた。


何もかも1人でやることに限界を感じ、銀行や保険等金銭が絡むことは旦那に任せることにした。しかし毎日のように施設から電話がかかって来ては、やれ薬を飲まずにパッと放り投げたとか、トイレに何回失敗したとか、同居人が毎日食べ物持ってきて困るとかひとつひとつ報告された。それが仕事なのだろうが苦情や文句に聞こえてくる。


その度に


すみません、すみません


と頭を下げる。


私は周りの人に頭を下げてばかりだよ~


と旦那に言ったら


でも俺には頭を下げんよね


と言われてまたカチンときた。


誰のために頭を下げてると思ってるんだー!

あんたの親の為やぞームキー


はっきり言って好きでもない、いや、嫌いな旦那の親に…


数年前、通院の付き添いのとき医師と看護師の目の前で


この人が大嫌い!息子と離婚してほしいくらい大嫌い!


と罵られ待合室で泣いた。


出来た兄嫁と比べられ人格否定されあるときは待合室で大勢の患者や看護師の前でバッグで何回もフルスイングで叩かれしばらく肋骨が痛んだ。皆見て見ぬふりだった。

今思えばネイマールばりに痛がれば良かった。


女性蔑視で自慢話ばかりする老害で…プライドばかり高くてチヤホヤされないと機嫌が悪くなる。面倒臭いからチヤホヤしようかと思ったこともあるが、自分を偽るのがアホらしくなり秒でやめた(笑)



そんな人の世話を何故私がしないといけないの?!旦那は自分の親なのにまるで他人事で誕生日がいつかも知らない。


私は知ってる。だっていつも病院で言わないといけないから。書類に何回も書いたから…


今朝電話がかかった。施設からじゃないといいけどと思って見たらやはり施設からだった。


昨夜義父が転倒して頭を打ったから病院に連れていって欲しいという。


わかりました。旦那に電話してまたかけ直します。


旦那に電話するも仕事を抜けられないという。

仕方なく私が連れて行くことになった。仕方なくというのは感情的なことだけではなく、足元がよろついてまた転倒したら支えることが出来ないと思うからだ。


施設に着いたら義父は車椅子で出てきて俯いて顔色も悪い。


私の顔を見ても機嫌が悪そうだ。


病院に向かう車の中でなるべく刺激しないように気をつける。いつ癇癪を起こされるかわからない。


幸いCT検査でも異常無く、昼過ぎには施設に送り届けることが出来た。義父の顔色も少し良くなった。そう言えばここ半年位は通院のとき以前より聞き分けが良くなった。


帰り道の車の中で突然義父が言った。


◯子さんのおかげです。ありがとうございます。


え?誰に言っているんですか?と思わず聞き返した。


◯子さん、あなたですよ。◯子さんのおかげです。ありがとうございます。


その瞬間ぶわっと涙が溢れた。


私が旦那から聞きたかった言葉がまさか本人の口から出てくるとは思っていなかった。


全てが報われた瞬間だった。神様からプレゼントを貰ったような気がした。お義父さんの世話を続けられそうな気がした。