長船助光刀匠に依頼していた注文打ちが上がってきたため、斬柄を装着し軽く試験を実施した。

 

最初は角材。
幅2cm以上のものだが、スッパリと斬れて刀身にも損傷無しで良い結果だった。

 

これで竹試斬もやろうかと思ったが

いきなり竹試斬をすると大きく刃こぼれする可能性があるため、いつも乾燥した細い竹の棒で強度試験を実施している。

 

この乾燥した竹棒で刃先に対してペチペチと真上から軽く叩く。

 

ペチペチとこの竹棒で軽く刀身を叩いたところ、刃が少し潰れた。

 

普段竹試斬で使用している昭和初期に製造された二尺三寸程の刀で同じ事をしても、刀身に刃こぼれや刃が潰れるような事は一切ない。

 

この刀に加え、池田美術のお抱え研師さんに研いで貰った美濃伝の新刀で同じ試験をしたところ、まったく刃先に損傷は起きなかった。

 

では、以前も助光刀匠に研いで貰った業物の現代刀は?
と思い同じ試験をしたところ、こちらは刃先が少々捲れ、ヤスリで擦ったら元に戻った。

助光刀匠の刀は手や膝で側面からグイグイ押してもきちんと元の姿に戻るため、強度はあると思う。

という事は、砥ぎで刃先を薄くしすぎているのか。
もしかしたら、刃先の強度が足りないという可能性もあるが、角材が問題なく斬れたので一定の刃先の強さはあるだろう。

 

であれば、竹試斬で太い竹や固い竹に当たると刃こぼれする可能性があるため畳表専用にしようかと思って助光刀匠に試験結果をお伝えしたところ以下のような返答を頂いた。

 

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刃先の弱さについてなんですが、理論上では、一番初めは脆いはずなんですよ。


なので、一皮剥くと良いと言う話は、研師から聞いてまして、
どう言う事かと言うと、生仕上げをして、焼き入れをしますが、一番外側は、入り過ぎていて脆く、側面は削りますが刃先は外側がそのまま残る為、脆いと言う話で、

研師は、現代刀打ち下ろしを研ぐ際に、砥石で研いでいて、外刃が欠けるそうで、ある程度研ぎ込むと、脆い層が無くなるのだそうです。

私も、自分で研ぐ際に、確かに砥石に負けて欠ける事が時々あったので、研師の言う事は肯定出来るのですが、焼き戻しで砥石に負けない打ち下ろしにはなるんですが、
一皮剥くに越した事はないはずなのです。

 

とは言え、刃先をチビさせるのは、中々出来ないんです。心理的に😅
と言うわけで、理論上や研師の話から、0.数ミリ位、刃引をしたら、
パリパリ層が無くなると言う事なので、その検証をぜひさせて下さい。

刃肉は、取ったとはいえ、試し斬り刀としては普通の肉のはずなので、同じようなヒラ肉で0.3ミリ程刃先を引いて研ぎ直します。

勿論、研ぎ直し代は不要です。👍

何回も研ぎ直すと言うのは、パリパリ層の除去と言う可能性を考えてまして、それなら理に叶ってますよね。

 

畳表や、生竹では分からないですよね😅

それか、私の刀が弱いのか、ですが、研ぎ直して同じ結果なら、刃先が弱い事になりますね。

不純物が多い方が刀身の強度は有っても、刃先はポロつくのであれば、据えもの切りには、向かないと言う事になりますね😅

アメブロで欠けた話を是非記事にして下さい!!

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との事だった。

 

ああ!これが打ち下ろしは刃こぼれしやすいというアレか!と電流が走った。

 

そういえば、武道刀では本三枚や四方詰が人気だけど刃先の不純物を減らして固くしているのかもしれない。