私には、決して忘れ去ることが出来ない青春の苦い思い出の曲が有ります。
    それは、千 昌夫の大ヒット曲 『星影のワルツ』 です。
    既に古くなった死語で誠に恐縮ですが、「独身貴族」を謳歌していた時分
    そう、今から遥か40数年前に溯る悲恋(?)の背景にふさわしい曲なのです。

    初の海外旅行先タイのバンコックで船上強盗に遭い、命からがら最後の
    訪問国だった台湾で、チェックイン直後に日本の実兄への窮余の送金依頼電話が
    悲恋の発端でしたが。
    失意のどん底の私に暖かい励ましの言葉や故宮博物院への観光の誘いなど
    ホテルオペレーターからの親切心につい感謝・感激して、その御礼にと
    手土産一杯でほどなく台湾を再訪したのは言うまでも有りません。
    今、古いパスポートのページを繰ると青春真只中だった当時の記憶が
    つい昨日の出来事のように鮮明に蘇るのです。嗚呼、青春。

    その後、何度か台湾を往復するうちに何時しか感謝心が恋愛感情へと変化し
    遂には私の脳裏に国際結婚の二文字がちらつくようにさえなったのです。
    しかも、父親代わりだった実兄に相談までしていたのでしたが。
    諸般の事情から,泣く泣く結婚を諦め、その女性に真相を告げる事も無く
    結局は別れる最悪のパターンになろうとは。


星影のワルツ
作詞 白鳥園枝 作曲 遠藤 実

別れることは つらいけど
仕方がないんだ 君のため
別れに星影の ワルツをうたおう
冷たい心じゃ ないんだよ
冷たい心じゃ ないんだよ
今でも好きだ 死ぬ程に


    帰国前夜の最後の会食。 夜風に吹かれながら散策した台北市内の
    どちらからともなく、日本贔屓の台湾でも大ヒットした、あの千 昌夫の
    「星影のワルツ」が聞こえて来たのでした。
    そして、二人で合唱したことを想い出すとつい不覚にも目頭が 、、、

    実は、家内と結婚する以前に何故かこの台湾女性との一部始終を
    家内には告げていたのでした。
    お互いに年を取りましたが、時折台湾が話題になると、決まって家内から
      「私と結婚して良かったでしょう」
    とウインクされるのでした。 ウン?