太刀の実戦での使い方は諸説あるが、この説は初めて見た。

 

 

現代では刀は斬るものと皆が思っているが、源平時代や鎌倉時代は、武者何騎と称して馬上戦華やかな時代であった。

 

しかも、其の時代の鎧は錬革や鍛鉄のものなので、刀は斬るよりも突く方が有利であったと考えられます。

 

後世の合戦の様に刀を振り回して斬るのでは無く、敵味方互いに馬を馳せ違わせて、すれ違いざまに相手を突くのである。

 

従って、馬を駆けてすれ違いざまに相手を突くとすれば、下から上に突き上げることが有利で、兜の内側、喉、両脇、草ずり等【即ち鎧の隙間ウィークポイント】を狙うのが常道である。

 

このためには、太刀が上反りしていることが必須で、馬の腹に殆ど水平に右手に太刀を構え、左手に弓を抱き、手綱を持ち、駆け合わせてすれ違いざま突き上げるのである。

 

上手く敵を刺し、其の反動で自分が落馬してはならぬので、刺した瞬間に握った柄を離すので、太刀には刀緒や、鍔の腕貫穴が必要であり、突き上げると言う理由に依って、古刀は反りが高いのであると伝えている。

 

との事。

確かに太刀で試し斬りをした際にとても斬りにくかったし、突き上げるにはあの腰反りで反りが深い姿が適していると思う。

 

太刀の使い方や意義には色々な説があって面白い。