ロス本社への出張を繰り返す内に、ふっとある事に気付きました。
本社にはやたらと黒人が多いのです。それもアフリカ系黒人が。
時は1980年代の前半で、あの92年4月のロス暴動が起きる
遥か以前の事なのですが。
今となっては定かな理由を失念致しましたが
社内規定がそうだったのか、あるいはロス市又はカリフォルニア州の
規定だったのか、全社員の2~3割を白人以外の人種で埋める義務が
あると言うのです。
*2000年の国勢調査によれば、カリフォルニア州の人口比率は
白人47%、ヒスパニック32%、アジア系11%、黒人は7%
(出典: 在ロスアンジェルス日本国総領事館)
当時会社は、白人以外の採用率を上げることに躍起になっていたのです。
それで余り学力や知識・経験を要しない単純作業であるジャニター職
(Janitor: 門番、掃除婦・夫、ごみ作業員、軽微な修理作業など)に
代表される白人が最も嫌う汚れ仕事に黒人を優先採用したのです。
つまり失業率の高い黒人からの応募がジャニター職に殺到した結果
必然的にそれらの大部分の仕事は白人以外のアフリカ系黒人などが
占める結果となったのでした。
尚、人口の多いヒスパニック系が少ないのは、違法入国者が多く
書類の不備が不採用の一因かも知れませんが。
中には黒人と雖も白人同様の豊かな家庭環境で育ち
それなりの高等教育を受けた有能なアフリカ系黒人達が
ジャニター職よりもより高給な職場に応募して来るのでした。
そして実力が伯仲した場合は、採用担当者が敢えて白人以外の人を
優先採用したのです。当然ですが白人以外の占有率を上げるために。
その結果かどうか、やたらと黒人が社内で目立つのでした。