昔から良く外国人が日本人男性を揶揄する言葉に
<背が低く、胴長・短足で眼鏡を掛けている>
と言うのがありますが、これに<せかせかと歩く>と言うのが
加わることもあるようです。特に東京人を表す場合には。
あれは2社目の米国企業であるF社のロス本社を訪ねた時のことで
時は1970年代の後半でした。
長い会議も首尾よく金曜日で終わり、土曜日には日本へ帰国する私に
上司のディックから上司宅での夕食会へ招待されたのです。
サマータイム実施中の夏でしたが、会社を定時(午後4時)に終えても
まだ陽が高く、上司の勧めもあってトーランスのショッピングセンターへ
立ち寄って日本の家族への土産品を買うことにしたのです。
会社からはディックの自宅があるマンハッタンビーチを通り越す格好で
さらに南下すると、大きな<デルアモ(DEL AMO)ショッピングセンター>
がありました。

家族への土産物を物色する事に夢中だった私は傍らに上司のディックが
いることもすっかり忘れて、つい急ぎ足であちらこちらの店へと
独り歩きをしたのでした。
普段でも速足の私が、更にスピードを上げるわけで、胴長・短足の私が
長身(1㍍93㌢)で足の長いディックを置いてきぼりにしたのです。
するとすかさず背後のディックから
「Tommy, Where is the Fire?」 → そんなに急いでどうするの
とばかりに手を口にかざしたディックが大声で叫ぶのでした。
それもあたりの人々が振り返るほどの大声で。
それも1度ならず2度も3度も 。。。 半分は遊び心で際限がなく
日本で普通に生活していても速足の私が、先を急ぐのですから
それは相当に速足だったようで、良くディックから注意されたのです。
その後、二人でニューヨークへ出張した折も、あのニューヨーカーにも
負けない位の速足だったのですから。
今でも時折消防車や救急車のサイレンの音を聞くたびに当時の事が
走馬灯のようによみがえり、あのディックの
「Where is the Fire?」 という叫び声が聞こえて来るのでした。