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   (写真上)
   翌朝、子供達の騒々しさに目覚めて、
   直ぐバルコニーから気になる天候具合を確認すると、
   それは写真のような見事な晴天でした。

   (写真下)
   台本を読み込んでいる三浦友和さんと
   傍らで喫煙中の藤 竜也さんです。



 急いで朝食を済ませると、
 全員で水着に着替えて、
 一斉に部屋を飛び出しました。

 先ずプールで泳いでから、ブランコで遊び、
 全員で波打ち際へ移動して、
 それこそ思う存分に南国の日差しを全身に浴びながら
 海水浴を満喫しておりました。

    すると突然家内が、
    波打ち際で子供達と戯れていた私の元へ、
    プールの方から息せき切って、走り込んで来ました。

    「大変だ、三浦友和さんがいるわよ」

    と目を輝かせて、言い放ちました。

    私は、一瞬どんな人物なのか判断に迷い、

    「三浦友和って誰なんだ」

    とすかさず聞き返しました。

 仕事柄出張勝ちの私は、普段なかなか自宅でテレビを見たり、
 又、映画鑑賞に繁華街へ出掛けたりする時間がなく、
 家内が大騒ぎをする三浦友和なる人物の事は、皆目見当も付きませんでした。

 忘れもしませんが、この日は1979年2月4日で、
 当時のサイパンは、現在のように大勢の日本人観光客が
 押し寄せるようになる以前の事で、全島でも観光客が
 ちらほら目に付く程度でした。

 私達が宿泊していた 。。。ホテルのプールや
 海岸べりでは、朝から一人の日本人にも合わず、
 外人観光客でさえ殆ど見かけない有様でした。

 私達家族だけで、プールもブランコも海辺の砂浜さえも
 独り占めしたような状態でしたので、
 家内が興奮するような人物がいれば直ぐに分かった筈でした、が

    家内曰く、

    「自分は以前から三浦友和の大フアンで,映画もテレビも良く見ているので、

    間違いないわ。

    今、三浦友和本人がプール脇のブランコに乗って台本を読んでいるのよ。

    どうも映画の撮影中のようだわ」

    と一気呵成にまくし立てました。

 私は多少訝りながらも、海岸べりからプール方向へ目を転じると、
 先ほど私達がブランコ乗りに興じたあたりには、
 確かに人だかりがしておりました。

 私は興味をそそられ、根っからの野次馬根性丸出しで、
 家内が興奮する三浦友和なる人物は如何なる人物なのか
 一目見てやろうと、家内や子供ともども急いで、
 プール際へ移動する事にしました。