そろそろ鬼籍もそう遠くない年代となりましたので、以前からのブログ友達に少なくとも私の
    人生の軌跡の一端として書き残す決心を致しました。 ナーンチャッテ。











    そう、あれはいつの頃だったでしょうか。
    ロスへの本社出張も度重なり、少しずつアメリカの事情が分かりかけた頃でした。
    本社の直属上司から
      「トミー 地理的独身なのだから、女性を世話するぞ」
      「えッ」
      「今晩は、いいか、午後の10時頃に部屋の鍵を開けておけよ」
      「ハイ、分かりました」

    その晩です。
    いろいろと夢想しながら悶々と待った午後10時までが何と待ちどうしかったことか。
    でも、不思議な事ですが、日本に残した家族のことが全く脳裏には浮かびませんでしたね。
    そう、日本男子たるもの「据え膳食わぬは、男の恥」の心境だったのです。
    手持ち無沙汰でテレビに見入っている時、スット扉が開いたかと思う間もなく
    想定外の若くて綺麗な女性が入って来たのです。

      「何となくお乳の匂いがするのですが」
      「実は、離婚したばかりのバツイチで, 乳飲み子がいるのです」
      「こんな夜分でも、大丈夫なのですか」
      「授乳して来たばかりですので、数時間は大丈夫です」



    別れ際に、ついうっかり私の手が財布に伸びたのですが、
      「とんでもありません。 久し振りに十分満足させて頂きました」
      「又、お会いする機会があるでしょうか」
      「恐らく無いと思います。それでは御機嫌よう」

    私は、去りゆくその若い女性の後姿を映画の一コマのように
    じっと見続けたのでした。




    この稿、続くかも知れない。