中山康樹さんのコラムは面白い
やっぱり雑誌の人だと思ったよ!

ウェブサイト「ミュージック・ストリート」のコラム『音楽玉手箱/中山康樹』の「第6回 キース・ジャレットの新作『サムホエア』を巡る雑感」が面白かった。是非、一読を!!第6回キース・ジャレットの新作『サムホエア』を巡る雑感 文・中山康樹
最近の中山康樹さんのジャズ本には、キース・ジャレットの新譜ではないが「飽きている」「今までに出版されている本と同じような内容」なので、あまりいい評価はしていない。論法がいつも同じで、閃きや思いつきはいいのだが決定的なところで詰めきれていない歯切れの悪さを感じている。また、中山説が事実だという見解がジャズ聴きの間に定着するかというと、かなり疑わしいから真に受けるのは危険だと感じているのだ。「ジャズ考察のネタ切れ」も感じていた。
ところが、今回のコラムは文句なくいい。コラムとしては長いのは二つのテーマを扱っているからだ(内容はコラムを読んでください)。

んで、このコラムの歯切れの良さが中山ジャズ本にはない。ここで扱われている内容は、これまにも何冊かの中山ジャズ本にも書かれていたことだが、ネット系、SNS関連の記述は中山さんの「情弱」な部分を露呈しているだけで、「ジャズブロガーに恨みでもあるの?」という感情しか沸いて来なかったが、今回のコラムで「なるほど、そういう見解だったのか!」とナットクした(完全に賛同はできないが・・・)。
キース・ジャレットの新作レヴューに対する苦言もそうだが、スッキリ、さっぱりしている。この爽快感が中山ジャズ本には、決定的に欠けている。まぁ、回りくどくウザッたくなっているのだ。結論から言えば、実際、中山ジャズ本はこのくらいの文量で語れるコンセプトや閃きを一冊の本に水増ししているように思うことが多い(笑)。

この『音楽玉手箱/中山康樹』の6本のコラムはどれもいい。肩に力が入っていない。書いている人物に好感が持てる素晴らしいコラムだと思う。
書いている内容は、今までの中山ジャズ本と重複する部分が多いが、贅肉をそぎ落としたコンセプトに近いコラムの方が何十倍も説得力がある。「やっぱり、中山さんって雑誌の人なんじゃないの?」と思ってしまった(笑)。これからは中山さんの連載をまとめたコラム集なら即!買い。ん~、書き下ろしは見送り!!


因に、オレからの提言。「ミュージック・ストリート」のコラムを雑誌や紙媒体の原稿依頼のつもりで書いているのかも知れないが、読む側にとっては「ミュージック・ストリート」はブログと何も変わらない無料のサイトであると言う感覚が欠落している・・・矛盾していると言えば矛盾している。そのメディアでツイッターやブログに批判的な意見を発信したことは、「ぼくはツイッターもブログもやっていない」は、これからは通用しないだろう(笑)。
今回のコラムが、従来のジャズ聴きや中山マニア以外にも読まれたことは確かだ(オレもFacebookで紹介したからね)。そろそろ、中山さんもネットで発信することも勉強してみてはどうだろうか?やってみないと分からない事が多いはずだ。ミュージシャンがツイッターやブログをライブや新譜の宣伝告知ツールとして使っている事にも気づくはずだし、自信のおざなりの停滞ホームページ(もうテーブルが崩れて、文字化けし醜いだけになっているが)では得られなかった、新しいことに気づくかも知れない。そして、意識的に「情弱頑固オヤジ」をやればいいのではないか。そうは言っても寺島靖国さんはネットのことは知っているぞ(笑)。


んで、問題提起された側は、きっとこれといった反応はないと思うが・・・掲示板の「レギュラー・メンバーの問題点」というタイトルに驚いた。おおっ、ずばっ!と言っちゃいまいますか~と思ったが、そういうことではないらしい(笑)。キース・ジャレットのレギュラートリオに問題なんかないよ!

中山さんの『かんちがい音楽評論』のアマゾンのカスタマーレビューが、しばらく見ないうちにバージョンアップしていて、めちゃくちゃに面白い内容になっていた。著作物よりもブックレビューの方が面白いという稀な体験をしてしまった。ジャズ聴きたちは厳しいねぇ~
かんちがい音楽評論[JAZZ編]