梅雨シーズン、なかなか明けませんね雨、あまり「好き」っていう人は少ないけれど、雨の日の休日、昼下がり、家で好きなミュージックをかけながらあたたかいコーヒーを味わう・・・な~んてことがけっこう好きだったりするトミーです今回ご紹介するのは、そんなシチュエーションに聴きたい一枚!
db Clifford / 「Recyclable」
フレンチ・カナディアンのSSW、db Cliffordのデビューアルバム小さい頃からクラシックやジャズを聴いて育ち、5歳のときにはオペラの「カルメン」を弾きこなしていたらしい6ヶ月もかけて完成させたこの「Recyclable」で、彼は全ての楽器を担当、プロデュースも自身で手がける。今年3月、本国カナダにてデビュー
アルバム一枚を通して聴いてみた。良い意味でとても「あっさり」していた。なにか熱いメッセージを重く語りかけることもなく、音はピアノの旋律を全面に押し出し、美しく清らかに響かせているそして何と言ってもdbの軽快な歌声によって、どの曲もジャジーでクールな印象になっている。
「熱いメッセージを語りかけることもなく・・・」と前述したが、何度も繰り返し聴けば聴くほど、この作品が彼にもたらす意味がいかに大きいか、ということを感じずにはいられなくなった
愛する母親を数年前に亡くしたdb、彼はその時「自分でアルバムを作ろう!」と固く決心したという。あくまでも「自分の手で完成させる」ということにこだわり、全ての楽器&プロデュースを一人で行う。しかしアルバムを作ったはいいが、契約してくれるレーベルがまったく見つからず、苦悩の日々を送る。それからおよそ2年の歳月を経て、SONY BMG Canadaと契約。今回の夢のデビューにやっとこぎつけたわけだ。
このアルバムのジャケット裏にはこんなメッセージがしたためられていた。
To my mother...
Thank you, merci:
Carly, how can I ever thank you enough?
Papa, sans qui cet album n' existerai pas, merci
Joby, my brother, thank you for taking me to the next level.
Murray, thank you for believing in me.
John, I will forever be thankful.
・・・・・・・・・
シンプルだけど力強い「thank you」という言葉に、この上ない感謝の気持ちが込められている。彼の周りでサポートしてくれている人々への「ありがとう」の気持ち。そして一番上には、誰よりもこのCDを捧げたい人の文字・・・「To my mother」・・・
もう一度アルバムを通して聴いてみた
今度は全ての曲の温度が少し上がっていた。とても温かく何かを語りかけてきてきた。
We can do it together
You can do it alone
But the sooner the better
Cause freedom is our power
僕たちは一緒になんだってできるんだ
たとえひとりでだってやり遂げられるよ
でも早ければ早い方がいい
「自由」は僕たちのパワーだから
(by 「Don't Wanna」)
All we need to do
is to dream something new
All we need to find
Is the peace without our minds
僕たちに必要なのは
何か新しいものを夢見ること
僕たちが見つけるべきものは
理屈抜きの「平和」だ
(by「I Have A Dream」)
Stevie Wonder、ジャミロクワイ、スティーリー・ダンなどにインスパイアされたというdb。その非凡なメロディ・センスに乗せて軽やかに歌う「自由」や「平和」のメッセージ、そしてみんなへの感謝の想いにぜひ耳を傾けてみてほしい。天国の母も今頃そのジャジーポップなサウンドに酔いしれているはずだ。冷たい雨が降りしきる中、温かい気分になれる名盤です
これからもTommy Musicはdb Cliffordを応援していきます*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆