こんなロックな邦楽アーティストをどれほど待ちわびたことだろう―。
その名は・・・Superfly
今年の4月にメジャーデビューした日本のロックユニット。ボーカル越智志帆(おいち・しほ)とギター多保孝一(たぼ・こういち)からなる男女2人組・・・だったのだが、11月8日を持って多保孝一はコンポーザーとして裏方に回ることになる。つまり実質上、Superfly=越智志帆オンリーということになった。しかし彼女をサポートする強力なSuperfly bandがいるし、奏でられる楽曲はまさに「バンドサウンド」なので、あえてここでは「バンド」という呼び方をしよう。
12月8日から始まった初のワンマン・ライブ・ツアー
「Superfly 2007 Hello, we love you」その初日に足を運んできた。
会場に入るとすでに大勢のファンが詰め掛けていた。ストーンズ、The Who・・・往年のロックナンバーがこれでもかと言わんばかりにBGMとして流れていて、その時点で私はすでに興奮状態に突入。ほぼ定刻通りにBGMが静かにフェイドアウトすると・・・暗転。バンドメンバーがおもむろにそれぞれの定位置につく。余計な装飾は一切ない。実にシンプル。阿吽の呼吸で力強い演奏がスタートすると、ステージ袖から堂々とボーカルの志帆が登場。60年代のフラワームーブメントを彷彿とさせる腰まで伸びたワンレン(←古い?)の黒髪をなびかせ、これまた60~70'sの洋楽ライクな超ロック・チューンで幕を開ける。それもそのはず、志帆はジャニス・ジョプリンやキャロル・キングに、コンポーザーの多保はストーンズやドゥービーブラザーズに影響を受けたというから頷ける。一度聴けば頭から離れないギターリフや重めのビート、そして何と言っても志帆の圧倒的な歌唱力と本能のまま身体を揺らす魅惑的なダンスに即ノック・アウト
シンプルに「かっこいい」。
そんな洋楽(みたいな)ロックナンバー数曲を勢いよく畳み掛けてきたもんだから、もう完全にこのステージの虜である。ただ、途中何回か挟まれるMCでは志帆の女の子の一面も垣間見る。なんてったって初のワンマンライブ、言葉の節々に緊張とあどけなさを感じ、思わず「かわいい~」と唸ってしまう。しかし曲のイントロが鳴り出した瞬間、お茶目な少女からロック姉ちゃんにスイッチがピピッと切り替わる。そのギャップこそが、本当にすばらしい!!ロック姉さんVer.の志帆から発せられる何オクターブも自在な歌声には、間違いなくロック魂が宿っていた。
「本物だ。」
そう感じずにはいられない。
ポップチューンもあることにはあったにせよ・・・
「正真正銘のロックンロールライブ!!」
そう私は断言したい。
ライブ終盤には今年8月にリリースされた代表曲「マニフェスト」を演ってくれた。そう、私がこのバンドに興味を持ったきっかけのナンバー。興奮は最高潮に達し、こう強く思った―。
「このサウンドにプライドを持って、
日本のロック界に旋風を巻き起こしてほしい!」
どんなにロックをやっても、どうしても「J-POP」の匂いになることが往々にしてある日本のバンド。その歴史を塗り替える力があるアーティストだと、私は信じている。
終演後、志帆に直接挨拶することができた。とっても小柄な女性で正直驚いた。ステージ上の志帆はしかし、その小柄な身体を感じさせない、とっても、とっても、大きな存在だった―。
これからもtommy musicはSuperflyを全面的に応援していきます