8/9(土)
日本の南海上には大型の台風11号が時速15km/hという速さで接近しています。朝テレビで天気アナウンサーが伝えている。台風がくることは分かっていたが、いざ接近すると不安になってくる。連休前半の予定を狂わされる人も多くなるだろう。ここに書いている日記が変に回りくどく、小説みたいなのは、今回の旅行の移動中に読んでいた1Q84村上春樹著のせいということを承知いただきたい(まだまだ読み切れていないが)7月に沖縄に行ったときも台風から逃げるように羽田を出発し、終日晴天の中楽しむことができた。今回も同様に台風から逃げる形で成田からカナダのカルガリー行きの飛行機に乗ることができた。大学時代クラスが同じで仲良くなった友人とだ。中村という。本人は楽天家を装ってるつもりだが、面倒見の良い気が利く兄貴肌だ。昨年末にも一緒にバルセロナへ行っている。中村と私は在学時よりも卒業してからの方が旅行に行っている。中村だけでなくクラスの仲のいい友達には定期的に会っているし、旅行も多い。年次を重ね仕事のウエイトが重くなるに連れ、旅行の回数は増え、行き先も遠くなってるような気がする。実家暮らしであり
、車も、嫁もいない我らには今がその時なのかもしれない。
カルガリー経由でラスベガスへ到着した。21時を過ぎており日はすっかり暮れていた。ホテルまではバス移動だったが添乗員の声が耳に入らないほどの光景が待ち受けていた。高くそびえ立つ何十棟ものホテル。遠くからでもハッキリ見えるホテルの名前。華やかなライトアップ。これからこの街を巡るのかと思うと寝ている場合ではないと。中村も同じ気持ちだった。ここ数年ではカジノにおける営業収入はラスベガスよりもマカオの方が高い。しかし今回の旅はカジノがメインという訳ではない。具体的に何がしたくて、何がみたくてという旅行ではない。私自身は行ったことのない、やったことのないことを経験することに日々重きを置いている。曖昧ながらも大切にしていることの一つである。今回はアメリカ、カナダに訪れたことがなかったので行くことにしたのだ。
ラスベガスは景気がいい。この言葉がよく似合う。ビルは高く、NY,PARISをイメージし、照明は華やかで、ルーレット台の近くには女性が下着同然で踊っている。卑猥という言葉は当てはまらなく、華麗で、しなやか。まわりには高貴な男女がグラスを片手に楽しんでいる。すぐ隣のラウンジには最新洋楽ヒットチャートを飾るサウンド、低音が窓ガラスを揺らしていた。私はその音と酒に浸りたかったが、中村は洋楽を聞かないし、疲れを取りたそうだったのでベラージオホテルの噴水ショー、カジノを20ドルほど遊びすぐホテルに戻った。3時過ぎに床についた。
次の日の朝、話してもいないのにツアーで一緒になったご夫婦たちに「たくさん稼げましたか?」と聞かれたのには驚いた。私たちは口を揃えて「元手が無いので」と軽く濁した。仮に大金を稼いでいたとしても本当のことは言わないし、大損をしたとしても返す言葉は変わらないだろう。どちらにせよこのツアーに来ているほとんどの人は富裕層ということは分かっている。私たちは、ありったけの預金残高をつぎ込んでここに来ているのだ。今後の9日間を考えると変にお金を持っている若者と勘違いされては困る。大変困る。眠い目をこすりながらバスはザイオン国立公園へと走り出した。
つづく