久しぶりにジャズのことでも話そう!
ジャズを聴くって難しいことなのか

最近のこのブログの検索ワードで一番多いのがミュージックプレーヤー「Audirvana」(Mac専用)。かなりの人がこれで来ているみたいです。ちょっとビックリ!やっぱり人気なのかな?
PCオーディオや電子書籍の話題が多くて、すっかりジャズの話が少なくなってしまったが、たまにはジャズの話でもしよう。

その前にジャズジュークボックスから1枚聴きながらにします。今日の気分はこれかな?1963年、ケニー・ドーハムのコペンハーゲンのライブ録音。外は雨だし、こういう日は飲みながらジャズをゆったり聴きたくなるよね。でもひとりで酒を飲む習慣がないオレは、コーヒー牛乳を飲みながらジャズを聴くという何ともカッコ悪い、そうそうホットコーヒーを飲むという習慣もありません。キライじゃないんだけどね(笑)。


$Tommy's Jazz Caf'e ジャズブログ
Short Story Kenny Dorham(1963/Steeplechase)

昨日、ジャズ友のいっきさんのブログに「ジャズは難しい音楽なのに、ジャスを聴く人を増やすためにもっと気楽に聴けばいいという風潮は、ジャズ音楽にとって良い状態とは思えない」という内容の思いが綴られていた。
「いっき」のJAZZあれこれ日記(ブログ) ▶ ミゲル・セノーン買いした1枚

そこで、いっきさんのブログに以下のようなコメントを書いた。

●tommyのコメント
「ジャズを広く啓蒙する気はない」いっきさんなのに、熱いメッセージですね(笑)。

必然性がある人が聴いている音楽がジャズ。"その人の人生に必要な音楽" ・・・なんだと思いますよ。

「ジャズ耳」というのは単なる思い込みだと思います。好きで長く聴いていると、殆どの人がそうなるものなんですよ。でも優れたジャズミュージシャンのようになれる分けではありません。「好きこそ物の上手なれ」の範疇の事なのではないでしょうか?それ程、大げさなものでもないでしょう?

ジャズを聴く必然性がない時代ですから、聴く人が少なくなるのは当然です(それは音楽全般に言えることかも知れないけど)。
必然性のある人にとってジャズは難しい音楽ではないはずです。特に何らかのトレーニングも必要ないでしょう。必要でない人に聴かせようとするから「ジャスを聴く人を増やすためにもっと気楽に聴けばいい」ということになるのです。でも言っているだけで、結果は同じです・・・。

今ジャズを聴いている人たちは(いっきさんも含め)、ジャズを聴く必然性があった人たちです。これからも誰がどんなに優しく啓蒙しても、必然性のない人はジャズを好きになる事はないでしょう。ジャズはそんな音楽ですから・・・。

難しい簡単ではなく、すでにその人の人生にジャズが必要かどうかは決まっていることだと思います(フュージョン好きは分からないけど/笑)。これは誰にもどうしようもないことです。
世の中には必然性があっても気づかずにスルーする人生の人もいますから、そういう人にアピールするのはいいことだと思いますよ。ブログもツイッターもそのくらいの役割なんだと思います。


それに対するいっきさんの返信は、いっきさんのブログでお読みください。

まぁ、いっきさんは「真剣にジャズを聴くという行為はハードルを下げて、間口を広くしたからといって成立するものではない」と言いたいんだと思う。逆に世の中の風潮は、「今までのジャズ聴きのような重い暗い考え方は止めて、もっと楽しくジャズを聴こうぜ!」~ツーことだろう。
この話は「ジャスを聴く人を増やすためにもっと気楽に聴けばいい」というのが先にある分けではなく、「ジャズは誰でも親しめる単純な音楽ではない。聴く人にもそれなりに向き合う覚悟が必要だ!」というような考えの方がジャズ聴きたちには普通のことで、ず~っとそうやって来ただけなのだ。それに対して、この頃「そう難しく聴くのは止めましょうよ。音楽なんだから・・・」という、意見が強くなっている事への懸念なのだ。

これに関しては、オレもいろいろやってはみたけどいい結果は出ていないので、「やれる人がいろいろやってみればいいんじゃない?」というのが正直な気持ちだ。まぁ、いっきさんの言いたい事は分かるけど、面白い結果が出るのならそれもまた見てみたいと思う。
いっきさんとオレのズレは、いっきさんは「入口に偽りありでいいのか!」と言っているのだが、オレは「入口で騙しても、実際は残りはしないよ」と思っているだけなのだ。てか、「ジャズっていいぜ!もっと楽しくジャズを聴こうぜ!」って言ったところで、実際そうはならないでしょう?。きっとそう言っている人がキライなんだね、いっきさんは・・・ナットク!(笑)。

今回、「必然性のある人」と書いているが、説明が面倒くさくなりそうだったのでそう書いたが「ブルース」や「ジャズマインド」とかイメージを膨らませて読んで頂けると嬉しい。ジャズが誰でも聴いて楽しめる音楽ではない事は、十分承知していることなのだ。


一番の弊害はジャズ聴きたちなんだよ
ジャズという音楽は誰も拒んでいない

んで、ホントのところどっちでもよくて、ジャズを聴くのに入口で大きな弊害をもたらしているのは、オレたちジャズ聴きなのさ(笑)。めんどくさいじゃん!こんなうるさいオジサンたち。「はいはい、自分の事は自分で考えますから、余計なお世話なので放っておいてください!」じゃないのかな?(笑)。まぁ、ジャズ聴き仲間で話している分には楽しいけどね。

ジャズジュークボックスから、もう1枚聴きます。ウォルター・ビショップ・ジュニアの代表作と言えば1961年録音の『スピーク・ロウ』だと思いますが、それから10年後に録音されたこのアルバムは、音楽的な濃度も増した100%ハッピーな1枚。おおっ、フリージャズもやってるぜ!!

$Tommy's Jazz Caf'e ジャズブログ
Coral Keys Walter Bishop Jr.(1971/Black Jazz)

●tommyの戯言(たわごと)
ここからは別の話なのだが・・・。
この頃、オレが "カッパ" と呼んでいるジャズ評論家見習いの柳樂光隆くんが、イベント企画でいい成果をもたらしている。まぁ、一部にはジャズ聴きたちに混乱をもたらしているだけだという非難も聞こえてくるが、これは評価に値することだと思う。実際は何もしない人が多いからね。
今まで企画力と行動力がなかった地下室のジャズコミュニティに、若い行動力で貢献しているのは頼もしいかぎりである。まだ、文章もしゃべりも上手くはない。司会もイマイチだがコーディネート、ネットワークとダメ元精神の行動力は素晴らしい!(好き嫌いとは別の問題だ。適正な評価は必要)。
しかし、残念なことに彼の活動や行動を支援しようという先輩たちの動きはまだない。孤軍奮闘でそろそろキツイという感じだ。いちばんの支援は早めにジャズ本を一冊出してやることだろう。このままでは、便利な学園祭のイベント屋になってしまうのではないかと、ちょっと心配なのだ。早く書き手としての実力を見てみたいのだ。頼む!柳樂光隆くんの活動を応援するのなら、本を一冊出してやってくれ。ジャズの書き手も世代交代が必要なのだ!電子書籍でもいいからさぁ、いや紙本で!(笑)。


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